【ラオス】不発弾回避教育ワーキンググループ会議
ラオスは「一人当たりの空爆が最も多かった国」と言われていますが、これまでに除去された不発弾は全体の僅か約1.6%にすぎません。事業地であるシエンクワン県はラオスの中でも最も多くの爆撃を受けた地域の一つで、今でも毎年爆発事故が発生しています。
近年では2017年に本事業の対象地域の一つであるヨードグム村で13人が被害に遭う大事故が発生し、被害者の多くが5歳以下の子どもでした。そこで本事業ではこれまであまり実施されてこなかった、幼い子どもをメインターゲットとした不発弾回避教育レクリエーションを実施します。これまで子どもたちの不発弾に対する知識や危険意識についての調査を行ってきましたが、それらの情報を元に、現在は教材作りに取り組んでいます。
↑幼稚園での事前調査
2020年12月7日、本事業のカウンターパートである、ラオス不発弾処理統制機構(NRA)の主催で、2020年第4四半期不発弾回避教育ワーキンググループ会議が開催されました。主催者のNRAによる四半期報告や2021年および今後5年間の活動計画についてのプレゼンテーションの後、各団体による回避教育の課題や問題点についての情報交換が行われました。
本会議には、テラ・ルネッサンス、Handicap International(HI)、Hazardous Area Life-support Organization(HALO-Trust)、Mine Advisory Group(MAG)、World Education Laos(WEI)、Lane Xang Minerals Limited(LXML)、Lao National Unexploded Ordnance Programme(UXO Lao)、ラオス教育スポーツ省など、不発弾にかかわる団体が多数参加しました。
テラ・ルネッサンスの回避教育に対しても、各団体から様々なアドバイスいただきました。例えば、幼い子どもに対しては、適切な言葉で、焦らず少しずつ不発弾の危険性について伝えることや、歌やゲーム等を上手に活用しながら、先生と協力して、子ども達が興味を持つような活動にすること等です。
スタッフは1月中旬にNRAが実施する回避教育訓練を受講し、更に知識やノウハウを取得し、子ども達がもう爆発事故に遭わないように回避教育を充実させたいと考えています。
↑不発弾回避教育ワーキンググループ会議の様子
実際の現場での回避教育は、シエンクワン県労働社会福祉局とテラ・ルネッサンスが二人三脚で進めて行きますが、その他郡事務所やグループ事務所、そして各村とも互いに協力しながら活動していくことが不可欠です。
ラオスでは新年等のお祝いの時に、カゴにお酒や栄養ドリンク、お菓子等を入れたギフトバスケット(ラオス語:ガターコンクワン)を贈り合います。12月31日の大晦日の日には、スタッフがガターコンクワンを持って、各関係各所に年末&新年のあいさつに行きました。これからも、関係各所の方々とよく話し合い、連携しながら事業を進めていきたいと思います。
↑県労働社会福祉局への年末および新年のあいさつ
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記事執筆/
海外事業部
飯村 浩
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