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年金は、いつ受け取り開始が「お得か」とは別の考え方
必ずしもお得でなくても
「足りればそれでいい」という考え方も、あります!
年金受給は75歳まで繰り下げることができますが、75歳で受け取ると損する場合もあります
上記解説がたぶん多くの人に「ああ、そうなの!」とよく分かり易いお得な年金受取方法が解説されているサイトです
受て取れる年金額の多い少ないという損得で受給時期を判断するのなら、こうした解説に沿って受給開始を決めたらいいのですが、
以下の疑問を私は感じて、そうでない受給時期を選ぼうと決めました
その疑問は
①75歳にで受給開始するやいなや急病で死んでしまったら、せっかくの年金がパーになるから「困る」は本当か?
②「得する年金受給開始」方法で、本当にお金は得したとして、妙に長生きしてしまったらどうする?
③お金をたくさん残して死んだら、たぶん喜ぶのは相続人
しかしその喜んだ顔はもはや見られないし、相続争いが勃発する可能性は絶対無いと思えるのだろうか?
私は特に①を重視して「75歳に受給開始だけどそれまで日和見」にすることにしました、その理由は・・・
まず、上述した「75歳にで受給開始するやいなや急病で死んでしまったら、せっかくの年金がパーになる」までは本当です
もし75歳までは生きていて「その後も生きるだろうね」と考えていたら75歳の誕生日あたりに受給手続きをします
その手続きをしてしまったら、もう「やっぱりやめた、5年前に遡ってまとめて5年分を受け取ろう」ができません
だから75歳直後にもし死んだら不支給分の僅かなお金が同居者などに支払われてオシマイになります
確かに年金はパーになるけど、「それで困る」は本当か? 実は困りません
なぜなら、死んだ本人はもう生活が要らないし、残るパートナー(妻とか)は遺族年金が受け取れるからです
妻の生活はこの遺族年金で継続可能になるから困らないわけです
でも「75歳まで繰り下げしたら、繰り下げ期間中は貯蓄取り崩しでお金が減ってしまうから困る」と反論あると思います
これも困りません、というか困らないようにしたら済みます
75歳まで繰り下げようと企てられる条件は「65歳から74歳まで生活できる蓄えができている」しかありません
この蓄え金額は人により家庭により違いますが、
例えば年に200万円使う人は2000万円の蓄えが必要です
こんな大金、と思うけど退職金とそれまでの預貯金で何とかなる人は、そうできます
75歳まで年金を繰り下げ出来たなら単純計算では84%も年金額が増えますから、200万円生活よりもっと上の生活ができるようになるかも知れません
さらに夫婦それぞれに年金が受け取れるので、75歳までの年金繰り下げで世帯収入はグッと増やすことができます
でも200万円とまでは生活費を下げなくとも、200万円台前半で「いつもの暮らしには十分だ」となれば、75歳まで年金受取を我慢しなくても、足りるに十分な額+αの齢になったら年金事務所に行って「これから給付してください」と申請したら、あとは死ぬまでその十分な金額が受け取れます
繰り下げしたから銀行預金口座のお金はだいぶ減ったけど、十分な年金が入って来るからもう生活に困ることはありません
仮に私が死んだら妻は、妻自身で繰り下げして膨らんだ基礎年金額に私の65歳時点の厚生年金受取額の4分の3を加えた年金がすぐ受け取れるので、私の生活費が要らなくなった分を差し引ても妻の暮らしには困らないです
ただ、もしもの場合には蓄えを持っていないと困るかと・・・
以前は「お金を持っていなければ、もしもの場合に困るかも?」がふつうの考え方でした
この従来の考え方は、たぶん今年から様相が変わりそうです
インフレの始まりの可能性が大きいです
政府と日銀は持続可能なインフレ率2%を目標にして今まで金融緩和してきましたが、長らく効果が出なかったのが今年からいよいよ2%かそこらは毎年インフレになっていく勢いになったと私は見ています
もしもの場合とはインフレで、蓄えのお金の価値が勝手に毎年減ってしまうこと
これはもう起き始めたと私は見ています
そうすると銀行の預金口座の残高が、仮に一定であっても、その価値は物価上昇によって減ってしまうわけです
たった年2%ですが下記のサイト内にあるグラフで分かるように、今の100万円は10年後の価値は約82万円に、20年後の価値は67万円ぐらいになってしまいます
これはもう始まっていると見た方がいいのではないのでしょうか?
貯めておいて減ってしまうお金の世の中になったら、どうするか?
私はお金を早く使っちゃった方が勝ちではいかと思います
ではどうやって使うのか?
生活費に使えば、毎年200万円とかの巨額のお金を「有効に」使えます
そうやって目減りに追いつかれないように早く逃げ切ってしまった方が勝ちだと思います
その間に年金は70歳までなら42%、75歳まで繰り下げると84%は額面で増えます
が、ここにも落とし穴が仕込まれていて、
あなたの、私の、65歳の時の年金支給額の42%とか84%が増えるのですね
年金には物価連動制があって2%物価上昇したら、基本2%年金受取額は増えます(マクロスライド制によって少し減らされるかもだけど)だから仮に毎年2%インフレが続いたら、年金は毎年増えて10年後には22%程度増えている計算だけど、この増えた分は繰り下げの場合にはシカトされてしまいます
だからせっかく84%増えたと思っても、実はそこから22%分は差引いた価値にしか増えないけど、増えるには増えるわけです
だから基本、出来ることなら銀行の貯金を75歳までに大半使ってしまい、その後75歳からパンパンに増やした年金を夫婦ともども受け取ったら、その増やした年金だけでお互い死ぬまで「暮らして行けるや」になろうかと、私はそう考えました
しかし、まだ落とし穴があるかもしれません、なので日和見は必要です
落とし穴とは「誰が年率2%のインフレ率を約束したでしょうか」
誰も約束なんかしていません
幸か不幸か、またデフレで物価安に戻ってしまったら年金受取者は安泰です
きっと額面84%のパンパン年金額が、そのまんまの額面で世に通じることになるでしょう
でも2%が3%や4%になったら、さあたいへん!!!
アメリカではその程度になってしまったから、日銀総裁がいかに天才でもインフレを100%コントロールはできません
もし見込み違いで高いインフレ率になる兆しが見えたら、年金受取時期をやや前倒しにします
というか高いインフレと物価上昇になったら、蓄えが底を突く危険性がありますから、その前に削れる家計費、たとえばマイカーは早めに手放す、CATV契約は止めて地上波とインターネットだけにするとかの倹約をします
それでダメだと分かったら年金事務所に行って夫婦ともども給付開始します
具体的には銀行口座の残高が100万円を切ったなら、ただちに年金受取開始手続きに急行!っていったところでしょうか
そうであってもインフレ下では、一番上のNHKサイトに書かれたお得な年金受取よりも、この方法がだいぶマシになると、私は思ってます
早い時期から年金を受け取ると、よく語られる「年金だけでは生活できない」になってしまい、貯蓄を少しづつ取り崩しながらの生活になりがちです
その貯蓄は有限だし、インフレ下では目減りするから、齢を重ねれば重ねるほど不安に苛まれるようになるでしょう
それよりも目減りするなら、早く消費してしまい
その間に寝かせて増やした「十分な金額に育った年金」を受け取り、年金だけで生活できるライフスタイルにして、生涯暮らして行く方がマシだと思われます
私はこのように考えてもう実行、といっても年金受取手続きをせず、しばらく日和見の状態にしただけですが、
あわよくば、このまま75歳まで倹約に励み、断捨離をしながら年金を増やす魂胆でいます