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メンズコスメで後発のバルクオムはどのように日本シェアNo.1になったか

今回は、メンズコスメブランドの「BULK HOMME」を分析していきます。

バルクオムの基本情報

・会社名: 株式会社バルクオム
・代表:野口卓也
・設立:2013年
・全体売上:非公開
・企業理念:世界のメンズビューティーをアップデートする
・事業内容:メンズコスメ商品の販売

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(引用元)

バルクオムの動きとしてやはり気になるのは、

・2015年に定期モデルの運用を開始。一度商品を気にいるとスイッチングしにくい男性顧客を掴む(定期購入継続率80%以上)
・海外獲得を目指し早い段階からアジア展示会への出店やグローバルアンバサダーの起用
・2020年以降、幅広い年代に知られ、海外でも知られる木村拓哉さんを起用したCMを活用

などですね。とくに、メンズコスメのサブスクリプションは、2015年時点ではあまりない事例だったと思うので、早い段階からサブスクリプションの導入を始められた点は、顧客の囲い込みにつながっていそうですね。

では、バルクオムがどのようにして成長したのかを整理していきます。

1.デジタル完結型の戦略


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(引用元:https://note.com/fumilito/n/ne7cd741ba570

バルクオムでは、商品リリース初期の段階から小売店に頼らないオンライン完結型のビジネスモデルを構築してきました。その戦略の裏には、男性がコスメ商品を店頭で買うハードルは高く、オンラインのほうが買いやすいからという仮説がありました。

実際に、実行していた主な施策は以下です。

①SNS広告の活用
②LINE広告→肌質診断ボット→LINEでの直購入の流れ
③インフルエンサー広告の活用
*ブランディング広告→CV重視広告→定期購入につなげる
④リスティングやアフィリエイトでのCV獲得

その中で、特に効果的だったのはInstgram広告です。

運用初期はTHE広告のようなきれいな広告を活用していましたが、
途中からユーザーがSNSに投稿している写真を許可をとった上で、クリエイティブに活用するという施策を行いました。

A/Bテストを繰り返した結果、「男性が手にしている」「洗面台の近く商品がある」投稿がもっともよい結果に。

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SNSは元々ユーザーのコンテンツを確認する場所でもあります。そのタイムラインを乱さない生のコンテンツがヒットしたようです。

LINEでも同様にユーザーの写真を活用したコンテンツを提供しています。

LINE広告→友達追加→肌質診断→商品おすすめ→購入

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また、オンラインを重視している理由の一つとして、オンラインで認知を獲得後、小売店から声がかかってから商品を卸すことで棚の交渉や卸価格の交渉に強気で出ることができるというメリットがあります。

また、メンズコスメ市場自体はメンズの3割ほどまでにしか浸透していないと言われている中で、デジタル領域でシェアを獲得することでメリットもあります。

狭い領域で認知を獲得することで、業界のトップ企業として認知され、初めてメンズコスメを利用する顧客がとりあえずバルクオムを使う流れを作る


2.9セグマップを活用したN=1マーケティング


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(引用:https://note.com/fumilito/n/neaad1fb375b9))

9セグマップを作成し、施策出しにつなげています。(現在でも3ヶ月単位で調査実施)*9セグマップの説明はこちら

◯活用例
■調査結果
ロイヤルカスタマーにヒアリングを実施し、美容室や脱毛サロンといったリアル店舗でおすすめされて購入されたひとが3割いた
→「信頼したひとにオススメされる」ことが重要だと仮説を立てた
(データでもインフルエンサー経由のCVが多い)
■施策
美容質やサロンへの営業を強化し、おすすめされる仕組みをつくる


N=1の事例を分析し、仮説を出した上でデータで裏付けをし、施策に落とすサイクルを回していることで、より精度の高い施策出しにつながっていそうです。

実際に存在しない架空の人物(ペルソナ)を想定して、流入施策を考えてしまいがちですが、バルクオムでは、実際の生活者が生活しているなかで、いかにバルクオムが生活に入り込むかを考えて施策が設計されています。

3.明確な製品戦略・品質重視


バルクオムでは、製品に関しては

①1カテゴリーに対して、1アイテムしか作らない→迷わせない
②センスと科学的エビデンス→感覚的な良さと科学的良さを狙う
③デザインを禅をイメージしたデザインに→日本的なイメージ、SNS映え、こりすぎない
④包装の無駄をなくし、製品の原価に回す→品質アップ

などの方針を持っています

やること、やらないことを明確にした上で商品の改善を行ったこともベンチャーながら、大手のコスメ企業に勝てた要因だと考えられます。

まとめると、バルクオムは、デジタル完結型に意図的に絞ることで、オンラインでの認知を高めて顧客層をひろげ、実際の顧客の声を聞く中で商品の利用率アップにつなげる仕組みをもっていることがわかりました。

今回のまとめ

今回は、日本のメンズコスメ市場でNo.1ポジションにあるバルクオム成長の裏側を分析していきました。

バルクオム成長の背景は、

①デジタル完結型の戦略→小売店に対して有利なポジションを獲得、リピート購入につなげる
②9セグマップを活用したN=1マーケティング→精度の高い仮説を元にした施策
③明確な製品戦略・製品の品質重視→選択と集中をすることで、改善にフォーカスできる

整理していくなかで思ったことは、何か大きな施策が成功したというよりはとにかく多くの施策数を実行し、そこから結果の良いものを残していくとった施策の実行数と改善のスピードが早い

という印象でした。

今後、海外進出を強化し世界No.1ブランドを目指すバルクオムの動きに注目ですね。



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