【小林雅英】幕張の防波堤と呼ばれた男！プロ野球史上初となる「打者0人」での勝利投手になったり、日本女子プロ野球発展のために尽力するなどその異色の経歴とは？

おはようございます。
世界で戦うために、海を渡ったサムライたち。
今回は、小林雅英さんを取り上げていきます。

https://www.youtube.com/watch?v=Ibke3AMLhVE&t=57s

山梨の県立高校から日本体育大学へ進学し
首都大学リーグで最優秀投手1回、
ベストナイン2回を受賞、将来の夢は
高校野球の指導者になる事でしたが、

プロ野球に進む同級生を見て、
自身もプロを目指して東京ガスへ入社すると
2年目の都市対抗野球の補強選手となり
千葉ロッテマリーンズにドラフト1位で入団します。

この年のドラフト１位には松坂、上原、福留、藤川ら、
そうそうたる顔ぶれがおり、全員、のちに海を渡った
ことになりました。

小林も一年目から即戦力として、先発とリリーフに
フル回転し、46試合に登板、実力を発揮すると、
翌2000年には抑えに固定され、
11勝6敗14セーブの好成績をおさめます。

7月2日には、リリーフでマウンドに上がるも暴投、
それを見て三塁を狙った一塁走者の
イチローがアウトになり、攻守交代した直後
チームが勝ち越した事で、プロ野球史上初となる
対戦打者0人での勝利投手という珍しい記録も刻みました。

3年目には、プロ野球新記録となる6日間
連続セーブをあげて月間MVPに選出され、
シーズン通してリーグ2位の33セーブをあげると、

翌2002年は17試合連続セーブのパ・リーグ新記録、
さらに33試合連続セーブポイントの
プロ野球新記録も樹立するなど、
44試合で37セーブ、防御率0.83の好成績を残し、
名実ともに、球界を代表するストッパーとなったのです。

150kmのストレートでグイグイ押しながら
高速シュート、140km近いスライダーで
左右に揺さぶるピッチングに加え、

毎年50試合前後に登板しながら
故障しないタフさも兼ね備えていて
幕張の防波堤の異名で長年、ロッテの抑えに
君臨いたしました。

最大のライバル、西武の豊田とは成績も年俸も
常に拮抗していましたが、

1点リードで9回裏2死満塁のピンチ。
打者は松井秀喜の時にどう投げるか、と、
いう質問に対して、2人ともに
ファーボールでいい、ストライクを取りにいって、
長打でサヨナラ負けするよりは
同点でいい。優先すべきことは、
逆転されずにイニングを終わらせること。
と答えていて、その野球観も似ていました。

バッテリーを組んだ里崎や橋本は、まだ若く、
リード面で経験不足だったため、
自分でサインを出しながら投げていた小林は、
2003年も好調を維持し、
日本人最速となる222試合目で
通算100セーブを達成すると、

2004年はアテネオリンピック日本代表の
守護神として銅メダル獲得にも貢献したのです。

2005年にプロ野球史上4人目となる
通算150セーブを達成、
薮田、藤田の頭文字を取り、
YFKと称された勝利の方程式を確立し、
セーブ王にも輝き、リーグ優勝、

さらには、小笠原や松中のように
インコースを強振してホームランにできる打者は、
セ・リーグにはいないからと、
多少コースは甘くなっても
球威でガンガン押しまくり、
阪神との日本シリーズも制したのです。

続くアジアシリーズでも最終回のマウンドに立ち、
１シーズンで3度胴上げ投手になるという
前人未到の栄光をつかんで、球団の
日本人歴代最高年俸2億5000万円で契約を更改
したのでした。

その後も活躍は止まりません。
7年連続20セーブ、交流戦MVP、
史上3人目の通算200セーブなど実績を積み重ね、
ついにFA権を獲得します。

３３歳になった小林は、このまま日本球界に
居続けたらレベルアップが望めないかもしれない。
という思いと、
連日のように「ＦＡ宣言するの？しないの？」と
メディアに書かれる煩わしさも相まって、
ＦＡを宣言すると、

４年間ロッテで共に戦った助っ人で
我が子に「ダイスケ」と名付けたほど
大の親日家である
ネイサン・ミンチーが
クリーブランド・インディアンス駐日スカウトだったことから
小林を球団に推薦、とんとん拍子に交渉がすすみます。

噛みたばこの文化があるアメリカ特有の
口の中の検査や口腔がんのチェック、
皮膚がんがないかを調べるホクロの検査など
メジャーリーグ式のメディカルチェックを受け、
ＮＢＡのスター選手だった
レブロン・ジェームズが、住んでいた
エリー湖の湖畔にある高級マンションを借り、
１週間もかからずに、2年総額625万ドルで
契約、念願のメジャーリーガーとなったのでした。