【各コンビ感想】AmazonOriginal最強新コンビ決定戦THEゴールデンコンビ
ずっと配信を待ち侘びていた。
全部の予告を3回ずつは見たし、事前の関連コンテンツも全て見た。
そんなハードルが上がりきったゴールデンコンビだが、本編を見終わった感想としては、「最高だった」の一言に尽きる。
中身以外の感想で言うと、まず、セットのスケールのデカさや、登場のかっこよさに驚かされた。
そして、それらとの対比で、即興コントの滑稽さが映えていたので、非常に良かった。
また、見る前は、「面白くないコンビに投票させるシステムは酷じゃないか?」とも思ったが、"面白いコンビ"だと人気投票の要素が絡む可能性があるし、一極集中しかねない以上、「ウケていれば落とされない」このシステムは、確かに理にかなっているような気もした。
更には、コケることができない大型配信番組の司会は千鳥以外考えられないし、サブMCの林さんも芸人を全く邪魔せず上手に進行していて、キャスティングも完璧だと思った。
だから、余計なノイズを全く感じることなく、ずっと笑わせてもらった。
絶対に第2回をやって欲しい。
その際に改善を期待したいのは、見たことない間で止まるルーレットくらい笑
せっかく、あんな豪華なセットにしてるんだから、各コンビのバックスクリーンを使えばいいのに、とか思ってしまった。
逆に言えば、それくらいしか、いちゃもん付けるところが思い浮かばないくらい、製作陣が完璧だったと思う。
以下、コンビの感想。
①くるま-野田
決勝戦を戦う3組が決まった瞬間、正直、このコンビは鶴太郎さんのコントと蝋燭食い以外でホームランを放っていない印象だった。
それに比べると、全てのお題で確実にヒットを打ち続けてきた"堂前-平井"や、ちょっとズルいが早々にコントから降り、2人の関係性で爆発的なホームランを何度も生み出していた"ホリケン-屋敷"の方が、ここまでのステージで獲得した笑いの総量自体は多い気がしていたため、このコンビは分が悪いのではないかとすら思った。
しかし、最後の中村倫也-木村佳乃の演技に入り込むコントを見た瞬間に、優勝はこのコンビだと確信してしまった。
それくらい爆発的に面白かった。
今回のゴールデンコンビで面白かったシーンを挙げようとした時、真っ先にこのコントを思い浮かべるし、何よりそれを最後の最後に出す勝負強さが、このコンビ優勝の理由だと思った。
更に言えば、このコンビは、運も味方につけていた印象がある。
楽屋大喜利1番の当たり枠は「存在自体がボケ」である鶴太郎さんだったと思うし、惜敗して観客が「まだ見たかったのに…」となるタイミングで敗者復活戦が行われたことも、「もってる」としか言いようがないし。
「勝負所の嗅覚」とか、「王者の器」とか、言い方は様々あるだろうけど、彼らには、そういう目に見えない引力がある気がした。
この配信を通して2回しかなかった「1番面白いコンビに入れる」という客投票で、このコンビは1度も負けていない。
これが、このコンビの特徴を物語っていると思った。
改めて、優勝おめでとうございます。
結果を知った上で、令和ロマン公式YouTubeチャンネルの「ゴールデンコンビ予習動画」を改めて見直したのだが、優勝が嬉しくて、ウキウキしながら喋っているようにしか見えず、「この2人、可愛すぎないか???」となった。
くるまさんに関していえば、礼賛とのタイアップ曲にて「全戦全勝しちゃうから向かうとこ敵なし」とバースを蹴っていた。
この曲を聴きながら、クソ滑っていたら笑えるし、優勝していたらかっこいので、「中途半端な負け方だけはしないでほしいな〜」と思っていた。
そしたら、まさか優勝する方で回収してくれるとは。カッコ良すぎる。
②せいや-秋山
イニミニチャンネルでの振り返り動画で本人も触れていた通り、編集の妙で"武田鉄矢さんの天丼に頼ってる"みたいな印象になってしまっていたのは、確かに残念だった。
だが、道枝くんの無茶振りお題にて、せいやさんの即興芸を見れたことが、本当に嬉しかった。
追い込まれたせいやさんが、大声で脈絡のない言葉を吐き出し続けるあの時間、本当に大好きなんだよなぁ。気が狂うくらい笑ってしまった。
そして、「分け目被ってるだろ!」に関しては、あの状況で思いつくせいやさんもすごかったが、秋山さんもすごいと思った。
せいやさんが思いつくまでの一瞬の間を埋めつつ、ゆっくり動き出した彼の一挙手一投足に全神経を集中させ、動きをシンクロさせながら、やりたい構図を1発汲み取ってたの、凄すぎませんか???
完全にせいやさんを信頼しきっていないとできない動きで、感動すらしてしまった。
その次に振られた"シンプルにネタやれ"っていう大喜利も、良かった。
2人の意図が噛み合ってない冒頭から、徐々にリズムネタにシフトしながら心中していく感じに、最高に"コンビ"を感じた。
個人的には、敗者復活戦の、「最悪、仁鶴師匠に縄跳び絡まった!!」が最高だった。何度想像しても状況が意味不明すぎる。
あと、終わった後のオマケVで、ひたすらお互いが「お互いのおかげ」って言い続ける人の良さ、本当に好感しかない。
2人とも、一生そのままでいてくれ。
③ホリケン-屋敷
全員言ってるけど、やっぱりこのコンビが1番アツかった。
最初は、傍若無人に暴走するホリケンさんを、コントから降りながら一撃で確実に落とす屋敷さんの力量がカバーしている感じがあった。
本来、この仕組みでコント降りるのって反則な感じがするんだけど、ホリケンさんがメチャクチャすぎて降りなきゃしょうがない感じがあったし、屋敷さんは絶対に降りるだろうっていう観客側の見解が一致しているから、全く寒く映らなかったのだと思う。
だが、道枝くんの無茶振りから、立場は逆転。
おかしな校則を「交互に」言い合わなくてはならないお題の性質上、大喜利を1回も外さない化け物のホリケンさんと、屋敷さんは急に"大喜利"で肩を並べなくてはいけなくなってしまったのである。
結果、そのステージでは不発に終わってしまう。
その後の、「俺のせいで負けるかと思った!!」という魂の叫び、本当にグッときた。
2019M-1の「最悪や!!」じゃないけど、クールに見られがちな屋敷さんの"魂の叫び"って、何であんなに魅力的なんだろうな。
そして、不発で終わってしまったことに責任を感じ、完全に落ち込んでしまった屋敷さんに、ホリケンさんが「それいっちゃダメ」って真っ先に口を塞ぎにいくシーンが、あまりにもカッコ良すぎた。
自分のウケた手柄に全く良いしれず、本気でコンビとして勝とうとしていることに、底知れない絆を感じた。
その後、吉岡里帆さんにも校則を無茶振りされ、再び窮地に追い込まれる屋敷さん。
当たり前のように大爆笑を掻っ攫うホリケンさんの後、後攻の屋敷さんが震える手でホームランを放ったシーンには、感動すらしてしまった。
あそこの1ボケに、マジで全てがかかってた。
2人の勝敗、ひいてはこの番組の流れや見応えまで。
どんな結末を考えても、あそこはウケないと終われない。
だから、1発で正解を出した屋敷さんに、メチャクチャ魂を感じた。
そして、それを嬉しそうに受け止めるホリケンも超カッコよかった。
最後のお題が終わり、屋敷さんが「やっとコンビの力で笑いを取れた気がした」と言っていた。
ゴールデンコンビとして1番正しい、即席コンビの成長物語的な側面を見せてくれていたのが、このコンビだった。
最初はコントから降りまくる反則コンビだと思っていたのだが、意外や意外、結果的に番組趣旨に1番則っていたのはこのコンビだった。
終わった後に「もう嫌だよな?」と聞かれた屋敷さんが「ホリケンさんとならまた出てもいい、というかホリケンさんとじゃないと出たくない」と言ったの、尊すぎないか????
これが見れただけでもゴールデンコンビは開催の価値があったと思う。
④長田-じろう
このコンビは、ズルです。
だって、面白いに決まってるんだもん。
最初に組み合わせが発表された時はそんな印象だったのだが、よくよく考えると、コンビにじろうさんを指名するのは、茨の道とも言えるのではないかと思った。
何故なら、完全な即席コンビであれば、ウケなくても言い訳ができるけど、このコンビは関係性が深すぎる分、絶対に滑れないから。
そのリスクを承知の上で、長田さんが「コンビを組むならじろうしかいない」と考えたのだとしたら、アツすぎると思った。
本編を通して、2人は阿吽の呼吸だった。
道枝くんや吉岡里帆さんに振られる即興の無茶振りを、アイコンタクトすらせず、声の出し方とか動きの雰囲気で、どちからが軸でいくのかを瞬時に決めている感じとか、本当のコンビみたいで、メチャクチャに痺れた。
更に言えば、ゴールデンコンビの"賞レース"的な笑いだけじゃなく、"バラエティ"としての笑いを1番作っていたのはこのコンビだった気がする。
例えば、道枝くんに指名された時に、「だいたい2回ずつなの読めてきたぞ」とコントに入り込みながら突っかかったり、メタ的にTT兄弟をかまして流れを作ったりしたシーンなどが印象的だった。
これは、正に有吉の壁で培ってきたノウハウの賜物って感じがして、ニヤついてしまった。
このコンビは、連続で振られたり、「リズムネタ」みたいな明確に難易度の高いお題を振られたり、バラエティ的な盛り上げが上手だからこそ、同時に落とす材料も大量投下されていた印象もあったため、やや気の毒ではあった。
だが、それを絶対に爆笑で終わらせたのは、2人の地肩以外の何物でもない。
仕方ないことなのだが、全く滑っていなかったので、吉岡里帆さんのステージで落とすのは勿体無いなぁと思った。
最後の木村佳乃さんと中村倫也さんの演技に入るお題、この2人にもやって欲しかったなぁ…。
⑤澤部-真栄田
ここもアツかったなぁ…。
選ぶ側に澤部さんがいるのを確認した時、「誰を選ぶんだろう?」と物凄くワクワクした。
蓋を開ければ、探偵ナイトスクープで関係性が深いが、世間的には意外性のある真栄田さんというチョイス。
メチャクチャ絶妙だと思った。
何なら、岩井さんとは全く別種、というか、全お笑い芸人の中でも群を抜いて歪な真栄田さんを選んだのは、大正解だとすら思った。
というのも、オールマイティに誰とでも打ち解けられる澤部さんが、普通のボケを連れてきても、普通に面白いだけで、優勝している絵は見えない。
だから、「0か100か」みたいな相手を連れてきたギャンブル感に、澤部さんの受け取り師では終わらせない芸人魂みたいなものを感じて、純粋に嬉しかった。
このコンビも、本編中で滑っているシーンが全くなかった。
アメリカのボケとか、気が狂うくらい笑ったんだけどなぁ…。
第2ステージで敗退したことには、全く納得がいっていない。
確かに、「面白くないコンビを1組落とす」という審査の性質上、「パターンが似ている」という明確なマイナスポイントがあったのは、このコンビの弱みかもしれないと思った。
だが、それを補って余りある痛快なボケだったとは思うけどなぁ。
敗者復活も、OAされている限りでは1番面白かった気がした。
「人じゃない、自分がどう思うかだ」ってボケ、面白すぎなかったですか???
⑥平井-堂前
このコンビは、終始外さなかった。
そもそも、即興で一個も外さないってエグすぎないですか?
大喜利が強すぎる。異次元。
平場でさえ1ボケも外していなかった。
この2人の頭の中は、どうなっているのだろう。
まず、1発目の「見たことないお医者さん」のお題で1番面白かったのは、このコンビだったと思う。
そもそも演技がうますぎるし、急に泣き出して何言い出すのかと思ったら「…わっかんないです」なの、面白すぎるだろ。
第2ステージの宇宙人のコントでは、2人とも全身タイツを身に纏い、顔も出さず、言葉も発さず、爆笑を獲っていた。エグすぎ。
普通、無音が怖すぎて喋っちゃうはずなのだが、胆力が半端ないと思った。
第3ステージでのアパホテルの社長の捌き方も、見事だった。
予想外のゲストに面食らいながらも、何とか冠番組名の大喜利で展開を一つ作り、用意してきた「アジアの知らんハリウッド女優」のくだりに繋げたのは、見事すぎた。
そして「さらにもうひと展開…」みたいな欲張り方をせず、ウケたまま勝ち逃げするのが、すごいクレバーで、見ていて痺れた。
第4ステージの「軟式野球見学部」も凄すぎた。
「この大喜利1回やったことありますか?」ってくらいしっくり来た。ノータイムで出せる面白さじゃないだろ、これ。
硬式野球よりも、軟式野球見学してた方が面白いし、ひょろ長メガネの2人の容姿に似合いすぎている。最早恐ろしかった。
この2人は絶対に外さなかった。
だから、「面白くなかった1組を落とす」という審査方法であるこの賞レースにおいて、無類の強さを誇ったことには大納得だった。
だからこそ、最後の「1番面白い1組を選ぶ」で華のある王者2人に負けてしまうのも、納得してしまった感がある。
とはいえ、本当にかっこよかった。
即興コントの枠内での純粋な大喜利で獲った笑いの総量は、このコンビが優勝だったと思う。
早く2人ともキングオブコント優勝してくれ、と思った。
⑦サーヤ-KAƵMA
組み合わせが発表された時、ここが1番想像つかなくて、ワクワクさせられた。
見たことない組み合わせ、且つ、今後も見ることのなさそうな組み合わせ。
「ゴールデンコンビでしか実現しなさそう」という点において、メチャクチャ魅力的なコンビだった。
まず、このコンビは登場から面白すぎた。
Vも終始ボケてたし、登場時の1ボケ目も肝心のセリフがマイクに入ってないし、登場段階で投票したら、間違いなく優勝はこのコンビだったと思う。
そこからの、KAƵMAさんが暴走していく感じ、マジで愛おしかったな。
まず、最初の医者コントは異次元の面白さだった。
野球ボール落とすことで笑いを産む発想、凄すぎる。
第2ステージの宇宙コントも良かった。
カップルの関係性が深まっていくストーリー性をコントに乗っけられるのは、2人ならではって感じがしたから、見ていて楽しかった。
このコンビは第3ステージで負けてしまったが、これには納得だった。
ただ、それは悪い意味ではなくて、ゲストの那須川天心さんをうまく乗りこなせず、終始フワフワしてしまう感じも最高にKAƵMAって感じだったので、大満足ではあった。
野田-くるまコンビでも少し触れたが、第3ステージはゲストの運も大きかったよなぁ〜とは思った。
代名詞的な「言わせればウケるフレーズ」があったり、キャラが奇天烈だったり、圧倒的なボケ側の人間がくればやりやすいのだが、天心さんは割とプレーンな人間だと思うので、乗りこなすのが難しかった気がする。
まぁ、無敗の格闘家に対してプレーンな人間と言うのもどうかとは思うが。
それを標準化するための2周目だったのだろうけど、2周目が全組バッサリカットだったのは、やはり出会い頭の衝撃を越えられない上に、美味しいところは全部1回目の組み合わせに持っていかれてしまうからだろうなぁ、と思った。
そういう意味でも割を食ってしまった感じはあるが、充分に見たいものは見れたので大満足だった。
⑧津田-永野
記者会見で大悟さんが「このコンビは別の働きをしてくれた」と言っていたので、見る前から「すぐ負けてガヤを頑張るんだろうなぁ…」というのは分かっていた。
それでも、「かっこいい2人が見れるかも…」という一縷の望みを持ちながら視聴したのだが、やはり1番最初で鮮やかに散っていた。
1ステージ目で敗退したことには全く持って異論はない。とはいえ、「CHARA」も「私服の伊達公子」も、死ぬほど笑ってしまったので、この2人が先のステージでどんな戦い方するのかを見てみたかったという気持ちも残った。
しかし、冷静になって考えた時、お二人の一挙手一投足にこんなにも笑ってしまうのは、津田さんの大声ツッコミや、永野さんの突飛なボケに、条件反射で笑っちゃう体になっているせいかもしれないと思った。好きすぎて正常な判断下せてないかもしれない。
とはいえ、そこからのゴールデンコンビの"バラエティ"的な面白さは、確実に彼らのおかげ。
まず、ヤジがずっとクリティカルだし、2人の声は本当に通る。大型特番なので、長時間の撮影だったにも関わらず、ヤジをサボらずに行っていたことに「せめてギャラ分は働こう」という2人の気概が見れた気がして、本当に良かった。
絶対に、負けた後のこういう立ち回りも想定した上で採用されたコンビだったと思う。
だから、そういう意味では1番役割を全うしていた2人だった気がする。
スタンバイ中のシーンで本編に採用されていたの、永野さんの「クワバタオハラ」だけだもんなぁ。
どちらにせよ、この配信番組に必要不可欠なコンビであることは間違い無かった。
◉最後に
期待値以上に面白かったので、絶対に第2回も開催して欲しい。
第2回では、今回の出場者をもう一度みたい気持ちもあるし、今回選ばれた側が選ぶ側に回る数珠繋ぎも面白そうだし、全く違う8人を立てるのも面白そうだと思う。
早くも次回に向けてワクワクが止まらない。
メチャクチャ面白かったです。
スタッフの皆様も、出演者の皆様も、ありがとうございました。
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