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レガシー ―美を受け継ぐ 松岡美術館 2024-09-23

レガシー ―美を受け継ぐ モディリアーニ、シャガール、ピカソ、フジタ

兼ねてから気になっていた展覧会だが、ずっと暑くて行けずじまいだった。ようやく涼しくなった今日がその時、ということで行ってきた。


松岡美術館

お気に入りの美術館だ。
白金台の私立美術館で、静かで落ち着いた感じが気に入っている。都会の中にぽつりとある地方の美術館のようなここに是非一度訪れてみて欲しいが、有名になって人が増えて欲しくないというジレンマがある。

今日は涼しくなったからと私と同じような考えで来訪してきた人がいるのか、普段よりも少し人が多かった気がする。それでも存分に自由に見て回ることができる。

常設展

古代ローマ、古代エジプト、古代東洋、近現代の彫刻がいつでもまとめてみられるのはお得感がある。
お目当ての展覧会の前に一階の彫刻を見てまわって気分を良くしていると、秋のお昼の日差しが館内に差し込んできて、「アフロディテ」を照らす。ドラマチックな陰影が美しい。

今日この時しかない「アフロディテ」

私は現物を眼で見ることを大切にしているので、普段は写真に収めることはしないのだが、今日この時にしか見ることができない光景を撮ってみたくなった。
彫刻の面白いところだ。

気に入った作品

どのような作品かは文章から想像するか、実際に見ていただきたい。

18「紫紺の布」 田中 繁吉

今回最も印象に残った。
紫の布を羽織った裸婦画。自分の好きな人物画をいくつか思い浮かべてみると、どうやら女性の横顔が描かれているものが好きなのかもしれない。

1981年と比較的最近の絵画だが、ポスト印象派の影響が強そうに見える画風(実際はエコール・ド・パリらしい)。輪郭線や女性の髪にまで紫が用いられていて、どこにも黒っぽい暗い色は使われておらず、鮮やかな色彩と柔らかいタッチで描かれていて優雅で美しい。
紫の補色である緑が背景や影に多用されており、それらが主題の紫を引き立てている。

36「スノンシュ森の落日」 モーリス・ド・ヴラマンク

次に印象に残った。
落日…夕暮れのはずなんだけれど、その陽を受けている枯れ木がもはや燃えているかのような強烈な色使いだ。加えて、絵具を垂らして盛りつけたんじゃないかというようなコッテリとしたタッチと表面のツヤが印象をさらに強くしている。

4「黄色い背景と大きな花瓶」 ルイ・ヴァルタ

これは今回に限らず、結構頻繁に展示されていると思う。
大きなキャンバスにフォービズム的な派手な色彩と輪郭線が目を楽しませる。

ショップ

毎度のことなんだけれど、どういうわけか自分が気に入った絵はポストカードなどのお土産になることが少ない。
どういう基準で採択されているのだろう。

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