Pink Moon April 2021に想うこと。
バヨリン弾きの智尋です。Pink Moonの時期ですね。こちらロンドンでは綺麗で静かな月が顔をくっきり見せてくれました。
月はいつでも、私たちの生活に何が起こっても常に私たちの上に等しく輝いていて、そして夜になればその姿を「どう?ちゃんとやってる?」的に気まぐれに見せて、また月は人生は無常で全ては永続的ではないということも人間が物心ついた頃から忠告していて。。。
私はもともと月の方がしっくりくるのもあって、Pink Moonと名付けられたちょっと可愛らしく感じる(けど通常よりパワフルだよねぇ、の)月との時間をいつもよりゆっくり過ごしていたら、滝さんの「荒城の月」が頭に流れてきました。
あの、モノトーンでシンプルに表現された作品が持つ「憂いを含んだ物静かな強さ」は「月」そのものだな、と思うのです。滝さん、すごいよね、それをモノクロ手法でスッキリ深く表現できちゃうんだもの。
HachiRenの2曲目にある「Kojo」は、滝さんが実際に月明かりに照らされた古城を見ながら体験したかもしれない感覚からインスピレーションを得て作りました。まるで私が実際に滝さんの隣に寄り添って座って同じ景色を見ているような感覚で。
でも、そうやって同じものを見ていると思っても、人はそれぞれ受け取るものが違って、それが誰一人として同一になることは決してない。それが歯痒くもあり、悲しさでも、深さでもあり、美しさでもあり、愉快なところでもあり、、、
そして私にとって月は、それも含めた「変えられないもの」に対して起こる小さな感情の渦に流されて、生き急いでしまいがちな日々を静かに受け止めてくれる友達のような存在でもあります。
滝さんはどのような関係を月と築いていたんだろうか。。。
みなさんもこの時期だからこそ一味ある、Pink Moon nightをお過ごしください。
それでは、また。
良い日を!