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「ちびっこドラゴンとほしのかけら」


「ちびっこドラゴンと星のかけら」


小さなドラゴンの「フレイム」は、まだ火を吐けないドラゴンの子ども。ほかのドラゴンたちが空を飛びながら、火の輪を作ったり、光る炎で星のように輝かせたりしているのを、いつも遠くから見ているだけでした。

ある夜、フレイムはふと空を見上げると、ピカピカ光る星が空から落ちていくのを目にします。「星が落ちちゃうなんて!どうしよう?」と思ったフレイムは、勇気を出して星のかけらを探しに行くことにしました。

星のかけらを探す旅

フレイムは夜の森へ飛び出しました。
森は暗くて少し怖かったけれど、フレイムは星のかけらを見つけるために一生懸命探します。すると、木の上から声が聞こえてきました。

「ピカピカするものを探してるの?それなら川のほうにあるかもよ。」
声の主は、キラキラ光るホタルたちでした。ホタルたちがフレイムを導いてくれることになり、一緒に川へ向かいます。


川に着くと、水の中で光るものが揺れています。「星のかけらだ!」と思ったフレイムが手を伸ばすと、それはただの光る石でした。でも、その石を持っていたカニが言いました。

「もっと強く光るものなら、山のてっぺんにあるはずだよ。」

山の頂上での試練

フレイムはカニにお礼を言い、山の頂上を目指します。山は急な崖がたくさんあって登るのが大変でしたが、途中で力持ちのヤギ「コッコ」が手伝ってくれました。

山のてっぺんに着くと、そこには星のように光るかけらが落ちていました!フレイムが近づくと、かけらがポンッと跳ね、言いました。

「僕を空に戻すには、君の炎が必要だよ。」

フレイムはびっくりしました。「ぼく、まだ火を吐けないんだ…」としょんぼりします。すると、ホタルやカニ、ヤギのコッコが声をそろえて言いました。

「やってみなきゃ、わからないよ!」

フレイムは勇気を出して深呼吸をしました。そして思い切って口を開けると、小さな火の玉がふわっと出てきました!

星を空に戻す

小さな火は星のかけらを包み込み、ピカピカと輝きながら空へ戻っていきました。フレイムが見上げると、空にはいつもより明るい星が輝いています。

「やった!ぼくにもできたんだ!」

フレイムはホタルやカニ、コッコにお礼を言いながら、胸を張って家に帰りました。それからというもの、フレイムは少しずつ火を吐けるようになり、いつか星空のように輝くドラゴンになろうと練習を続けるのでした。


おしまい

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