掬う
昨日のnoteを読んで共感してくださる方がいて。
ああ、もう僕はこの皆様の想いだけで充分なのかもしれない。
なんだかそんなことを思ってしまったよ。
いやでもそうじゃないか。
共感してくれるということはやはりそんな皆様の想いに応えるべきで、それは一人でも多くの皆様に届けることなのだろうと思う。
映画「演者」が大ヒットすればそれはすごいことなのだけれど、それはさすがに出来ないことを僕は知っている。ランキングに乗るような作品ではないだろう。そうなって欲しいし、そういう世の中ならいいなあと思うけれどさ。
でも、大ヒットしなくてもスマッシュヒットというか、一部で話題とか、そうなる可能性は充分にあるはずだなぁと思う。ミニシアターという場所で、単館で、噂になる。そういう可能性を秘めていると思っている。
それほど、今日まで見てくださった皆様から届く声は僕に自信を持たせてくれている。
そして僕はそんな作品に魅力を感じることが多い。
喜劇でも悲劇でも。アクション作品でもホラー作品でも良い。
どんな作品にも誰かの愛情が詰まっていて誰かの心に触れるだろう。
まぁ、もちろん、なんだこりゃ?ってこともあるけれど、それはたまたま自分と合わないだけなのかもしれない。
だからどんな映画にだって話題になる可能性があると言えばある。
でも僕が感じているのはそれとは違うやつだ。
別にヒットが全てではないし、誰か一人にとって大事な作品になればそれでいいという気持ちも同時進行であるけれど。
僕がいままで出会ってきた作品の中でも特別な瞬間があるわけで、その瞬間を持っている映画なんだということに僕は気付いている。
観てさえもらえれば。
ただその観ていただくのはどうしたらいいのか。
一歩一歩進むしかないのだけれど。
人によってこの作品から受け取ることは形が違う。
出てくる言葉がそれを物語っている。
人によって見る角度がまるで違ってくる。
まるで鏡のような作品なのかもしれない。
だからこそ、この作品は体験に近いものなのだと思う。
今も僕の源泉は皆様のレビューだ。
僕はこの映画を創らざるを得なかったと言っていい。
ああ、もうこれは映画を創らないわけにいかないんだな。
そういう場所から生まれた。
心の奥のなまあたたかい沼のようなところから掬い上げた何かだ。
そこに言葉で肉付けしてくれたのは皆様のレビューだった。
SNSのレビューは流れていってしまうのが悲しいね。
この作品を今も紹介してくださるコメントを読み返しているけれど。
そんなわけでちょいと凹んだ僕に。
皆様、新しいレビューを届けてください。
なんて。
映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
題字 豊田利晃
「嘘ばかりの世界」だ
「ほんとう」はどこにある
【上映館】
・2023年11月18日(土)より
ユーロスペース(東京・渋谷)
http://www.eurospace.co.jp/
出演
藤井菜魚子 河原幸子 広田あきほ
中野圭 織田稚成 金子透
安藤聖 樋口真衣
大多和麦 西本早輝 小野寺隆一
撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟
録音 高島良太 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希
制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき
【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。
家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。
やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。
◆終映(特別限定先行上映)◆
・2023年4月15日(土)16日(日)※限定2日間
シアターセブン(大阪・十三)
・2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)※限定3日間
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
・2023年3月25日(土)~31日(金) ※限定1週間
K'sシネマ (東京・新宿)