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<備忘録> 「古くさ」を変えるための手順

「古くさ」問題は老舗の会社だけでなくて、見に回りの仲良しグループでも発生する大問題です。

一度「このあいだやったことをまたやりましょう!」的になるといっつも同じ行動の繰り返しになりがち。

やがてその行動に問題や課題があっても「えー!!いつもこうやってやけど・・・」状態になってしまい、自分たちで「変えよう」としなくなります。

さらに悪化すると思い切って変えようとする人の足を引っ張り、邪魔をし出しで手がつけられないことも。

そんな「古くさ」問題に直面した場合、どうやって変えたらいいのか?

そのヒントになりそうなのが、ちょいと西洋流なんだけど、以下の方法があります。

ということで今日のnoteはハーバードビジネススクールの「J.P.コッター」のモデルのはなし。

コッターという人は、数々の企業の「わが社のコレを何とか変えたい!」問題の研究からさまざまな会社で行った「変えよう努力」を研究し、その「落とし穴」を発見しました。

それらたくさんの努力の数々から「変えよう!」を成功させた会社たちの「うまくいったやり方」から、以下の「変え方手順」を完成させました。

コッターの「組織改革のための8つのステップ」をざっくりと、しかし原文や直訳分はイマイチ分かりにくいと思ったので、自分用に意訳しました。(意訳は正確性が保証できないけど、これは自分の備忘録なのでご勘弁)

1.これは緊急事態だとの意識を持たせる

●何が問題かを調べて、他の同じような事やっているグループがどうしているのかも調査する

こうすると「何が問題か」と、そのままホッタラカシしたら時代遅れになりそうなのか、それとも他の誰もがまだ気づいていない問題なのかが見えてくる。

●このままホッタラカシにしたら、具体的にどうなってしまうか、「変える」ができそうなチャンスはあるかどうかを誰か力になりそうな人と話し合う

自分の直観に思い違いがあるかもしれんし、問題の大きさや、変えようとするときの努力のデカさも知っておかなければあとでどんな仕打ちがあるかもしれんから、信用できそうな人とまずは意見交換してみる。

この段階で、何をどう変えたらいいのか、まだザックリ版ではあるけれど「こんなふうに変えたいな!」という案ができる。

ただこの時点の案はまだ未熟だけど、いつまでたっても未熟にこだわっていたら前に進まないので、いつでも要すれば案も調整すると思って「まあ、いいんじゃないかな」と思えたら、それで次に進める。

2.「改革推進者グループ」を立ち上げる

「変えたいこと」を強力にやってしまうための一心同体になった人たちで「改革推進者グループ」を築き上げる

●本気で「絶対やるぞ!」とお互い意気投合し、しかも十分な力を持ったグループを結成する

●そのグループが一丸となって行動できるよう、誰が何をするかとかをとりあえず決める

ここですぐに何か変えようとするのは勇み足になる。まずは現状の酷さをいろいろ調べることを手分けして開始する。

3.なりたい姿を話し合って意見合わせしながら書きあげる

●グループ以外の人たちに、なぜ変えるのか分からせなきゃならないので、みんなが理解でき、みんなの努力も得られる「是非『こうなりたいよ』っていう「なりたい姿」を書き上げる。

「なりたい姿」をビジョンと言うが、ビジョンとは何のことかイメージ湧かない人が多いから、あまり「ビジョン」を連呼しない方がいい(私見)。

●なりたい姿を実現させるための事の運び方について作戦をたてる

新しいことを企てると、必ず抵抗勢力が現れる。

抵抗勢力に真っ向対決すると負ける可能性は割と高い。なぜなら抵抗勢力の主張は「それで今までやってきた」という実績のバックがついている。

だから抵抗勢力は対決でなくこちらへ巻き込むことも忘れない方がいい。それを見越した事の運び方作戦をたてる。

4.なりたい姿をみんなに説明して「確かにそうだね!」を浸透させる

●「なりたい姿」や「それを実現させるためにやること」をみんなに分かってもらうための話し合いをする

たぶん1回では済まないだろうから、何回かする。それに会社とかでは部や課にまたがることがあるから関係するグループ毎にいろいろ話し合う

●「改革推進者グループ」の人たちが手分けして、みんなに新しい姿についていろいろ教える

ここから改革への急な坂道を登るような「生まれ出る苦しみ」を改革推進者グループメンバーはなめることになることを忘れない。

5.「なりたい姿」に沿ってみんなが進むようにいろいろ仕向ける

●変革の障害になるものを排除する

主に「変えたくない」と反対する人たちの考えを変える、あるいは反対できないようにする、または本当に排除してしまう。

この段階が「変えよう」とする努力の中で一番キツイ仕事になるだろう。

抵抗勢力の人はそれぞれ説明して説得することから開始することになるけどなかなか言うことを聞かない。この場合はその抵抗勢力の人を説得できる立場の人に応援に入ってもらうのが一つの有力な方法。上司とか親方とかボスみたいな人。

それができない場合はその反対派の人の弱みを探そう。例は下記。
以前勤める会社で状況は違うけど反対派に手を焼いていた同僚は、その人物が西洋人に弱いことを見つけた。俗にいう青い目の背の高いハンサムで堂々とした西洋人に英語で説得されるとすぐに「yes!」と言ってしまうクセを見抜き、まんまとその方法で反対派人物の口をふさぐことに成功した事例があった。

●「なりたい姿」をこんな理由でダメだと言って攻撃するものを変える

反対派の人が理由として持ち出しているものを「それはもう使えない」と明確にして反対する根拠を無くする。
そもそも「変えたい」と考えた根拠が、かつてそれは有効だったけど、今はもはや使えない、古くて非効率、お金がかかるなどあったはず。

●あえてリスクをとってでも、新しいアイデアや行動の推進を貫く

リスクとは、見に降りかかる難関もあろうけど、勇気を出してやってみる価値があるもののことを言う。

困難さが及ぼす我が身の危険と、やって成功して手にする新しい価値を天秤にかけて冷静に判断することは大切。

危険がメリットを上回るようなものはリスクではなく単に危険なだけってことも忘れないように。

6.短期的に成功する「良いこと」を実際にやって見せる

●目に見える「良いこと」を「変えたやりかた」でやって見せる

これはまさに山本五十六氏が生前言っていた「やって見せて」のこと。

例えば図面を描き、その図面で試作品を作り、組み立ててみる伝統的モノづくりを、3Dモデリングソフトを使い、モニター画面の中に部品モデルをいくつも作り、それを仮想的に組み立てて動かし、うまく動くか確かめる様子なんかをみんなに見せてスゴさを実感させるとか。

●その「良いこと」をとにかく早く!に作り上げる

ぐずぐすしていたら、みんなの熱が冷める。

完璧なものを作ろうとせず、一番簡単ですぐ完成する即席のやり方で、今日中にでも作り上げるつもりででっち上げる。品質はその後に上げて行けばいい。

●その行動に協力したメンバーをほめる

まさに山本五十六氏が生前言っていた「させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」のこと。つまりほめるとひとは動いてくれる可能性が高くなる(ただし動く保証はあるとは言えない)。

7.調子が出てきたところで一気呵成に進め、改良を加えていく

●この段階にくると「なりたい姿」がみんなにもよく分かり、それに合わない以前の考え方、システムを自主的に変えるムードが生まれるので、その力を煽る。

改革が軌道に乗ったという証。

●「なりたい姿」への改革を実行できるメンバーを昇進、採用、育成する

新しい行動がより進められるような人たちを優遇する。優遇は必要なのだ。

●新しい取り組み、テーマ、改善部隊で業務の進行を再活性化させる

以前よりずっと良くなったと客観的にも見えるように、みんなのやる気を引き出す。

やればできることをみんなに実感させる。

8.新しい方法を制度化させる

●新しい行動が実現したので成功したのだと、根拠を示して説明し、それを今後の正式な仕事の手順として決める

●変わった新しい考え方、方法、仕事の手順を伝承させていけるリーダを育てる


以上、ある程度の大きな企業の部署かなにかを想定した改革手順の方法論となっている。なので小さなグループでは省略できる手順もあるとは思うけど、あまり省略しすぎない方が良い。それぞれの手順に大事な意味があり、それらを踏んで進めるようになっている。

最後に雑感だけど、

一旦出来上がっている組織体の改革を実現させることはかなり難しい。
それでも改革をやり、現在の組織体を変えるメリットがどれだけあるかを最初の段階で調べて考え抜き、やるか引くかの決意がとても大事になる。

私の経験した会社内での部門内改革プロジェクトでは、私の任期中には改革完了にならなかった。私はそのプロジェクトに携わったが1年後にプロジェクトを外れるときにまだ未完だった。改革完遂にはかなり時間がかかる模様。

会社を辞めて、地域内の小規模ボランティア活動に参加したときに、体制ややり方が時代に合わないと感じたため、改革を提案したが一蹴もしくは無視されたため、その組織を離れて類似の活動を行う小規模チームを別に立ち上げて進める方法をとった。規模は小さくなるが理想とすることを実現させるための改革を避けたやり方だ。

こんな具合に組織を変える他にも変えたやり方で仕事を始める方法はあるから、それも含めて改革実行の可否を最初によく考えた方がいい。

なぜなら改革というのは本来それをやらなくても「良い状態」ならば、やらないに越したことはない。改革を断行する大きな力や資源を本来やる仕事・活動に振り向けることこそ本来なのだ。


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