#のののーと5
「くるしゅうない。おもてをあげえ」
と殿様に言われている。でも私は苦しかった。私は苦しかったのだ。
寝れない日は布団で横になるが特にすることはない。夜這いなどという行為は体力を使う。かといって外に出歩くわけでもない。全てをこの布団の中で解決させたい。
天井を見るが特に何もない。「あ、あそこに染みがあるな。何の染みだっけな」程度だ。
寝返りをうちまくる。これは快挙だ。数えてはないが今この国で私が一番寝返りをうっているだろう。どんなもんだい。
となんとか朝になった。寝落ちていた。体の疲れはとれていた。“首以外は”
寝違えてしまった。
この時の「くるしゅうないおもてをあげえ」は苦しいんだよ。殿様。いや、殿さん。首が上がらないのよ。
「どうした?」
と聞いてくる。察してくれー。この状態で無礼をはたらき私の命はなくなるのかなぁ。寝違えで。
寝違えで!?
嫌だ。これは避けたい。避けたいがこれを説明したとしても
「ええい。見苦しい。切腹せい」
と言われる。あー。辛い。
「どうしたのか。具合でも悪いのか?」
「あー、はい。すいません寝違えまして首が上がらないのでございます」
「そうか。寝違えは辛いの。わかる。今日はこのままで良い。早く帰って楽にするんだぞ」と言い殿様去っていった。
あーやばい。一生お支えしたいかもー。