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バックは置いていけ

この夏は東北のお祭りを巡った。おとといは秋田の竿灯まつりへ。
このお祭りは提灯をお米の稲穂を表しているとタクシーのおじちゃんが教えてくれた。実は秋田駅からホテルはちょっと距離がある。でも10分か15分ぐらい歩けば着く距離。でもタクシー。なんでタクシー?
今の夫はとても面倒くさがる。でもいつどんな時に面倒になるのか彼の基準がよくわからない。
この前豊洲市場に行ったときの帰りもそうだった。電車で行ったんだから電車で帰ればいいのに、なんと銀座に出て、それからバスに乗って帰ると言い出した。そのバスに乗ったらバス停は確かに家の前で近い。でも今いるのは豊洲市場。ここからなぜ銀座へ?
でもそこで私の意見を言ってはいけない。豊洲はある意味私の用事で来たといえば来たんだし・・と思い直し、バスに乗るためにいざ銀座へ。(結局はそのバスは平日は夜の便もあるが、土日は夜の便がなくて、バスに乗れずじまい。)
人それぞれの価値観があるから、受け入れていこうと思っている。思っているんだけど。

私たちは秋田の竿灯まつりを見にホテルをちょっと早めに出て、居酒屋で腹ごしらえをすることにした。
「なにゆっくりしているんだ。早く行くぞ」と言われたので、手早く身支度をしてバックを持っていこうとしたら、「なんでバック持っていくんだ?」と言われる。
私の心の中では、「だってまだ日が出ているし、日傘持っていきたいし、居酒屋で飲んで食べた後は手鏡で顔をチェックしたいし、というか別に自分のバックを自分で持つんだからよくない?バックを持つ自由もないんかい?」と大声をあげている。
「携帯だけでしょ?俺のところに入れていけばいい。」「ああいうお祭りはスリもいるかもしれない。」
結局私は自分のバックを自分で持つ自由もないのか・・・と絶望した。
私にはよくわからない。どうしてそこまで私を管理しようとするのか。


でもその秋田駅の近くにある居酒屋はとてもサービスがよかった。入り口には赤と青のなまはげのお出迎え。その入り口のとても小さい障子を引くと、靴を脱いで上るスタイル。珍しいお魚のお刺身もいただいた。あかや・・・いわもち・・・赤てり・・・よくわからないから適当に注文。炭で炙っていわしをいただいたり、もちろんきりたんぽも。日本酒も利き酒を楽しんで楽しみすぎて、二人で五合も飲んでしまい、お祭りを見ているときにまるで二人とも酔っぱらいのように。

それにしても秋田の男性方はどなたもお優しい。しゃべり口調が女性のようにお話が上手。どうして同じ東北なのにこんなにも感じが違うのかとひとしきり考えたが、なかなか答えはわからない。今の夫は青森出身。
お祭りも青森のねぶたと秋田の竿灯まつりでは全く違う。竿灯まつりはあの50キロもある提灯のついた竿灯を肩や腰やオデコや掌で支える。ある意味お祭りというよりも競技だ。

青森と秋田の違いを堪能した。しかしそれでは終わらなかった。この旅の終わりには恐怖が待っていた。

こんなお魚たち
お殿様のようにひじ掛けを使って

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