P&G式「勝つために戦う」戦略
【タイトル】P&G式「勝つために戦う」戦略
【日付】2019/06/30
【もう一度読みたいか】定期的に読み返して、戦略のアップデートに活用したい。
なんで読んだか?
もともとこの本を手にとったきっかけは、「#20代マーケピザ」だった。本の分厚さや口調の難しさから積読してたのだが、最近仕事で「マーケティングをもっとできるようにならねば」と思わされることが多く、とくに「どんな意思決定をするべきなのか」がわかってないと感じていた。そこで、意思決定をより進める上での指針になるかもしれないと読んでみた。
どんな本か
本書は、P&Gの社長であるA・Gラフリーと戦略・デザイン・イノベーションなどを研究しているロジャー・L・マーティングが二人で書いた本だ。そのため、経営学書によくあるような、「これってどうやって実践するの?」「本当にできんの?」と思うことが少なく、企業での実践をベースに「戦略とは?」「どのように戦略を立てるのか?」「立てた戦略を実行するには?」「どんなマインドを持って取り組む必要があるか」などをまとめた本で、自分の未熟さを感じて「頭が痛くなる」本だ。
「戦略」とはなにか
この本でいう戦略とは何か。著者によると、それは、「勝つための一連の選択」だ。
"戦略とは規律のある思考であり、勝利に関わる厳しい選択である...
成長するとか、それを加速するというのは選択ではない。戦略とは、どこで戦うか、どうやって勝つのか、中核的能力はなにか、そして消費者のニーズを独自の方法で満たす経営システムは何か、だ。それによって競争優位性を築き、優れた価値を生み出すことだ。 (p72)"
選択をすることで初めて顧客のニーズを満たすプロダクトを作ることができるし、選択をして他の未来を切り捨てることで、勝利ができる。
そして、変化が激しい環境では、戦略を立てる意味がないと思われがちだが、変化が激しいこそ戦略は、意味を持つ。
"どんな戦略にもリスクが伴う。だが、成長が緩慢で、急激に変化し、激烈な競争環境にある世界で戦略を持たないことの方が、はるかに危険である。(p242).."
戦略では、どんな選択をしないといけないか
戦略を立てる上で考えるべきなのは、以下の5つ。
1:どんなゴールを達成させるか?
2:どこで戦うか?
3:どうやって勝つか?
4:3のためにどんな能力が必要か?
5:どんな経営システムが必要か?
仕事をしていると、会社の制度や些末な施策に目が行きがちだが、
1~5を全て加味して、施策を考えないと行けないし、それぞれが連動しているかをみないといけない。それができないと、行きあたりばったりな施策になってしまい、持続的な競争優位を築くことはできない。
戦略の2つの方向性
どうやって勝つか?には2つの方向性がある。それは、「低コスト戦略」か「差別化戦略」だ。
"成功する戦略は全て、低コスト戦略か差別化戦略のいずれかである。いずれも競争相手の追随を許さないほどの収益拡大をもたらし、持続的な勝利の優位性につながる。 p110"
ここを読んで思ったのは、低コスト戦略で残る企業は1社か2社かに限る一方で、差別化して独自の価値を提供する企業は、複数社残れる点。こういった企業は自分たちのプロダクトに共感してくれる人に焦点を当てる。
例えば、代々木上原にお店を構える『sio』がそうだ。
低コスト戦略を取ると、消耗戦になりがちなので、それ意外の道を探る必要がある。ただ自分の場合は、より多くの人に価値を提供しようとすると、低コスト戦略を取る必要がある。なので、競合よりも顧客のためになる価値を、より低コストで運営できるオペレーションづくり、プロダクト作りが必要だなと感じた。
顧客の生活に溶け込み、消費者価値を追求する
P&Gでは、徹底的に消費者のニーズを分析して、プロダクトに活かす仕組みを長期的に形成してきたそうだ。
"消費者にとっての価値を知るには、彼らを本当に深く知る必要がある。...店頭で買い物客を観察したり、彼らの話を聞いたり、家庭を訪問して、商品をどう評価し、使っているのか行動を観察したりするなどだ。(p196)"
顧客が喜ぶものを作ってお金をもらうのだから、当たり前のことに思えるが、それがまだまだ出来ていない。今やっている事業でもすぐに取り組むべきテーマである。
この記事にあるように、プロダクトについて顧客の印象をきくのではなく、
顧客の生活・感情・行動などに注目して、その人の課題を解決しようと情熱を燃やすことに取り組んでいきたい。
最後に
競合に勝つために戦略を考えて抜いて、実践。そして、定期的にアップデートをかけることは、「どれだけ自分がプロダクトの顧客に向き合って、価値を提供したい」と思えるかに限っているのかなと。
そして、全ての顧客のニーズを満たそうとしない忍耐力も必要で、行動することと同時に、行動しないことも重要だなと感じた。
ここらへんがまだできていないので、実践でアウトプットして身につけていく。一つひとつこなしていく。