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オンライン総合学習が上手くいくやり方の探求

小学校の「総合的な学習の時間」略して「総合学習」を小学校区の住民が支援していく苦労ばなしをまとめたマガジンを作っています。今のテーマは小学校で自然観察を通して環境教育授業を行っている変遷を書いております。

当初は先生役の私とか住民が小学校の教室に出向いて、子ども達の中に分け入って「分からない」「うまくできへん」ことを教えて助ける式の対面方式で授業支援活動を行っていましたが、2020年から感染防止のためにオンライン授業をこれをやる決心をしました。そんときは学校も「助かったぁ」みたいに歓迎ムードでした。

実際にzoomを使ってオンラインやり始めてみたら

オンライン授業は教室の子ども達に一方的に説明をするような、講演会のような形式には向いていると思ったのですが、そもそも講演を聞くのに小学生は慣れていません。しかも画面を通して話す私を見ている子ども達の反応がパソコンに向かって喋っている私には伝わらず、内容が難しいのかどうか、説明が適切かどうかなど、子ども達の表情を読み取って説明をすぐ工夫することが無理。こりゃ壁に向かって一人で話ししているみたいだ!と思いました。

他にも画面共有で見せた写真や動画がうまく映らなかったりzoomなどのツールを使いこなすのは講師役の力量の他に学校や自宅のwifiなどの通信環境能力の限界があって、なかなか思うように進まないのが現状でした。これを前回の記事に書きました。

こんな壁にぶち当たりましたが、何とかこの壁に風穴が明きそうな気配がしてきました

子ども達が調べてzoomで発表したことに講師役の住民がコメントする方法、というのがその「明るい気配」です。

以前から総合学習授業では住民講師役が子ども達に「教える」方式をとっていました。先生でもあまり詳しくないような話題を総合学習でやりましょう♪となった場合、ここでは自然観察などですが、お目当ての生きものの探し方、捕まえ方、名前や生態の調べ方などを先生が詳しくない場合は実行が難しいです。だからそれに詳しい地元住民が先生に代わって子ども達に教え、質問にも答えて、分からなかったら住民が宿題として調べて子ども達にまた教える。という感じで今までやっていました。その時代はそれが一番!だと思っていました。

ところが、調べるのは子ども達の方が上手かもしれない!

ということに最近気づかされました。子ども達はデジタルネイティブの人が大半といってもいいぐらいネットで欲しい情報を見つけ出すことに4年生10歳という年齢でも長けているみたいです。

ネット情報に限らず、子供の好奇心はすごいもので、カナブンの幼虫は背中で歩くとか、ダンゴムシはときどきコンクリートを食べるとか、子供達を通じて私は教わりました。一旦興味があることに向かって子ども達は大人の想像より大きなパワーを発揮します。

それで教える式ではなくて「この課題について調べてみましょう」という授業にしてみたら!?という発想を先生達が発案してきました

子ども達は自分で、あるいはグループでパソコンの検索を使っていろんな事を調べ上げ、画用紙にまとめて発表すること大人が思うより簡単にやってしまうようです。やってみたらそんな印象を最近受けました。たぶんパソコンは今まで小学校で使い方を教えていなかったから家庭で使ってできるようになったのでしょう。だから人によってたくさん情報を調べられたり、少ししか調べられなかった子どももいると思います。

そこに昨年からGIGAスクール構想が実行され、おりしも感染防止でオンライン授業のニーズが高まったのも功を奏して、子ども達は学校でパソコンを使って調べものをする練習が始まりました。

これが総合学習授業の進め方にも影響を及ぼし、担任の先生達は子ども達の興味の方向を掘り下げて探求するように授業を進めたいと更にパワーアップして進言してきました。

こうなると私達が立案して校長先生にも「いいでしょう」とお墨をもらった授業計画は変更を余儀なくされ、せかっく作った1年間の授業スケジュールは6月で大きく軌道修正することに直面してしまいました。そのとき正直私は「事前のはなしと違うじゃないか!」と憤ったのですが・・・『もしかしてこの変化は上手く総合学習の授業をオンラインでも進められるサインかもしれない!?』と閃きました。

4月から3回に渡って予定通りの校内自然観察をやり、その後に4年生にはちょっと難しかったみたいだけど環境問題や生態系に与える影響を説明したら、子ども達はいくつかの方向に興味を示していると担任の先生が言い始めました。

近年顕在化したマイクロプラスチック問題などもその興味に入っているようです。もちろん他のことに興味を抱いている子どももいるそうで、先生達はそれぞれの興味を探求していく授業をどうしてもやりたい、だから計画や進め方を変えてくれ!と言ってきました。

私は先生の言うように授業の進め方を変えようと過去の計画は水に流してやり方方向転換をする決心をしました。

だから次からの授業は、何かを直接教えるのではなくて、子ども達がネットで調べたプラスチックゴミ問題など環境問題の何か一部分についての発表をzoomで私とかが聞き、それを次にどう掘り下げて調べてみるかとか、子ども達の興味に向かって調べを進めるかじ取りのアドバイスをする。こういうふうになるんだろうと思います。

そうなると講師役住民の私としては臨機応変に、機動性を高くして想定外の質問や相談にも何か対応することが求められると思います。それは対応が厳しくなるこどです。デメリットと言ってもいいでしょう。その代わりに明日は授業だから準備をしなきゃ!みたいな時間は取らなくていいのでしょう。これはメリットです。

出たとこ勝負で子ども達が発表するzoom画面の前に座り、発表と質問を聞き、可能な範囲でその場で答え、それでは足りないのであれば翌日とかまで個別にこちらで調べ、答えじゃなくて子ども達がネットなどでどうやってその先調べるかのアドバイスを伝えるという作業になるのでは?という気がします。

もしこの方法で子ども達の好奇心・探求心に火がつけば、これは大ヒットなんですがねぇ

上手く行ったらおなぐさみ。

それに子ども達がするネット検索では、検索結果に玉も石も引っかかって来るということもあります。その中でもフェイク情報の問題がありまして、そういう悪意を持った嘘情報を子ども達が読んで真に受けるかもしれないです。ただこれは先生や私も含めてネットに慣れた大人が見たら分かるでしょう。

しかしフェイクでもない嘘の情報があります。時代遅れで古くて今となっては間違った情報、たとえばセイタカアワダチソウの花粉でアレルギーになるとか。
または投稿者が知識不足で勘違いして投稿している情報、たとえばカラスアゲハとクロアゲハを間違えてまことしやかに写真をアップしているとか。
そういうのはなかなか分かりません。こういう注意も払って、アドバイスしていくとかも必要になるでしょう。

それとは別に、新しい授業の方式では、以前は住民が集まってみんなで子ども達の学習をサポートしていくという「美しい教育への住民参加活動」をやっていました。これが困難化してしまうでしょう

今まで総合学習授業の支援に参加していた住民は父兄の方々と高齢者です。これらの方々は今までは子ども達の話し相手などで参加していましたが、zoomオンライン授業になってからはそういうことができなくなりました。zoomに入って見ているだけという参加スタイルは今のところはありません。さらに子ども達の調べたちょっと専門がかった質問へのアドバイスをするのはかなりハードルが高くなると思います。だから講師を務める以外の参加意義が無くなってしまうわけです。

もしそういう変化に伴って住民の好奇心も高まり、関連する様々なことを自分で勉強する住民が出現してくるといいのですが、今までそのような行動に出てきた住民は1人です。だから住民活動での授業支援というスタイルは、もしかしたらこれも変わって行ってしまうかもしれません。

これについては私もモヤモヤしていましたが、

住民活動より子ども達の好奇心・探求心を育てることの方が優先だ!と割り切ることにしてやっていくことにしました

こんな考えもまた何か月かしたら壁にまたぶち当たるのかもしれないけど。今は追い風になてちるGIGAスクールへの学校の乗り気と時節柄のオンライン授業ニーズに乗っかってこの方法で進めたいと考えました。

はたしてどうなるでしょうか。

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