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日本庭園のつくり方(初級編)

日本でなくてもできる!
本格的な日本庭園のつくり方

こんなテーマについて、今回も対談形式で綴ります。

外国籍の方から人気の
日本庭園の魅力とは?

毎年5月、チェルシーで開催される王立園芸協会(RHS)主催のガーデン・ショー。

インタビュアー|
世界最高峰のガーデニングショウと名高い英国王室が主宰する「チェルシーフラワーショウ」で、なにやら日本人がすごい快挙を達成し活躍していると聞きました。お庭の世界って、いま世界的に見てどうなっているんですか?

山口たかあき(SANPOH)|
チェルシーフラワーショウでは長崎県出身の石原和幸さんが、2004年の初出展以降、2023年までに9回連続で12個のゴールドメダルを受賞するという世界初の偉業を達成されたそうです。
ガーデンデザイナーとして国内外で大きな注目を集めています。
石原和幸さんのガーデンは、苔や庭石を使った日本庭園ならではの要素と、日本の四季折々の植物を現代風に遊びごころも添えて組み合わせたデザインで、これが多くの人を惹きつけるのだと思います。
羽田空港にある植栽は有名ですが、今では日本各地で石原和幸さんのお庭が見られるほどで、世界からもその実力が認められています。

インタビュアー|
石原和幸さんのお庭にかぎらず、日本庭園そのものが人気とも聞いたことがありますが、世界のお庭にはない「日本庭園の魅力」とは何でしょう?さっきおっしゃっていたように、気候によって彩が年4回変わる「四季」でしょうか?

山口たかあき(SANPOH)|
日本庭園に限らずお庭の魅力に四季はもちろん大切です。でも、日本庭園のいちばんの魅力という言い方であれば「自然の景色を庭園に表現すること」だと思います。
日本の寺院で多く見られる「枯山水(かれさんすい)庭園」は、庭石や植物を陸や山に見立て、砂利で水場を表現しています。足立美術館の枯山水庭園(https://www.adachi-museum.or.jp/gardens)などは有名ですね。
他にも「借景(しゃっけい)」という造園技法もあり、庭園外の山や森林などの自然物を庭園内の風景に背景として取り込みます。
日本庭園とは、基本的に石組みや植栽、水場(枯山水)を用いた庭園です。その庭の作庭者が意図するものを見る人が想像することも楽しみのひとつです。そういった意味で、日本庭園はとても奥が深く、それも世界の人々を魅了している要因だと思います。

インタビュアー|
なるほど!ということは、日本庭園をつくるには「目に見える」形式(テクニック)の前に「目に見えない」何かを理解する必要がありそうだと感じました。侘び寂びというか、、、
外国の方が、日本式のお庭をつくりたいと思ったら、どんな手順で進めていけばいいのでしょう?

山口たかあき(SANPOH)|
そう、まさに「侘び寂び」です。日本の庭は、古くから茶道や花道などと密接に繋がっているので、日本庭園を掘り下げていくともっと広い分野での知識が必要になってきますね。
でももっと気軽に、外国の方にもおすすめしたいのは、「坪庭(つぼにわ)」です。坪庭とは、壁や塀で囲まれた小さな庭のことで、京都の町屋などでは必ずと言っていいほど坪庭があります。
サイズは1坪(3.3平米)から3坪ほどで、季節を感じられる植物や趣のある庭石などを配置するだけでも、雰囲気よく仕上がります。季節を楽しめる紅葉や、お花の咲く樹木など、何を取り入れるか選ぶことも楽しいです。


日本庭園のはじめ方は、
まず気軽にできる「坪庭」から

インタビュアー|
坪庭ってまさに日本庭園の入門編としていいですね!ぜひ、外国の方ができるように、準備することや手順を詳しく教えてください。

山口たかあき(SANPOH)|
私が考える日本式のお庭づくりでいちばん大切なことは、「素材や色味の選定」です。昔からある素材(例えば自然の石や砂利、屋根瓦、塀で使われる竹や板塀、塗り壁など)でも、より素朴な材料を使うことで和の雰囲気をつくりやすくなります。洋風のレンガやキラキラしたタイルなどは合いません。全体の色味も落ち着かせることで、より日本庭園らしくなります。
坪庭をつくる手順は以下の流れになります。

1.庭をつくる「場所」を決める

基本的には2方または3方を塀で囲うため、まずはどこから眺めるのかを決めるのが大切です。

2.「図面」を描いてみる

場所が決まったらどんなお庭をつくりたいのか、あらかじめイメージを固めておきましょう。

3.「作庭」スタート

はじめに庭を囲う塀をつくります。塀は高さ1.8mくらいが理想です。しっかりとした強度も考慮してください。

4.「石組みや植栽の配置」決め

塀ができたらイメージしたものを実際に素材を置きながら配置してみましょう。順番は、石組み→植栽(中高木)→化粧仕上げ(苔、化粧砂利など)です。

5.「苔」で雰囲気を出す

最後に苔をあしらうことでしっとりとして落ち着いた空間をつくり出せます。1年を通して緑を保つことができ、癒しを与えてくれるのでオススメです。

ぜひ、気軽に日本式のお庭を楽しんでみてください!


お世話になっているお客さまのご家族とお庭の写真を使わせていただきながらこのブログを綴っています。
20年前を思い出しながら、英語版のブログに挑戦してみることにしました。
こちらの投稿の英語版はMediumにアカウントをつくってみましたのでそちらにも綴っていきたいと思っています。

ひそかな新しい挑戦をどうぞ笑いながら眺めていただけたら嬉しいです。
2025 Taka



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『おしゃれだねといわれる
お庭をつくるアイデアブック』は
毎月おおよそ22日に更新しています。

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〈メリー〉は使い勝手にこだわった
お庭づくりの現場生まれのホースリール。

四季を感じる植物や
自然を模した風景を取り入れた
日本庭園風のお庭でも
しっくり馴染むデザインです。

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