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スタイリング解説⑤

 こんにちは。こうです。
 今回も、インスタグラムに投稿しているスタイリングの解説をしていきます。

 「好きな服を、カッコよく着る」をもとに、、

①洋服同士の文化的背景の関連性
②色彩、サイズ、シルエットなど「全体のバランス」
 
 
これらを踏まえて解説していきます。

 今回のスタイリングはこちら。↓

ハット : USNAVY セーラーハット 80s
シャツ : EURO パジャマシャツ 70s
Tシャツ : ダニエルジョンストン
パンツ : USARMY OG107 60s


シューズ : ビルケンシュトック
(モデル名わかりませんでした…。)


テーマ「グランジ×ミリタリー=日常着MIXスタイル」

 ニルヴァーナのカートコバーンがアイコンとなっている「グランジファッション」。
 その実態は、Tシャツやネルシャツ、パジャマシャツなどのいわゆる「日常着」を無造作に着用したスタイルとなっています。
 制服や戦闘服など、どこか格式ばった雰囲気を感じさせる「ミリタリーファッション」。
 トレーニングウェアやルームウェア、作業着などのこれまた「日常着」も多く納入していたとされています。
 今回は、「日常着」というテーマのもと、グランジとミリタリーからテーマに沿った共通要素を見出しながら、解説していきたいと思います。



①洋服同士の文化的背景の関連性

・USNAVYのセーラーハット
 USNAVYとは、アメリカ海軍のことです。
 セーラーハットとは、海軍の水兵が船での作業時や式典の際などに被っていた帽子とされています。
 水兵が着用する際はつばを上げて筒状にして被っていましたが、ファッションに取り入れる際はつばを下ろしてラフに被るのが一般的となっています。
 また映画「セルピコ」では、アル・パチーノ扮するヒッピーの警察官セルピコが、日常の中でさまざまなヒッピーファッションにセーラーハットを被った姿で登場しています。
 ファッションアイテムとして取り入れられるようになったのは、この映画の影響も大きいかもしれません。
 ミリタリー要素が主ですが、「セルピコ」のカルチャーも踏まえて、日常着としての要素も含めて着用しています。


・EURO パジャマシャツ
 パジャマシャツとは、その名の通り寝間着として着用されていたシャツのことです。
 1980年代頃から、一部の人たちの間ではひそかにファッションとして人気だったとか。
 ファッションアイテムとして爆発的に人気に火がついたのは、ニルヴァーナのカートコバーンがライブで着用したためといわれています。
 詳細は不明ですが、今回着用のものはアメリカものではなく、ユーロ古着のものとなっています。
 またヨーロッパ諸国の軍事機関(ユーロミリタリー)では、「スリーピングシャツ」という呼び方でパジャマシャツが日常の寝間着として使用されていました。
 今回はグランジ、日常着の要素として着用していますが、その出自を考えるとミリタリーとも無関係ではないのかなと思います。


・ダニエルジョンストンのTシャツ
 ダニエルジョンストンはアメリカのシンガーソングライター。
 もともとは自宅で録音したテープを配布する形で音楽活動を行っていたといわれています。
 アメリカの音楽番組MTVから注目されたことをきっかけに、後に多くのミュージシャンに影響を与える存在に。
 ニルヴァーナのカートコバーンもその影響を受けた1人です。
 今回着用の、カエルのイラストに「こんにちは。元気ですか。」とメッセージが書かれたTシャツはカートがパジャマシャツと合わせて着用していたことで有名です。
 このイラストとメッセージは、レコード店が入ったシアトルの商業施設の壁画として、1993年にダニエルが描いたといわれています。
 現在は商業施設は取り壊されていますが、壁画部分のみ残されているようです。
 ちなみに、イラストのカエルの名前は、「ジェレミー・ザ・イノセント」だそう。
 ダニエルジョンストンは2019年9月に惜しくもその生涯を閉じています。
 グランジ要素の1つとして着用しています。


・USARMY OG107ユーティリティパンツ
 アメリカ陸軍に納入されていた、ミリタリーパンツの1つ。
 「OG107」や「ベイカーパンツ」と呼ばれたりしますが、正式名称は「OG107ユーティリティパンツ」といいます。
 OG107とは、オリーブグリーンの頭文字「OG」と米軍のカラーコード「107」が由来。
 ユーティリティとは、英語で「作業」などを意味する言葉になります。
 由来の通り、このパンツは戦闘以外に日常の作業などにも多く使われていました。
 ちなみに「ベイカー(パン職人)パンツ」という呼び方は、同じ形をした白いパンツが「ミルクパンツ」と呼ばれていたことに対してのものだそうです。
 ミリタリー要素と、グランジとも重なる「日常着」の要素の1つとして着用しています。



・ビルケンシュトックのシューズ
 ビルケンシュトックはドイツ発のシューズブランド。
 レザーのバンドにコルクの靴底で作られたサンダルが有名かと。
 その歴史は1774年まで遡り、フットベッド(中敷き)の原型を作ったブランドともいわれています。
 人間の足のアーチを考慮して作られたといわれるコルクの靴底。履いているうちに使用者の足になじむともいわれており、日常生活における機能性に優れたシューズを展開しています。
 また、モデルも豊富にラインナップされていて、デザイン性にも優れたブランドです。
 今回履いているものは、画像ではわかりづらいですがサンダルとシューズの中間のような靴となっています。
 カチッとした「革靴」とラフな「サンダル」の間をとったような靴。
 そのためミリタリーと日常着どちらの要素にも落とし込みやすい靴かと思います。



②色彩、サイズ、シルエットなど「全体のバランス」

・全体の色彩バランス
 セーラーハットにパジャマシャツと、個性的なアイテムたちを着用している今回。
 そのため、アイテムの個性でスタイリングが崩れてしまわないようにできるだけ全体のカラーリングを合わせて、バランスを意識しています。
 セーラーハットの白、Tシャツの白、シャツのストライプ部分の白をリンクさせるといった具合です。
 また、その他の色についても水色にオリーブとあまり派手な色は選ばず、かつスタイリングになじむカラーリングを意識しています。
 アイテムそのものの主張が十分強いため、派手色をもってくると個性が渋滞し全体がごちゃつくと考えたためです。

・全体のサイズバランス
 「日常着」というテーマに沿って、全体的にラフな雰囲気が出るようゆるめのサイズ感のアイテムをチョイス。
 パジャマシャツの質感とサイズからくるゆるさ、パンツのほどよい太さでそれらを演出できるよう意識。
 一歩間違えれば、いかにも「軍人」たるチャキッとした雰囲気にもなってしまいそうなセーラーハット。それを中和し、少しでもスタイリングになじみやすくするためにも今回のサイズバランスを意識しました。


まとめ
①グランジ、ミリタリーから「日常着」の要素を見
 つけ、それらが重なるポイントをスタイリングに
 落とし込む。

② ①の要素を尊重しつつ、各アイテムの個性、色、
 サイズを考慮しながら、少しでもカッコよく見え
 るよう組み合わせていく。


 以上が、今回のスタイリングの具体要素となります。

 今回のスタイリング投稿は下記のリンクから。↓

https://www.instagram.com/p/C-XM582Pyhj/?igsh=MjhjN2RxNXd6bzZ5


 今回は以上となります。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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