雑誌『庭NIWA』のコラム『2100年の日本庭園へ』。vol.251では兵庫・神戸のキーパーソンと若手庭師にインタビュー。
■コラム『2100年の日本庭園へ』が掲載されている雑誌『庭NIWA』vol.251が発売中
創刊40周年を迎えた日本の「庭」の専門誌『庭NIWA』。2023年1月の発刊号から庭園情報サイト《おにわさん》の中の人によるコラムがはじまりました。
コラムのタイトルは『2100年の日本庭園へ』。2100年=次の次の世代に伝えるために、「今の自分が次の世代になにができるか」みたいな意味を込めています。
その前段に関しては以下のnoteをお読みください。
■なぜ兵庫・神戸なのか
理由はいくつかありまして。一番の理由は自分が比較的行きやすい場所からってところだったんだけど、兵庫・神戸の古庭園にはずっと興味があって…
① 当サイトで何度も書いてるけど、兵庫の太平洋側は近代〜昭和に掛けて財を成した方のお屋敷が現在も多く残る。
② 洋館などモダニズム建築が有名な一方で、だいたい備えられている「庭園」に対する注目度は低い。
その贅の尽くしぶりは京都の別荘群にも決して劣るものではないのに。(だし、七代目小川治兵衛など京都の庭師も関わっている)
③ その注目度の問題もあり2022年には七代目小川治兵衛の庭園も取り壊されたものの、まったくと言っていいほど話題にならなかった
■インタビューした方
①:兵庫県名勝部門ヘリテージマネージャー連絡会の代表: 藤井秀明さんと世話人・三谷景一郎さん/対馬造園店
話を聞きたい方を考えた時に真っ先に思い浮かんだのが、僕の兵庫県の庭園めぐりのバイブル「ひょうごの庭園〜図絵で読み解く〜」を発刊されたチーム。
庭園史家・西桂さんはご高齢ということで、図絵を担当された三谷景一郎さんにアプローチさせていただき、そこから同じく気になっていたのが『ひょうごヘリテージ機構』〜そこから庭園(名勝)部門がスピンオフした「兵庫県名勝部門ヘリテージマネージャー連絡会」の世話人代表・藤井秀明さんに結びつきお話を伺うことができました。
「ひょうごの庭園」は絵が本当に素敵だな〜〜と思いながらめっちゃ読んでたんだけど、ありがたいことに「おにわさん」をフォローしてくださっていた所から今回お会いすることができ。
今回はシーン全体の話が主旨だったけれど、個人としても日本造園学会(設計部門)を受賞されている方!なので、いつか個人としてのお話もお聞きして載せられたらなぁと思っていたりします。
(でも個人の想いとしてはあくまで「造園」よりも「既存の庭園をどう残していくか」の目線が強い。)
②:淡河宿本陣跡保存会・藤本計司(庭計)さん
淡河宿本陣跡については先日「おにわさん」でも紹介したから施設については⇩をご覧ください!
藤本さんを知ったきっかけもやっぱりInstagramからで、一番最初の最初は「自分が気になっている非公開庭園に出入りされている庭師さんだったから」。なんだけども、投稿を見させてもらっているうちに「ここ気になるな」って思ったのが『淡河宿本陣跡』で。
そして若手庭師としてももちろんなんだけれど……プラスアルファとして、藤本さんをはじめ地域の比較的「若い」と言える世代が力を合わせつつ運営されている『淡河宿本陣跡』が気になった点から、今回インタビューにご登場いただきました。
■庭園の運営や活用に、庭師さんがもっと関わったら面白いなという想い
『おにわさん』は現段階で約1,900箇所の庭園・施設を紹介しています。
おそらくその約1,900箇所のうち、50年後・100年後には消滅しているところも(残念ながら・現実的には)少なくないだろうけれど、この先生きのこるためにはきっと1,900それぞれの方法論があるはず、と思っている。所有している人/関わっている人が違えば全部違って当然。
多少なりとも上と下、上手い・下手、正解・不正解はあるだろうけれど、まあ『横綱相撲は京都と東京の大名庭園と日本三名園しか出来ない』と思うので、やっぱ色んな方法論があった方がいいと思うんですよね。
「みんな違って、みんないい」というときれいごとに聞こえるかもしれませんが。
その中で、中の人個人的には「もっと若い庭師や庭園関係者が、お庭好き相手に庭園案内したり話す機会があったらいいな」と思っている。
「いや、自分みたいな若い人間が喋るなんて…」とか言われることが少なくないんですけど、いややっぱ「若い人に伝えるには若い人」だと。
もちろん大御所好きって一定数居る。高校生だけどストーンズとツェッペリンとピンク・フロイドと加山雄三が好きみたいな。
確かにそういう方も居るし、大御所=本物なんだけれど、でも自分は若い方がもっとフロントに出るようになれば『掘り起こされるニーズ』ってめちゃくちゃあると思ってるんですよねー。
「おにわさん、企画してください」と言わるならば…今後考えたいテーマですね…。
でも実際「おにわさん」をご覧いただいている方は、20代〜40代前半の、比較的若いユーザー層。少しでも若い世代をフックアップできればな…なんて思っている!僕もフックアップされたいけれど!
次号に向けても、現在準備中。お楽しみに!?