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生きる目的を支えるサービス業

 マッサージ業は、一言で言えば、コリを取るサービス業となるだ ろう。費用回復、体の機能維持、メンテナンスなど利用する人 にとって、不具合を感じる部分が少しでも今よくなればいいとか、 長期的にメンテナンスが必要だとか、マッサージに求める使用価 値にも幅があるのが特徴の商品であると言えるだろう。  

 また、人 = 商品ゆえに、施術をする人によって提供する価値 大きな幅がでるものマッサージの特徴だ。コリのあるところをもみほ ぐすことに注力するサービス。お客さまとの長期的な関わりを前 提にコリの要因をさまざまな角度から取り除こうとアプローチする 人。マッサージの気持ちよさを売りに、香りや空間づくりに工夫 を凝らす会社もある。  
 
 マッサージ業の使命は何か。成果は何か。会社によって異なっ て当然だ。A 社の使命は、痛みを取ることだけに限定していない。 ここに選ばれる強さがある。お客さまに声高々に伝えている訳で はないが、お客さまは違いを感じ取っていくのだろう。結果、生 活のパートナーとして頼りになる存在として選ばれていくのだ。そ の証拠に A 社の支持率は、地域で№ 1となった。  
 A 社では、痛みの緩和は当然のこととして考える。その上で、 生まれてから今までの期間、これから先 10 年後どうなるのか、 過去と今と未来の時間軸を要視してお客さまと関わっていく。目 の前にいる利用者さんの生立ちと今の症状。今の症状が影響 する生活動作。この先の生活の中で痛みの要因を緩和してい く方法。これらを考慮に入れて、施術内容を決め施術に入る。 施術後の生活アドバイスにも力を入れる。

 A 社はマッサージを、施術中だけのサービスと限定的に考えて いない。100 歳健康寿命を手にするために存在していると定義 している。ゆえにコリの原因を時間軸の中でとらえる。瞬間的な ほぐしだけでなく、未来のさらなる健康体に向けてのアドバイスを 相手が苦なくできるところで提案する。例えば、意図的に上を向 く時間をつくってください。すう呼吸を意識してみてください。そ の人にとって必要な生活に加える動作をアドバイスしていく。  
 コリの要因を、今、この瞬間からとらえていては、緩和するとい う効果に留まってしまうだろう。利用者さんの未来に責任を持つ。 A 社のサービスコードは、創業原点からきている。創業者の祖母 の身体の不調を、十分にはみてもらえなかったという悔しいおもい。 レントゲンや精密検査などでは見えにくい、地層のように積みから なることが要因で起こるだろう不調へのアプローチ。ここへの手薄 さを感じたことが、マッサージ業を起こした原点にあるのだ。  
 
宿泊するという行為を支えるサービス業がホテルや旅館である。 A 社と同じように、泊まる行ための先にあるアクションに、旅に出る 事で手にしていきたいものに、思いをはせながら取り組んでいるとこ ろもあると思う。マッサージを受けることは手段であり、健康的な生 活をおくるための支援がマッサージ。宿泊することを手段に置いた 場合、自社のサービスは、本来的にお客さまの何をどう支えるとこ ろに効いてくる必要があるだろうか。  

 A 社のような時間軸でサービス をとらえる企業は少ないのではな いだろうか。

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