ZOZOTOWNでマーケティングトレース(前半)
こんにちは。今日は株式会社ZOZOをマーケティングトレースしていきます。後半は株式会社ZOZOが扱っているサービスの中でも「ZOZOTOWN」に焦点を当てて分析していきます。
*マーケテイングトレースコミュニティで調べた内容に沿っています。↓
まず、ZOZOTOWNの最近の決算状況ですが、2020年10月に発表された「2021年 3月期 第2四半期 決算」によると、達成率は5割ほどのものの、前年同期比で+16.2%の売上664億円と成長をみせております。
また、年間購入者数ベースでは、前年同期よりも57万8767人ほど増えているものの、購入金額に関しては、新規と既存顧客ともに減少傾向です。また、購入点数に関しても伸び悩んでいる印象です。
営業利益率に関しても、直近では10.7%と決して高い数字ではないです。
ZOZOの状況に関してより深ぼっていきましょう。
マーケティングトレース
PEST分析
直近の特徴をまとめると、
・外出自粛やコロナウィルスへの不安により、顧客の購買行動が変化(ECへ)
・少子高齢化によりファションに敏感な若者層の減少。
・消費者の情報源が変わり、個人のインフルエンサーから情報を得る
・AIやビックデータ、Iotによる、レコメンデーションの発展やマス・カスタマイゼーション、
・自動運転による郵送コストの低下
・EC化が進むことで、D2C型のビジネスモデルの増加
などが挙げられます。
競合分析
競合としては、大型モールのAmazonや楽天などがド競合に入りつつ、ブランドが自社でサイトを制作できるShopfyやBASE。SNSをみながら洋服を購買できるショッピング機能をつけたInstgramなども競合に上がってきそうです。
STP分析
ターゲットに関しては、共通するのはファッションに興味が強い層という点でしょう。ただし、2019年12月のPayPayモールへのZOZOの出店開始で、これまで使っていなかったファッションに疎い層にもアプローチできそうです。
STP(ポジショニング)
ポジショニングとしては、ファッション特化型かつ様々なブランドが出店としているという点で強みを発揮しているかと思います。たとえば、ファッションSNS「Wear」(DL数1500万超)からの流入など他の競合にはない強みを持っています。
4Pマーケティング・ミックス
4Pに関して気になった点としては、ZOZOに出店しているブランドの販売手数料が平均35%と割高に感じる点です。今後、自社サイトを持つことがより簡単になると、ZOZOTOWNに出店するメリットなどがないと、出店のハードルが上がりそうです。
*MSP事業
ZOZOSUITの体型データを活用して、ユーザーの身長体重に応じた最適なサイズ展開を出店ブランドが行う。アイテムにより20~50サイズ程度。
*以下補足でZOZOTOWNのビジネスモデル
現状の成功要因
直近の成功要因をまとめていくと、以下のように考えられました。
①に関しては、「需要予測」「レコメンド」「サイトのUI/UX改善」「業務効率化」に対して、ZOZOのデータを活用し、ユーザー体験の向上につながっている点です。
②に関しては、2019年12月から「PayPayモール」に出店を始めたことにより、新規顧客数が増えた点です。これまでZOZOTOWNでは獲得できなかった層の獲得ができました。
(「2020年3月期 第3四半期決算」より)
③に関しては、コロナ需要により、ユーザーの購買行動が変わり、オンライン利用者が増えた点やオンラインでの購入失敗を避ける「マルチサイズ」機能などがあります。
深堀り調査・CMO仮説視点
ここまでの調査の中で、以下の論点が出てきました。
次回は、以下に関して調査した上で、CMO仮説を出していきたいと思います。
①顧客単価が下がっていく状況に対して、どのように対処していくか
②Zホールディングスと統合したことによりデータ活用に変化があるか。今後どのようなデータ活用を考えているか(ZOZO研究所の動向)。ZOZOTOWN内の購買データとZホールディングスのデータ紐付けに関して
③D2Cブランドとどのように競争していくか。ZOZOTOWNに出店するメリットをどのように作っていくか。
④グローバルのファッションブランドはどのようなデータ活用をしているか。
学び
①ユーザーの購入行動に合わせたデータ活用とデータ活用組織づくり
今回調べたZOZOでは、ユーザーの購買データやECサイト上での行動データだけではなく、どのブランドが特に売れているか、どんなカテゴリー、服が売れているか(画像解析)、ユーザーのカラダの採寸データなど、幅広いデータを所有しています。
それらのデータを企業ニーズベースではなく、ユーザーベースで体験向上のためにどのように活用するか、活用するための組織づくりをどうするかが重要だと思いました。
ZOZOでは、ZOZOテクノロジーというZOZO株式会社をデータ活用の面で支援する組織を作り、データごとにチームをつくり、分析・活用支援をしています。
(『「ZOZO」を支える、最強のデータ活用組織/ZOZOテクノロジーズ「分析部」の正体とは?』より)
また、データを扱える人材に対する報酬面に関しても、「年収1000万~1億の」逸材・天才を募集するなどをしていました。