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【麻酔の日】アイシングでなぜ痛みが取れる?


10月13日は麻酔の日

毎年10月13日は麻酔の日です。
これは今から218年前の西暦1804年の10月13日、当時江戸時代だった日本で世界初の全身麻酔による乳がんの摘出手術が成功したことを記念し、日本麻酔学会が制定したものです。

海外での成功例は、この41年後の1846年にアメリカのウィリアム・G・モートンのエーテル麻酔によるものであったことを考えると、これは非常に先進的な医学技術だったと言えます。

この偉業を成し遂げたのは外科医の華岡青洲。

麻酔無しでの手術は当然激痛を伴う上に大変危険なもので、患者の苦しみを和らげ命を救いたいと考え「通仙散」という経口麻酔薬を生み出しました。

これは強烈な毒草であるトリカブトやチョウセンアサガオなどを使用した取り扱いが非常に難しく危険なものでもあり、華岡は秘伝のモノとしました。
そのため、世界に広く普及することこそ叶いませんでしたが、それでも数えきれないほどの命を救ってきた偉大な発明です。

華岡はこの難易度の高い薬の完成のため、動物実験を繰り返してきましたが、ヒトでの臨床試験を前に行きずまったそうです。

しかし母と妻が実験台になることを申し出て、数回に渡る臨床試験により、母は死亡、妻は失明、という大きな犠牲を払ってこの薬は完成しました。

身内を実験に使ったというと顔をしかめる方も多そうですが、囚人などに実験を強要するなどの方法を使わなかった彼は、当時の人権意識を考えれば非常に独特な倫理観の持ち主だったと言えるのではないでしょうか?

氷はもっとも原始的な麻酔?

前述のように世界初の全身麻酔は華岡青洲の手によって成功しましたが、
効果の限定的な麻酔なら紀元前より存在し、古代バビロニアでは虫歯に対してヒヨス(アルカロイド系の有効成分を含むナス科植物)と樹脂に混ぜたものを詰めて痛み止めにしていたそうです。

そして、中でも最も原始的な麻酔…それは「氷」といえるしれません。
例えば、日本では江戸時代の時点でもう既に氷を用いた低体温法が存在したそうです。

なぜ、患部に氷を押し当てたりすると痛みを感じにくくなるのでしょうか?
これは、様々な理由がありますが大きく上げられることが3つ、

①感覚受容器の閾値(いきち)が低下し、さらに感覚神経の刺激伝達が遅延すること

②冷却部の新陳代謝を低下させ、発痛物質の生成を現象させること

③血管収縮が起きるため、発痛物質の拡散も防げること

が挙げられます。
生物を少しかじったことがあるだけの氷屋の筆者が、医学的な解説を独自解釈で語るのは社会的に有害そうなので、あくまで話半分として読んで頂きたいのですが、

まず「ナトリウムチャネル」という、門のようなものが細胞には存在するのですが、これは「イオンチャネル」という大きなゲートのうちの一つで、この門の開閉の制御様式として様々なものがあるのですが、その中の一つに温度依存性というものがあり、種類によって、開きやすい温度が決まっているものがあります。
このうちの「Na+チャネル」という門は痛みの伝達に関連していて、皮膚温が低下することでこれが開きにくくなるようです。

また、ブラジキニンやプロスタグランジンという発痛物質があり、これは細胞が破壊されるときに放出され、これが痛みを知らせるための感覚神経のスイッチに反応してしまうのですが、冷却部では代謝が低下するため細胞の破壊が停滞し、これらの発痛物質が出にくくなること。
そして冷やすことで血管が収縮するので、それらの発痛物質の拡散も防げる、ということのようです。

…これが医学のテストなら何点ほどの回答でしょうか…?

アイシングには氷水を使うのがベスト!

また、アイシングはやりすぎると凍傷になってしまいます、適切なアイシングを心掛けましょう。

まずポイントとしてほんの少しアイシングの袋に水を入れましょう。
水は凍るまでは0℃を維持するため、凍傷の危険性を減らせます。

また、入れた水が氷を融かすことで、吸熱反応(氷は融けるときに最も周囲の熱を奪うこと)が起き、効果的に患部を冷却することができます。

注意点として15分以上の冷却は凍傷の危険が大きいので、アイシングしてから15分経ったら、また15分開けてから再開することが望ましいでしょう。

また、患部との接触面積が冷却の重要なポイントになるので、保冷剤やコールドスプレーよりも、患部に沿って形を変えられる袋入りの氷水をおすすめします
もしコールドスプレーしかない場合は、巻いたテーピングや包帯にコールドスプレーをかけることで、表面積を稼ぎ、効果を高めることができます

ダイレクトマーケティングですが小野田の超純氷®は、単結晶のサイズが大きく、ゆっくりと融ける氷であるため、冷やす力は抜群です。

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参考サイト等
スポーツ現場での正しいアイシング
三和真人、伊橋光二、真壁寿.冷却刺激による皮膚温と近く神経伝達速度の関係について.山形県立保健医学大学


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