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小野田商店、パッケージ自作しました。【#2 小野田商店100+ 】

さて、前回は小野田商店と製氷メーカー全体がこの100年ほどで歩んできた歴史ついて語らせて頂きました。

前回は少し固めな話になってしまったので、今回はもっとミクロな話、「小野田の超純氷®シリーズのパッケージができるまでについて話してみたいと思います。

※前回の記事はこちら↓


情シス兼広報、ついにパッケージデザインにも手を出す

さて、このブログを書いている筆者ですが、所属は情報システム課の広報担当という、割と謎のポジションで働かせていただいています。

そんな中、ある日なぜか営業次長から「パッケージ作れない?」と言われ、なんと小野田商店の新たな看板である氷ブランド「小野田の超純氷®シリーズ」のパッケージデザインを作成することになってしまいました。

情シス+広報+社内デザイナーです。

さらにも増して、どういうポジションなのかわかりません。

ですが、自分の上司に当たる情報システム課長が社内経理システムから網戸のサッシまでDIYしていたり、また不動産部には事務所のリフォームから、自社や他社のアイスカッターや冷凍機や工場の諸々インフラ修理、果ては試作製品まで手掛けている社員がいます。

…なので小野田商店的にはあまり珍しいことでもありません。

とにかく無難になりがちな氷パッケージ

よくいうと氷だとわかりやすい、悪くいうと安パイな業務用デザイン。

業務用の氷パッケージは、とにかくシンプルになりがちなところがあります。

パッケージのプリント面積が多いと中の氷を覗けるとこが少なくて、検品がしにくいなどの理由があるからです。

最低限、製品の規格が見分けのつく程度の、簡単なものであることが少なくありません。

1.1㎏などの小さいサイズの製品では、ご家庭にも出回ることがあるので比較的まだパッケージデザインが凝っています。

しかし、業務用の4㎏サイズなどでは製品規格の違いごとに、同じパッケージデザインを色違いにしただけだったりすることもあります。
(一部の規格同士は極めて近い色で、たまに混ざって送られてきたり…)

いかんせん、氷のパッケージデザインは業務用はおろか、市販品でも割と同じようなものが流通しがちなものです。(氷のパッケージと言われても、どんなものか思いつく人のほうが少ないのでは?!)

だからこそ小野田の超純氷®はもうちょっと人の記憶に残る個性を出したい!

【オサレ】クールな和デザインにしたい!

キングアイス1.1Kの和風パッケージ案の一つ
(元データはどこかへいってしまいました…今はこの写真が残るのみ…)

実は、小野田商店がパッケージデザインを自社で考案するのはこれが初めてではありません。

以前にも業務用ブランドのキングアイス1.1㎏サイズの製品を、版の更新に伴いデザインを変更したことがありました

この時も社員に対してパッケージデザインのアイデアを募り、その中から選ばれたものが、何度かの変更、修正を経て採用されました。

そのときの経験が、「小野田の超純氷®シリーズ」のパッケージデザインを一から作るということの原点となったと同時に、今回は1.1㎏のときにも候補にあったクールな和デザインを目指すことになりました。

今回、デザインの全体的なコンセプトを担うことになったのは小野田商店墨田工場の工場長です!

工場長の考えるクールな和デザインのコンセプトに添うデザイン作りが、前述の1.1㎏の没デザインなども参考に進められていきました。

さて、小野田の超純氷®公式ロゴとその作者についてまた詳しく別のコラムでも特集したいと思いますが、実はその公式ロゴと商品名は別のフォントだったりします。

書道家の逢花様に手掛けて頂いた、小野田の超純氷®の公式ロゴ。
それにしっくりくるフォントとして選ばれたのが某鬼を滅する系の人気アニメにも使われたフォント「黒龍爽」でした。(勿論、正規のラインセンスに基づいて使用しました!)

さらに、今回は業務用の氷ではない一般も対象とした商品であることから、「今よりも一層多くの人たちに親しんでもらいたい」という思いを込めたデザインにしたいと考えました、

よって「永遠」や「繁栄」などの意味を持ち、事業拡大や子孫繁栄などの願いを込めた贈り物に使われる、市松模様をブランド全体にデザインとして取り入れることになりました

(これは前述の某鬼を滅する系人気アニメを意識したわけではありません…ないと思います…たぶん…きっと)

いや、でもパッケージってどうやって作るん?

※イメージ

さて、困ったことにコンセプトが決まってもさっぱりパッケージのデザイン方法が分かりません。

筆者はもちろんデザイン関連の勉強などしたこともありません。
それどころか、どんなソフトを使ってパッケージデザインを作成、編集していいのかすら全くわかりませんでした。

しかし、意外とここで救世主になったのがPowerPointでした。

パワポで画像を張り合わせながら製品イメージを作った

デザイン系で良く使われるファイル形式を編集するには、普段使っていないアプリを用いての編集が必要でした。

しかし、今までパッケージデザインも含めて袋の印刷を手掛けて頂いた会社の方々の方で、PowerPointで作ったイメージ画像を基に、パッケージ印刷に出力できるファイル形式として作り直してもらえることになったのです。

なので、最初はPowerPointでパッケージの各パーツの画像を作って重ねてできた画像をイメージとして印刷会社様に渡します。

それを印刷会社がaiファイルとして修正したものに、こちらでさらに微修正を加えると、あとは最終調整を加えるだけで実際のパッケージに使えるデータを作ることができたのです。

印刷会社様のお力添えによって、PowerPointで作ったイメージ通りの製品を自社で作成したデザインにより作ることができました!

出来上がったパッケージがこちら!

小野田の超純氷® 四角い氷

こちらの製品、従来の業務用ブランド「キングアイス」では「ダイヤアイス」という名称で製造販売しているキューブ状の氷です。

和風イメージを強く押し出したいとのコンセプトから、カタカナ語ではない、よりわかりやすいネーミングとして「四角い氷」とリネームされました。(賽氷-さいごおりというアイデアも検討されました)

製品表面の両サイドに、さりげなく配置された市松模様がポイントです!

小野田の超純氷® 棒氷

水筒などに使うと便利な、細長い形状の氷は通称「スティックアイス」と開発段階では言われていましたが、最終的にはブランドの雰囲気に合わせた「棒氷」という名前で決定されました。

水筒に入れると便利というポイントを強調するため、製品正面の左上にイラスト付きで「カラカラ音がしづらい!」と、この氷の強みが伝わることを心掛けました!

こちらも製品両サイドに、市松模様が配置されています。

小野田の超純氷® 毬氷

バーなどで頻繁に使用される丸く加工された氷は、手作り風ザラザラ加工をした「ボールアイス」との名称による区別を明確にするため、ツルツルの丸い氷であるこの商品を「毱氷」と名づけました!

またボールアイスにあった表面の手作り風の加工をあえて無くし、滑らかな表面にして氷の透明さを楽しんでもらえる製品へと、名前と規格だけでなく、製造工程まで変えました。

こちらは横に細長いパッケージとなっており、市松模様は上下に配置されています。

小野田の超純氷® かき氷専用

こちらの氷は、製氷業界では「半貫目」と呼ばれているサイズの氷です。

半貫目は、専門店のかき氷機の規格にあったサイズですが、「貫目」という製氷業界の用語が使われていることから、その伝わりずらさを考慮し「かき氷専用」という名前になりました。

このサイズの氷は、業務用のかき氷に使われることが多く、専門店ではこの規格の氷から、かき氷を作っているころが多いです。
勿論、家庭向けのかき氷機にもこの規格に対応したものがあります!

材料が水だけなので、後ろにある製品情報の内容が非常に少なく
結果、非常に字が大きなデザインになりました…。

従来の業務用パッケージでは省略されていた細かな製品情報も、一般のマーケットに流通する上では絶対に記載漏れがあってはありません。

市場に飲食氷を流通させる上で、必ず守らなくてはいけないパッケージ上の記載ルールを厳重に確認しました。

製品名や表記の様々なパターンを試していく中で、多くの没デザインもあった。

印刷会社様のサポートはあるとはいえ、いきなりパッケージデザインを一から考えて作るというのは順風満帆にいかないもので、認識と微妙に違うサンプルが仕上がることも多かったです。

正確な図面ではないPowerPointで作ったイメージを基にした製品では、とりわけ認識のすり合わせが大変でした。

完成したパッケージを初めてみた時は、脳内のイメージと結構違うなぁ…と思うこともありました。

しかし、視認性など予想外に良くなったと思えるポイントもあり、制作者本人としては紆余曲折を経て変わっていったこのデザインは、見れば見るほど愛着がわきます。(これが親バカ?)

また今回のパッケージデザインで、少し苦手意識を持っていたイラストレーターのアプリも触るようになり、いろんな意味で良い機会でした。

小野田商店は「DIY」精神が豊富な企業です!

小野田商店は、前述のように社内のシステムからインフラ、果てはパッケージや氷のアートまで内製化している、DIY精神豊富な企業です!

小野田の超純氷®シリーズも、一般市場にあまり出回らない形状の氷を提供していますが、これらの氷は多くの場合、専門店で手作業で加工されます。

これを小野田商店は生産方式の工夫などで工場で量産可能としました。

家で過ごす時間が大切にされる今日において、小野田の超純水®が皆さんの贅沢な時間や大切な人との特別な時間のお供になることを願っています。

また昨年4月より、小野田商店赤羽本社の1階にて協力会社が展開する、かき氷専門店FRAPPE HOUSEにて、「小野田の超純氷®」シリーズの「毬氷」と「四角い氷」を一般向けに先行販売しております。
2023年5月17日(水)から5月30日(水)まで小野田商店の創業99年目を記念して10%オフにて販売しております。

小野田の超純氷®」を使って、ちょっとリッチな家での時間を楽しんでみませんか?

FRAPPE HOUSE店舗外観

KAKIGORI CAFE & BAR FRAPPE HOUSE
東京都北区赤羽1-5-2 オノダビル1F
TEL:03-5939-7922
営業時間:11:30~21:00(L,O.20:30)
定休日:木曜日

webサイトURL
https://www.frappe-house.com/

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