急成長企業モノタロウ成長の裏にはデータ活用体制あり?
今回の企業分析は、BtoB向けの間接資材のEC事業を展開している会社モノタロウです。
モノタロウとは?
モノタロウは、BtoB向けの間接資材のEC事業を展開している会社である。商品数は、1800万点を超える商品数を展開しており、製造業や農業、建築、飲食業など様々な業務の仕事現場におけるニーズに対応した商品展開をしています。2020年度 Q3時点では、1000社以上の企業が登録しています。
会社の企業理念として『資材調達ネットワークを変革する』
を掲げており、間接資材において、買うのが手間であったり、見積もりや交渉が必要で、適正な価格でモノを買うことができないなどの問題を解消するために事業展開しております。
モノタロウのビジネスモデル
現在、オンラインのモノタロウサイトを中心に、サービスを提供しているので、売上の構成要素としては、「顧客数」「顧客単価」「購入頻度」の三種類になります。
サービス特徴/4P
特徴的な点としては、
・事業者向けの間接資材を1,800万点以上揃えており、間接資材に関する欲しい物がすべて手に入る
・物流に投資をしており、最速当日で発送。
・ECサイトのデータを分析し、検索機能やレコメンド機能の改善をすることで、欲しい物がすぐに見つかるサイトを作成している
点です。
外部環境分析
特徴としては、
・コロナウィルスを期に、オンライン購買行動が加速化されること
・オリンピック経済により、建設を始めとする顧客企業の間接資材ニーズが高まること
・コロナウィルスにより、出国規制がされ、海外進出に支障がおきうる点。
・Amazonを始めとする小売企業で物流投資が行われ、物流の自動化・省人化が進んでいる点
などが挙げられます。
モノタロウのポジショニング
競合には、Amazonや全国展開型のホームセンターや地域の小規模販売店などが競合店に挙げられます。
その中でもモノタロウは、間接資材という一分野において、どこよりも多種な品揃えと欲しい物がすぐに手に入る即日配送のための物流投資がAmazonや地域のお店にも負けない差別化要因となっています。
ここからは、モノタロウの成功要因を分析してみましょう。
成功要因分析①:物流投資による顧客体験の向上・省人化
モノタロウは、積極的に物流投資をしていることでも有名です。
たとえば
・兵庫県などの新倉庫に自動搬送車900台、300億円投資
・受発注管理システム(OMS)等のシステム導入
など、適切かつ素早い配送を実現するために、物流に力をいれています。
成功要因分析②:データ活用による、顧客獲得効率向上・既存顧客の体験向上・データによる需要予測
モノタロウでは、データ活用部門の約6割がエンジニアで、データサイエンティスト人材を雇用しております。
その人材を活用して、
❏ECサイト/UX向上(1,800万点以上/2020年4月)
・商品検索
・レコメンド
・行動履歴をもとに分析/改善
・価格の最適化
・商品カテゴリー見直し
❏マーケティング活動
・広告/メール最適化による新規ユーザー獲得
❏経営サイド
・需要予測と在庫数量の最適化
・物流ルートや配置の最適化
また、データ活用周りは、データマーケティング部門の中で行っているようで、部門の中には、販促やWebデザイン、集客・web改善など、新規顧客獲得やECサイト改善に関わるチームが同じ部門内に属していることがわかります。経営判断として、ECサイトで得られるデータを活用し、新規獲得や既存のECサイト改善に活用する意識が見て取れます。
【モノタロウ組織図】2020.12.30
ただ、人材の定着という観点では、平均勤続年数が5.1年と短いため、
人材の定着面では課題がありそうです。
ただし、逆に人材が長く働かなくても会社が回るように属人性をなくし、
データ活用を進めているかも知れません。
(有価証券報告書より)
成功要因分析③:商品数の多さ
モノタロウは、商品数が1800万点以上(2020.04)と、なんでも手に入る品揃えです。そのため、顧客にとっては、モノタロウで買い物をすれば、比較検討でき、自分の欲しい物が手に入るという利便性から、継続的に利用している顧客層が増えているようです。
最近では、PBブランドの開発もしており、より利益率の高い商品の展開を勧めています。