【村取りのすゝめ】①村取りの順序
村取り
村取り・・・竹弓を削って、竹弓を完成にしていく工程のことです。
まずはどんな工程があるかを見ていきましょう。
村取りは1回では終わりではありません。
竹弓の完成までの工程の中には4回の村取りがあります。
荒村→中村→小村→射手村の順番になります。
そうそう、お店で販売されてる弓は完成されてる弓ではありません。
そのことを念頭に置いて、村取りの解説を読むと、すんなりと理解できると思います。
荒村(新村)
新張りのまま数日置いて、裏反りも少し抜いた状態で行います。
最初に弦通りを見て、入木になるように前竹(内竹)の両角の面を削ります。弦を外して、外竹の両角の面も取ります。外竹の削る量は内竹よりも少なくします。
次に側木に丸みを持たせて鉋で削ります。
この工程後に、上下の弭の形を作ります。
全体の形を整えて、弦を張ります。
”キソゲ”で出入りを修正して、仕上げ鉋を掛けて、木賊(とくさ)で磨きます。
猪の牙でも磨いて艶も出します。
中村
徐々に矢数をかけて慣らしていきます。
弓が安定するのを待ち、張り顔・引成り・弦通りなどを点検して、必要であれば削って矯正して、荒村の時と同じ順序で仕上げます。この工程を中村といいます。
中村以前に矢数をかけることを新弓を”射込む”といいます。
小村
2~3年使用して変化があれば矯正し、仕上げます。これを小村といいます。
一般のお店にあるのは多くは荒村の弓です。
良弓に育てるのは射手の腕前次第なのです。
射手村
始まりは
射手村の始まりは、自分で削ってできるだけ自己の希望に近づけようとしたところです。これは冴えがあっても手幅が広すぎたり、細すぎたり、ちょうど良いものを入手するのが難儀だからです。
利点
射手が村をする場合、多くは削ろうとする弓の射手の矢尺や癖などを熟知してる必要があります。
村をすること自体が興味深く、村の完成した弓で射込みにかかり、予想以上の調子が出たら最高ですね。
また、弓師の苦労が分かったり、道具の取り扱いも慎重になったり、見る目も確かになったりと様々な利点があります。
そうすると、成りの変化と動きを知らなければなりません。
実際に弓を触って見るほか、ありません。実践が一番。
各部の寸法や割合も原則がありますので、それを知る一旦にもなります。
実は道具を研ぐことにも精通していきます。鉋の刃を研いだり、ですね。
研ぎ方が分かると、日常生活で使う包丁にも役立つので、損はないです。
店頭販売の弓
衝撃の事実ですね。
店頭販売の竹弓は未完成の弓だったのです!荒村しかしてなかったのです!!びっくりですね。
荒村の状態で仕上げる(握り束など)前に、射込む人もいるかと思いますが、多くの弓が張り込んだだけの状態だと思われます。中村ができるまで射込む弓師がいれば、作業量が大変なことになります。
(というより止めてください。自分で慣らすのが楽しいのです。)
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本マガジンは入門に加えて、さらなる竹弓の世界に没入したい人に向けて編纂しました。 ■扱い方、矯正方法 ■知識のアップデート ■明日役に立た…
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