ムーミン新版 初版と重版の違い
【保存用・使用用を買い揃える】
ムーミン童話 新版の初版9冊は既に買い揃えていたのですが、このたび予備・使用用として同じ本を9冊全て、新たに買い揃えました。
使用用9冊の今の状態。
どこに置くかも決めてなくて平積みの状態。
本の買いすぎでつい先日本棚がいっぱいになってしまい、まず本の整理をしないといけない状況です。
撮影のために「少女ソフィアの夏 新版」を上にのせて撮りました。ムーミン新版とデザインが統一されていて、コレクション欲を刺激させる仕掛けになってます。知らずに買ってから気づいたんですが。
こちらは保存用の9冊。
これはだいぶ前に撮った写真です。
初版・帯付き・ポストカード付きを全冊揃えたのが嬉しくて、記念に撮ったのでした。
初版を手に入れるのはまだ容易な状況ではありますが、帯付き・ポストカード付きとなると今はもう難しいと思います。更にそれを9冊全部となると、もう狙って買うのは不可能ではないでしょうか。偶然の出会いに期待するしかないと思います。
とはいえそんな貴重な完品セットでも、高値が付くかというとそうでもないんですよね。ムーミン童話のコレクターというのはかなり限られた人しかいない上、ムーミン童話じたい数限りないバージョンが市場に溢れかえっているので、需要は分散されて高値は付きづらい傾向にあります。
で保存用の今現在の状態。
棚に並べた時はまだこの本らを読むつもりで、カバーを汚したくなくてカバーとポストカードは別に保存していて、それで本は裸の状態です。
でも使用用が揃った今、こちらの保存用はカバーをかけてビニールで密閉し、押入れに保管する予定です。
もう読むことはない…と言いたいところですが、まだ初版と重版を一文字一文字全ページ読み比べるという作業が残っているので、保存用の方もいつかは読むこともあるでしょう。5年後か10年後か分かりませんが。
10年ぐらい経てば本文にも違いが出てくるかもしれないと思いますが、今はまだ重版の本文に改訂はなされてない可能性が高いので、一文字一文字全てチェックする気にはなれません。
とはいえどこかには違いはあるはずだと思い、いい機会なので初版と重版を比較して違いを探しだしてみようと思いました。
【初刷と重刷を比較】
あ、「初版と重版」と書いてきましたが、正しくは「初刷と重刷」ですね。
今回新たに購入した9冊のうち、
「ムーミン谷の彗星」が、7刷(2022/1)、
「たのしいムーミン一家」が、5刷(2021/6)、
「ムーミン谷の冬」が、3刷(2021/2)、
「ムーミン谷の十一月」が、2刷(2021/1)です。
残りの5冊は使用用も初刷です。
買ったのは全部中古ではありますが、やはりまだ初刷も手に入りやすいようで、まあ文庫とかよりはかなり高いですからそんなには売れてないみたいですね。
でも「ムーミン谷の彗星」と「たのしいムーミン一家」の刷を見ると、この2冊は初刷を手に入れるのは今では難しいのではないかと推察できます。
「ムーミン谷の彗星」、左が7刷、右が初刷。
最初から1ページ1ページじっくり比較していき、本文の方は先に言ったとおり全ページ比較する気にはなれないので10ページほど読み比べてみて、あとは後ろの解説文などを比較。
しかし全く違いは見つけられません。
唯一、奥付に違いが少しあるくらい。
左が7刷、右が初刷。
7刷では講談社の押印?がなくなって、講談社の新しいロゴマークが表記されています。
それと発行者が初刷では渡瀬昌彦さんなのが、7刷では鈴木章一さんに代わっています。
発行者とは?と疑問が湧き検索しましたが、明確な決まりはなく、書籍の代表者・問い合わせ担当者みたいな感じらしいです。講談社内でムーミン新版の担当者が交代した、といったところでしょうか。
「たのしいムーミン一家」、左が5刷、右が初刷。
やはり違いは全く見つからず、奥付が違っているくらい。
左が5刷、右が初刷。
やはりロゴマークと、発行者が違っています。
そして下は「ムーミン谷の冬」3刷の奥付です。
講談社の押印はそのままで、新しいロゴは記されていません。
下は「ムーミン谷の十一月」の2刷の奥付。
やはり新しいロゴは記されていません。
「ムーミン谷の冬」3刷(2021/2)と「たのしいムーミン一家」5刷(2021/6)の間に新しいロゴが採用されたみたいです。
検索するとすぐに分かりました。2021年4月に発表されてました。
講談社、新ロゴを発表 ネトフリ担当企業が策定|アドタイ
「ムーミン谷の冬」と「ムーミン谷の十一月」は発行者も代わってなくて、初刷との違いは「何年何月何日 第何刷発行」の文字が足されていることだけみたいです。本当にこれだけしか違いは見つけられませんでした。
で、4冊とも違いは奥付のみかあ、何だかつまんない結果に終わっちゃったなあと気落ちしてたんですが、実はこの比較をしてる時はまだカバーは外した状態でしてたのでした。
でちゃんと全部比較しなきゃな、と思ってカバーをつけて比較してみると…。
「ムーミン谷の彗星」のカバー、左が7刷、右が初刷。
あ、違う!
なんと初刷では続巻が(発売予定)となっているのが、7刷では発売予定の文字が無くなっています。
まさかカバーに違いがあるとは! 普通はカバーは手抜きして同じでもいいかって気になりそうなものですが、講談社、ムーミン新版には気合を込めているようです。
しかし「たのしいムーミン一家」「ムーミン谷の冬」「ムーミン谷の十一月」のカバーは初刷と重刷で全く同じでした。
「ムーミン谷の彗星」7刷だけは2022年発行ですので、もしかしたら2022年からカバーが新しくなったのかもしれません。
ということで2019年から3年後に、多少は、違いが出てきているのが確認できました。今は2024年ですから最新の刷はまたどこか違っているのかもしれません。
まあムーミンマニア以外にはホントにどうでもいいような違いなんでしょうが笑 実はこういう間違い探しがムーミン童話の楽しみ方の一つと言って過言ではない、とまで思うようになってきています。
色んなバージョンを比較すると、本当に何かしら違う部分が必ずと言っていいほど見つかるので、それを見つけた時は「よっしゃ!」とガッツポーズ……私だけですかね? いや初版へのこだわりは多くの人が持っているでしょうから、こういうことやってる人も割といると思いますけどね、まあ多くはいないでしょうが。
【気になったこと】
あと、今回比較して気づいたことが一つ。
「ムーミン谷の彗星」での権利紹介の文です。
あれ?すごくシンプル。代理店とかの名が載ってない。
下は「たのしいムーミン一家」の権利紹介の文です。
こちらはムーミン童話日本語版でおなじみのタトル・モリ エイジェンシーの名が明記されています。
なぜ「彗星」では代理店の名が無くシンプルなのか……初めは単なるポカミスかと思ったんですが、で初刷も7刷も全く同じ文なので、修正しないということは講談社における代理店の存在などそれ程重要視されてないのかな、と訝ったのですが…。後でカバーの変更点を発見し、カバーを替えるくらいならこのミスも同時に修正するはず…ということはこれはミスではない、理由あってシンプルな表記にしているという結論に思い至り…。しかしその理由が分かりません。
で他のバージョンの「彗星」はどんな表記かと思い…。
講談社文庫の2冊を引っ張り出してきました。
左が限定カバー版(2014)、右が旧版(1991)です。
旧版の権利表記。
こちらはシンプルですが、やはりおなじみタトル・モリの名があります。
あ、この時点では「タトル・モリ」ではなかったんですね。そこらへんも興味深い。
下は限定カバー版の権利表記。
何だかややこしいことに!
で新版「彗星」の権利表記がシンプルなのは、ややこしくなり過ぎたので省略した…というのは理由としてなさそうだ……とすると、講談社でも把握できないほど複雑になった……それで本が出版できるわけがない。
とするとちょっと理由が思いつきません。
おなじみタトル・モリの名が「彗星」で明記されてないのは新たな謎です。またムーミンに謎が一つ増えました。
ムーミンは本当に謎が多くて、そこが魅力でもあり、素人には手が届きそうにないところが歯がゆくもあり、でも気になる…底が見えないので惹きつけられるという部分がありますね。