血液型性格診断が信じられている理由
・2010年、ネット上に公開した文章を転載しました
血液型性格診断(占い)は、科学的には何の根拠もないといわれている。
だが、多くの日本人が科学的に何の根拠もないものを信じているのには、それなりの理由があるのだろう。
まず、人間の性格タイプを4つに分類し、これを4種類の血液型と結びつければ、単純に考えて4人に1人はこれを当たっていると考えておかしくはない。
日本人の約25%がこれを信じているとすれば、二千万人以上の人が血液型性格診断を信じていることになる。かなりの数の人が信じているといえるだろう。
だが、血液型性格診断を信じている人は25%程度ではなく、もっと多くの人がこれを信じているようにもみえる。おそらくそれは、最初に血液型と人間の性格タイプを結びつけた時の、そのやり方に原因があるのだろう。
「性格判断テスト」を実施して人間の性格タイプを「真面目型」「おおらか型」「自己中心型」「二重人格型」の4つにわける。
おそらく日本人の気質、国民性からすれば「真面目型」が一番人数が多いであろう。
そして次に「おおらか型」が多く、「自己中心型」「二重人格型」は少数派となるだろう。
日本人に一番多い血液型はA型だから、これと「真面目型」の性格タイプを結びつける。
どの性格タイプもA型が一番多いだろうが、それだと血液型による性格診断が成り立たないので、二番目に多い血液型のO型と二番目に多い性格タイプ「おおらか型」を結びつける。同様に三番目、四番目に多い血液型と性格タイプを結びつける。
これが血液型性格診断の実態であろう。
「統計調査」によって一番多い血液型と一番多い性格タイプを結びつけているのだから、これがあたっていると考える人が多くいても不思議ではないだろう。
一方、海外では血液型性格診断を信じる人は少ないというが、日本とは血液型別の人口比率も性格タイプ別の人口比率もことなるだろうから、日本の統計調査の結果を海外にあてはめても妥当しないのが当然だろう。
だから、各国ごとに一番多い血液型と一番多い性格タイプを結びつけていけば、血液型性格診断を信じる人はもっと増えるだろう(ただし、このことは性格形成に血液型が影響していないことを証明する結果になるが)。
また、血液型別の人口比率、性格タイプ別の人口比率が日本と同じ国や地域であるならば、血液型性格診断を信じる人は多いだろう。
なお、血液型性格診断が一度社会に流通すると多くの人が暗示にかかってしまい、「自分の血液型は何々型だから何々タイプの性格だ。」と思い込んでしまうといった面もあるだろう。
最後に、ビートたけしがだいぶ前に述べていたことだが、人間は皆4つの性格タイプの要素を多かれ少なかれもっているのだから、「何々型の血液型の人の性格は何々だ。」と示されれば、誰でもあてはまるといった面もあるだろう。