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Netflixオリジナル『トークサバイバー3』感想

①各出演者について

本当は出演者全員分の感想を書きたいくらいなのだが、余りに文量が多くなってしまったため、最終決戦進出者と若手パートの勝者にだけ絞って書いていく。

・津田さん

殆どのお題で1発目を担当し、のっけからエンジン全開でブチかましてくれたのが、本当に頼もしかった。

しかも、披露するトークを一つも外していなかったので、改めて地肩がエグすぎると再認識させられた。

そして「褒め合い」のお題になった途端、皆が我先にと津田さんに絡みに行ったのは、津田さんであれば、あの難しい現場でも絶対にすべらない安心感があるからだろうな、と思った。

役割的に貶されるが多いけど、褒めることが多い人柄なんだろうなと分かってほっこりもした。

・山内さん

序盤で言えば「炎上がコロナワクチンを超えた」という話が滅茶苦茶に面白かった。

そして、後半のパートでは、オチ手前の「エスプレッソ」という単語を噛んだことが、その後の展開の縦軸となっていたので、ある意味、今回の作品に居なくてはならないメンバーだった。

山内さんがこういうタイプのミスをしてるの珍しいなぁとも思いつつ、その後のリカバリーも完璧だったので、最高だった。

・おぎやはぎ

そもそも、おぎやはぎがコンビで出てたのが、凄く嬉しかった。

各々のスタイルの違いがはっきりしたかと思えば、仲良しコンビの真骨頂とばかりに2人でパス回しする感じも、本当に見ていて楽しかった。

まず、矢作さんは信頼感えぐかった。
当たり前のように一つも外さないし、場に居るだけで何とかしてくれるっていう安心感があるんだよな。「お見舞い」のトークがお気に入り。

最終決戦には進んでないけど、小木さんも感想を書きたい。

小木さんはずるいと思った。天才すぎる。
なんで「飛び込み」みたいな訳の分からんトークで、あんなに爆笑取れるんだ。凄すぎる。

感覚だけでお笑いやってる感じが、本当に「天才」としか形容できない。

脱落理由も「面白くないから」じゃなくて「スタミナ切れでキャラを入れ切れなかったから」というのが、何とも小木さんらしくて最高だった。

・ニューヨーク

もう一つのコンビ枠として、ニューヨークが出てたのも嬉しかった。

屋敷さんの安定感あるトークもいいけど、嶋佐さんの変化球も大好き。

嶋佐さんに関しては、褒め合いのくだりで大城さんに絡まれた時、大城さんを寒くさせずに「これしかない」っていう返しをしていたので、とても感動した。

それを、ひとりさんと大悟さんがその場で褒めてたのも良かった。

あとは、最終話の嶋佐さんがテンション上がりすぎて、謎のステップを踏むくだりも最高だった。

おぎやはぎと違って、コンビとしてのグルーヴ感を全く見せないのに、個々が実力でちゃんと勝ち上がるのが、いかにも「ニューヨーク」って感じでとても良かった。

・芝さん

スタイリッシュな見た目に反して、田舎すぎるルーツの話が、どれも破壊力抜群で素敵だった。

特に、「猿」の話と「ファイナルファイトガイ」の話、滅茶苦茶好きだったなぁ〜。

「褒め合い」のくだりでは、野田さんに吉岡里帆とCM共演してることへの逆恨みで絡まれてたのも面白かった。

ジョンソン繋がりで屋敷さんと褒め合う流れも最高だった。2人の仲の良さにほっこりもしたし、大悟さんの助言にも痺れた。

・劇団ひとりさん

トークサバイバーもう1人の主人公。
圧倒的に大味な演技で、芝居としても芸人としても存在感を放っていて、作品に必要不可欠な人物だった。

でも何より、トークパートが面白すぎた。
個人的には「母校凱旋」「ドライヤー歯磨き」が特にお気に入りだった。

そして、「褒め合い」のくだりで、奥様の大沢あかねさんを褒められて嬉しそうにしてたのには、ほっこりもした。

同じく褒め合いのくだりでは、チャンス大城さんにでしろを作ってあげたり、大悟さんをサポートするようにMC的な役割をこなしていたのも印象的だった。

何より、最終回で演技パートをたくさん任されたからこその、「俺は何でこの格好をしてるんだ!!」の咆哮、気が狂うくらい笑ってしまった。

・すがちゃん最高NO.1

今回のトークサバイバーで1番嬉しかったのは、すがちゃんの大活躍。

ある意味、今回のトークサバイバーで1番株を上げたのは彼なんじゃないだろうか。

若手ブロック披露でしていたトークは全て聞いたことがあったため、面白いのは知ってたけど、「緊張で噛むなよ?」「可哀想…みたいにならないでウケてくれ!」とか、親みたいな目線で見守ってしまった。

結果、そんな目線を忘れてしまうくらい、すがちゃんに笑わせてもらった。知ってるトークでさえも腹ちぎれるくらい笑わされた。

その後の大喜利もちゃんと強かったし、褒め合いの難しいお題も外さなかったし、何なら大悟さんが「すがちゃんが芸能人イった」という暴露をしたことで、話題の中心になったりもしてたし。

常にアドリブみたいな漫才をやっている頭の回転が、これでもかってくらい輝いていて、嬉しい。

すがちゃんが、あの猛者たちの中でちゃんと戦えてたの、本当に感動した。すごい。

あと、イッた芸能人のイニシャル「K」が、単独ライブと週刊誌で完全に繋がったの、面白すぎる。

・チャンス大城さん

彼は、ルール無用でエピソードトークさせたら、右に出る者がいないのではないだろうか。
一個一個のエピソードのパンチが強すぎる。

だから、「褒め合い」という変化球のお題に飲み込まれて敗退してしまった感じがあるけど、嶋佐さんが滑らせなかったし、ひとりさんが狩野さんをけしかけたり、芸人の温かさが見えて、全体としては素敵なくだりになっていたのも良かった。

敗退してもなお、敗退コメントやお守りのくだりでデカい笑いを掻っ攫うのは、流石の一言だった。

②シナリオについて

正直言うと、作品として、"2"の完成度はあまり高くなかったと思う。

勿論、芸人さんのトークは面白かったのだが、トークテーマが「他人を使う大喜利」以外使い回しで余り心が踊らなかったし、ばら撒きまくった伏線を一つも回収せずに「芸人達がそこをイジって笑いにしてくれるだろう」という丸投げ感が、制作側の怠慢を感じてしまい、がっかりしたことが理由である。

「演技がしっかりしていればしてるほど、台本がしっかりしていればしてるほど、そのギャップでお笑いが映える」みたいな発言を聞いたことがあった気がしたので、見ていて「どこが???」と思ってしまったのだ。

だから今回、総決算と銘打ってるのに、2みたいな仕上がりだったら残念だな〜とか思っていた。

そしたら最後、トークサバイバーが1.2.3で張ってきた伏線の、訳のわからない回収作業が始まった。勿論、全く辻褄は合っていなかったが、一応は2の伏線も回収しようと試みていたのは好印象だった。

そして、最終的には色んなパロディを組み込みすぎて、本筋なんかどうでも良くなるくらいグチャクチャな展開になったので、なんかもうシナリオとかどうでも良くなった。

力技すぎて、最早笑ってしまった。
もう俺の負けでいいよ、と思った。

そして、それを全部フリにして大悟さんが爆笑を掻っ攫ったのも、本当に気持ちよかった。
皆がトーク出し切った後に、制作側までいじりだす時間は、結局好き。
2でも最終回が1番面白かったもんなぁ。

シナリオが一応3作品を絡めて帰結したことで、「今回の3部作に関してはこういう作りなんだな」とある程度の納得感があった。

だから、2と違って純粋に「面白かった」という感想だけが心に残り、最高の見応えだった。

③ラストについて

そして、ラストシーン。
優勝が誰になるか予想したながら見ていたのだが、大悟さんを除くと横一線な気がして、判断が難しいなぁと思った。

結果、優勝は大悟さんだった。

それを見て「そうだよな」と思った。

勝手に外して考えてたけど、1番トークが面白かった人が勝つのであれば、間違いなく大悟さんが優勝だった。

ドラマでもトークでも獅子奮迅の活躍をしながら、これまでのシーズンでエピソードなんか出し尽くしてるのに、それでも1個もトークを外さないなんて、離れ技すぎる。

今回、そんな状態でどうやってエピソードを捻り出したのかを、大悟さんが佐久間宣行ANN0で話していた。

結論としては、ストックがなければ作り出すしかないので、「さっき」とか「昨日」とかの話ばっかりになったらしい。

ということは、ほぼ即興のトークで、何年もエピソードを練ってきた猛者達と渡り合ったというわけである。

それに、大悟さんは今回、積極的に笑いを獲りにいくのではなくて、周りのトークが尽きてきたタイミングで話し出したり、バランサーとして存在していた。それなのに優勝に納得してしまうくらい面白いって、最早異常だ。

そもそも、物語の主役なのに、参加者としても存在する以上、必ず勝ち上がらなきゃいけない。

勿論、台本上ウケなくても最終話まで勝ち上がることにはなっているのだろうけど、スベったのに勝ち上がるなんて申し訳が立たないし、何より大悟さんのプライドが許さないと思う。

だから、この作品の座長を務めながら「絶対にスベれない」というプレッシャーと3作品連続で戦い続け、本当にスベらなかった大悟さんが、余りにも偉大すぎる。

代わりが誰にも務まらない。

もう大悟さんは、他の出演者と一線を画して別の次元にいた。

何なら、松本さんがやっていたような、自分に厳しい笑いのハードルを設定して軽々とそれを超えていく感じに、物凄く重なった。

今作で、本当に彼が現代お笑いの覇者なんだなぁと思い知らされた。

だから最後、大悟さんが優勝したことに非常に納得したし、3部作を完結させるという意味でも綺麗な終わり方だったなと思った。

それなのに、製作陣が欲張って「まだ続編あります!」みたいな終わり方をしたのがダサいなぁとも思ったが、まぁコメディなんだからしょうがないか、とも思った。

大悟さんは今回の優勝者というテイでの登場で、来シーズンは、また別の主人公立てたりするのだろうか。

次にこの企画を背負うとしたら誰なんだろう。

一瞬「オードリーかな?」とか思ったけど、若林さんがノブさんの立ち位置に行ってしまったら、春日さんでは大悟さんの役は務まらないだろうしなぁ…。

そう考えると、いかに千鳥がコンビ両方とも天才かが身に染みる。

本当に、次回作どうするんだろう。
何はともあれ、匂わせはあったが、続編があるかどうかは分からないので、気長に待ちたいと思った。

そして、もし次回作を作るのであれば、ドラマ先行で作って欲しいと思った。

今作はだいぶバラエティに寄りすぎていたので、次はドラマもしっかりした作品だと嬉しいなと思った。

私のエゴではあるのだが、芸人さんのトークも面白い上に、ドラマもとしても見応えがあるという、前代未聞の最強エンタメを見てみたい。

トークサバイバーならそんな無理難題の実現も不可能ではない気がするので、期待してしまうのだ。

何はともあれ、3部作完結おめでとうございます。
スタッフの皆様も、出演者の皆様もありがとうございました。
滅茶苦茶笑わせてもらいました。

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