ボランティア活動参加と家庭生活との間には、実は深い溝がある

もしボランティア活動を甘くみていると、離婚あるかも!

1年ほど前に、私が参加している「里山再生」ボランティア団体へ取材に来た学生がいました。聞くと卒業論文のテーマがボランティア活動の実態について、のようでして、いろいろな団体にインタビューして実体を掴もうという意図らしい。なんちゃって取材じゃなくて、これはホンマモンの論文執筆のための取材なのだ!と思って快諾してインタビューに応じることにしました。

緊張した学生は、いくつかの他の質問に続けて、
「ボランティア活動で苦労していることは何がありますか?」と尋ねてきました。
私はそのとき何を答えたか忘れましたが、
実に印象的だったのは、私の同僚の女性活動メンバーのひとりが、
「ボランティアって、そんな甘くないよ、世の中に役立つからとか楽しいからとか生き甲斐とか言ってやり過ぎると家庭壊するよ。以前の別の団体でやっている頃、離婚した人もいたし、そこまで行かんでも夫婦仲悪くなった人もいたよ。」
こんな話をその女性同僚は学生に聞かせ始めたのです。

それを聞いて私自身にもなにやらピン!とくるものがありました。思い出したのは、会社を辞めてボランティア活動に参加し始めた頃、私の家庭もそんなに厳しい状況にはならなかったですが、
「タダで働くなんて誰にでもできるわよ! お金もらえるから仕事なんじゃない!」と妻に罵倒された苦い出来事があります。まだ勤めて給料稼げるのに、そういうのそっちのけでボランティア活動を始めるとはどういうつもりだ!と。そういうのが妻の主張。

家庭生活は、家庭中心に回っているものです

会社に勤めて仕事するのは、給料を稼いでそれで家計を賄うために不可欠な行為だから許されると、そういう具合に考えると上述の私の妻の発言は、稼いで来ないような仕事で、家庭に無関係な行為は、家庭生活にとっては無駄で有害なものだ、こう説明がつきましょう。

この考え方は、けっこうどこでもあるんじゃないかと思います。他の人に何人も聞いたわけじゃないから断言できないけど、上述のボランティアやり過ぎで離婚のはなしも、このような考え方があったのではないかと想像できます。

ボランティア活動は、一つだけ、たまーに参加してやる分には、むしろ家族からは歓迎されるのです

が、活動は別の活動の呼び水となり、他へ他へと広がって行き易いことが離婚だとか夫婦仲悪化の要因ではないだろうか?そんな気がします。

続けられているボランティア活動は、承認欲求が満たされる「場」だ!と、そう言っていいです。今日もやって良かったなぁ♪としみじみ感じること、これがエンジン。

やって感謝されることはボランティア活動では実によくあること

さらにイベントを終えた達成感とか、昇進競争相手ではないボラ同僚は、即友人関係になり易いので、一旦加わった仲間から離れ難いのも現実。セミナーや他の団体訪問でボラ仲間の輪は広がり、全国ネットの有名NPO団体の会員になれば、それはそれでステイタスシンボルにもなってしまう。地域活動でも町内会外郭団体の支部長とか、隊長とか、さまざまな役職?があって、それに成りあがるとそこから抜け出すのは会社を退職するように惜しくなる、という具合に次から次に芋蔓が伸びていくのです。

そして、気が付いたらボランティア団体と地域活動にいくつもいくつも参加していた、というのはそう珍しいことではありません。

人によってはそれで大丈夫な方もいます。役職ばかり集めていて実際の活動にはあんまり参加しない人です。こういう人は家族からの文句は少ないみたいだと私は見ていますが、こういう方々は私の反面教師だと思っています。

皮肉なことに、この真逆の額に汗して実行活動をいくつもの団体や地域活動で担っている方こそ、離婚や夫婦仲悪化のリスクが迫っているかもしれなです!
もし、やり過ぎだと少しでも心配のカケラを感じるなら、いままでやって来た活動を一部撤退するか、離婚してもやると決意が要ると思います。これは誇張じゃなくて真面目な話なんです。

ボランティア活動は離婚まで決意しなくていいんじゃないか、と私は考えます。いままで活動して来て感謝もされたし、あなたが居なくては活動が進まなかったとも言われましたが、事情あって一部の活動から撤退したところ、今まであまり活躍が目立たなかった別の人が活躍し始めた話を聞いたから「ああ、やはりそうだんだ・・・」と、そう思いました。

このことは会社員だった頃にも経験した、

俺がいなくなったらこの仕事は・・・みたいな「会社でよくある話」と、私自身のボランティア経験の場合は同じだったと悟ったということでした

今日書いた事がぜったいみんなに当てはまるとは言いませんが、ヤバくなる前に考えておいて欲しいと思って書きました。


3日分の投稿をまとめると

ボランティア活動は、やって感謝されて「良かったなぁ」と心底感じることができる。これが実現できる活動を見つけ出すのがボランティア活動の醍醐味だ。しかし思ったより自分でお金を出費してしまうことがあるから参加に必要な費用、特に交通費がいくらかかるかは事前に読んでおいた方がいい。それでも楽しいなら更に自己負担が要るなら自己投資だと考えたらいい。けど、それを支える家族の心情も考え、余計な負担までかけるほど手広くやらない方がいいと思う。

いいなと思ったら応援しよう!