2022.02.01「セカライ感想」+先週末のおすすめボカロ曲

●今日のおすすめ曲

2022/01/28,29,30投稿の合成音声オリジナル楽曲からくるみ的に気になった曲を抜粋して紹介します。(多くなっちゃうので31日投稿ぶんは明日に回します!)

まさか動画投稿されるとは…!2020年に発売されたアルバム「ドラゴイディア」収録曲。美しいメロディと溜めがぞくぞくする音楽。それから、この時期のwotakuさんの書く歌詞がすごく好きで、あらゆることが解決しないままどうにもならないままでもしこうだったら、みたいな後悔だけを遺して終わっていくの。好き。

冒頭、長尺のポエトリーから歌に入っていくのよすぎる……。ただ作曲が三角コナさんなので、申し訳ないとは思うんだけれど、「息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ」をちょっと思い出してびみょーに笑っちゃった。ごめん。めちゃくちゃすごい。

音!音が良い!1曲の間にこれでもかとわちゃわちゃと色々な展開をするのに合わせて楽しくなっちゃうような曲。ぴっこぴこのサウンドも、スペーシーな空間系のサウンドも、音の強いドロップも、どれも超すき。

AIじゃないほうのsynthesizerV弦巻マキ使用曲。冷静で熱いテンション感に魅了される。すべての音をスタッカートみたいにうたう弦巻マキの歌声が、つたなくかわいらしくてエモい。

やわらかくてあったかくてとってもやさしい。初音ミクの機械性に焦点を当てて描かれる宇宙旅行、その先に紡がれる「友達になりたい」にただただ泣ける、ぴこぴこサウンドがいとおしい1曲。

すごい…!不安定な変拍子とかすれきった歌声、ご自身で作画されたアニメーション動画で完成度が抜群に高い世界観を描き切る。曲というよりもはや芸術作品、って、月並みだけれどそう表現したくなる。

A.I.VOICE結月ゆかりとCeVIOAI結月ゆかり麗による、ポエトリーメインのシューゲイザー。時間をたっぷり使った贅沢な展開、大好き…!!歌いだすようなギター、後半にいよいよというふうに始まる結月ゆかり麗によるコーラス、だんだんと声色が明るくなるポエット、それらによるエンディングの高揚感…!最高!

なんだこれ!耳がこそばゆい…!きもちいいけれどなにがきもちいいのか全くわからない、とにかく音がいい、LSD系ドラッグミュージック感マシマシのDnB!すごい!

鳴花ミコト、お前そんな声でるの…!?でもってユギカさんこういう曲も作れるの!?喉ぶっこわれる勢いでかすれた、それでいて超力強い!こんなん一度聴いたら耳から離れないわ、っていう歌声に度肝を抜かれる。この声に負けないくらい強いトラックもヤバいわ。

巡音ルカの誕生日にあわせて投稿された、愛の溢れたバラードソング。「人間ってやつは難解だなぁ 抱きしめられたらいいのに」「君はちゃんと年を重ね 永遠は僕だけに与えられて」等、人でない存在としての巡音ルカの悲哀と、その立場からの人間である君への愛情が五臓六腑に染み渡る。巡音ルカ、こういう語り口がこんなに似合う女もそういないよ……。

君の魔法=音楽を教えて、とマスターを鼓舞する巡音ルカによるボーカロイドイメージソング。まっすぐなぴこぴこサウンドがかわいいテクノポップの中に、たびたび現れるおしゃれコード進行が耳を惹く。突き抜けるような青空を思わせるサビメロが大好き。

不安定なまどろみを思わせる大胆な音遣い、うしろにもつれてひっぱる歌メロ、くずれるようなノイジーなシンセ、そして目が醒めるようなブラスサウンド!聴けば聴くほど深みにハマる、ゆるやかに夢の中に落ちていくような音楽。

mwkさんだーーー!!音が良い!!!透明な初音ミクの歌声とド真ん中のEDMは抜群に相性がいい。うつくしくてバチバチで超かっこいい!

うおお、これはすごい…!東北ずん子の歌声の魅力をバチバチに感じるかわいらしい歌声に思わず惚れ込む。めちゃくちゃユニークな譜割りやメロディに対する歌詞の充て方が不思議と気持ちよくて、平成初期アニソンもしくはアイドルソングみたいなところをベースにした曲調とこのユニークな歌唱が組み合わさって他に聴いたことがない面白さ。すごい…!

piccoさんの『Marry Me』をサンプリングして作られたサンプリング・ミュージック。超高速ラップが超絶かっこいい……!!終始かけぬけるように歌い続けるラップのスピード感がきもちよく、この息継ぎのなさはボカロならでは感が高い!とにかく超かっこいい!

ボカコレ2021秋にて『細胞の埃』でデビューしたqumogiさんの新作。消え入るようなウィスパーボイスの初音ミクと、ゆれる水面のようなふしぎできらきらとしていてそれでいて沈み込むようなトラックにぞくぞくとさせられるエレクトロニカ。儚くて透明できれい。不安定なピアノに泣きそうになる。


●日記

・プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 1st - Link - 通称セカライに遊びに行っていたので、感想を書く。私はプロセカのことが好きだけれどソシャゲが苦手であまり遊べていない人間で、あまり楽曲のもつ文脈に詳しくないことを前提にして頂けると嬉しいです。


・プロセカのリアルイベントは今のところ行ける範囲で行っていて、1周年記念のセカフェス、セカイシンフォニー、そしてセカライと足を運んできた。毎回思うのだけれど、マジカルミライ等のボカロイベントと比較してめちゃくちゃ女性が多い。そして若い。あと、どうもリア友と来てる人が多いっぽい。記念写真の撮影方法から服装から感想の共有方法までなにもかも違って、こういう文化圏の違いが肌感覚で実感できるのはリアルイベントならではだなと思う。

・セカライ、事前情報がびっくりするほど無く、公式HPにキャッチコピーやABOUTすら用意されていない。直前の公式Twitterからのリハ映像供給が上がってくるまで、3DCG投影ライブなのか声優さんが出演する形なのかすら分からなかった。なので正直、このイベントがどういうつもりで開催されているどういう建付けのライブなのかを飲み込むのに始まってから少しかかってしまった。

・冒頭、狭間の初音ミク(プロセカを起動して最初にチュートリアルの案内をしてくれる、狭間のセカイに居る初音ミク。各セカイを統べる神みたいな立ち位置。)が言ったように、このイベントは「セカイツアー」で、私たちの皆を応援したいという想いをエンジンに各セカイをのぞき見する、という建付け。ゲーム内で見られるバーチャルライブと同じような感じなのかな、と思った。キャラクターたちはおそらくこちらの個々人は見えておらず応援するペンライトの光が想いとなって届いていて、幕張メッセという大きな舞台で歌っているという自覚は無くそれぞれのセカイでいつものように練習をしていて(レオニに至っては演奏曲すらその場で決めていたし、ライブを演るぞ!という感じではないのかな、と思った)、キャラクターたちの様子を映し出すライブビューイング会場がたまたま幕張メッセだった。もしくは幕張メッセに集まった私たちの想いが各セカイとのつながりを生んだ。そういう世界観。

・個人的にはこの建付けがちょっとさみしいな、と感じたりした。こちらはいつものバーチャルライブとは違い幕張メッセというひとつの空間に集まっているのに、プロセカキャラクター側はいつも通りなことがさみしい。先日開催されたセカイシンフォニーでは別のセカイ・ユニットのキャラクターたちのライブの様子をキャラクターたち自らも見ていたっぽかった(すごかったね、次はどんな演奏が見られるんだろう、というような幕間会話があった)ためにある程度「同じ場所で同じものを見ている」という認識を得やすくて、それがすごく楽しかったという思い出が先にあるせい、というのは多大にあるとは思うんだけれど。セカライにおいての、私たちの見ているものとキャラクターたちの見ているものが明らかに違い、同じ時間を共有していない、キャラクターたちには私たちに見られているという意識こそあってもライブをしているという意識がない、という断絶がさみしく思った。良いとか悪いとかではなくて、さみしいなあ、って話。



・ライブそのものについて。ユニットごとに書こうかな


・レオニ

・パフォーマンスが下手なところがよかった。唯一のバンド演奏ユニットということもあり動きが地味になりがちなのは置いておいて、演奏曲がぱっと決められなかったり、他のユニットが「皆を楽しませる」って方向のMCをしているのに対してレオニだけが「私たちはこれまで頑張ってきた」「あまり演ったことない曲を聴いてほしい」「皆で同じ夢を見続けたい」…みたいにずっと「私」の話をしていて、この子たち(あるいは星乃一歌がそうってだけかもだけど)は今のところ自分のことで手一杯で他人にどう見せようとかにあんまり意識が回ってないんだな、って感じて良かった。レオニのことそういうユニットだと思ってます。等身大で幼くて愛らしい。

・曲単位だと、やっぱりヒバナが最高だった!バンド演奏バッチバチで超かっこいい。イントロのダダダダダダダッダーン!が聴こえた瞬間の圧!左右から上がる火柱!(ヒバナじゃないんかい!)。ストーリーにおいてプロになる覚悟の話をたくさんしてきた彼女たちの口から「私たち、プロを目指して活動してるんです」が聞けたのもエモかったし、ずっと一緒に、ずっとこれまで通り、仲良しのまま、という願望が強い彼女たちの歌う「終わんない愛を愛したくないの」もアツかった。

・ドラマツルギーにおける「ずっと僕は何者にもなれないで」も、たぶん一歌の「ミクはいいな、なんにでもなれて」に掛かってる奴なんだろうし、レオニのセットリストは全体的に覚悟と今後の歩みを予感させるつくりになっていてエモ!!!!って感じでした。

・あとこれ野暮なんだけど、そしてもうどうしようもないとは思うんだけど、レオニの子たちが演奏してるように見える音と耳から聞こえてくる音が違ってウケちゃった。演奏自体はバンドメンバーがしてるのでそれはそうなんだけど…w他のバンド演奏系3DCGライブはどうしてるんだろうwとか思って見てた。


・モモジャン

・番手がレオニの後だったので、君たちやっぱめちゃくちゃパフォーマンスが巧いな!!!!!!!ってなった。こっちを見ているように錯覚させるのが巧い!頻繁に手拍子煽ったり左右どっちもに手振ったりする!好きになっちゃう!!

・アイドルはやっぱりアイドルなので、ステージの上にいるときが一番輝いているというか、正直一番好感度があがった。モモジャンのこと、好きになっちゃうよ…!!!!!(キモボイス)ってなりながら見てました。アイドルすごい。ビバハピのそんなに世間は甘くないんだから!のくだりの「にゃん♡」のとこで桐谷遥がセンターでにゃんポーズしてたのヤバかったです。

・リアル会場ならではの演出として、メルティランドナイトメアのスモーク演出が激アツだった!足元にスモークが炊かれて、それによって彼女たちの足元がふわふわとあいまいによく見えない状態になる、これが実在感にめちゃくちゃ効いていたし、世界観の演出としてもちょ~~~~よかった。3DCGライブはよく見えない方が実在感があがるので、もっとよく見えなくしてほしい。あと、メルティランドナイトメアをアイドルが歌うということがイマイチピンと来てなかったんだけれど、あの場で聞いたメルティランドナイトメアは間違いなくアイドルの曲だった。「あなたはドアを開けたの」のドアはモモジャンの作るセカイへのドアだったし、メルティランドはあの空間そのものだったし、私たちを1000年前から待っていたのはモモジャンの皆だった!って気持ちになれた。魔法みたいだった。アイドルってこわい。



・ビビバス

・かっこよすぎる。あとこはねの歌がうますぎる。

・音ゲーの背景として、ゲーム内でのライブイベントとしてダンスを見ているよりも、ライブの場だとそこでダンスを踊っている感がすごく強くて伝わってくるものが全然ちがった。こんなに小さくて華奢で愛らしい女の子からあの歌声が出てきたらそりゃ驚くわ、と本当に思ったし、よくよく見たら杏ちゃんとこはねはたいして身長差がないように感じてびっくりしたりしてた。杏ちゃんは手足をダイナミックに動かして踊るから身体が大きく見えるし、こはねはずっと内股だから華奢で小さく見えるんだな、みたいな、ふつうに人間のダンスを見ていて思うことと全く同じような感想を抱きながら見ていた。

・バンド演奏アレンジが一番好みだったのがビビバス楽曲全般だった。EDMはバンド演奏にも合うしシンフォニーにも合う。とくにjust be friends→フラジールのつなぎは超鳥肌だったし、フラジール冒頭のあの部分をこの世で一番上手く使っている……!!って思った。というか、フラジールで男ふたりが奈落からせりあがってくるのめちゃくちゃかっこよくなかった???びっくりした。歩いて左右に掃けたり、掃けると同時に別メンバーと入れ替わったり奈落からせりあがってみたり、実在性の表現へのこだわりがアツい。プロセカくんのそういうところが好きです。


・ワンダショ

・パフォーマンスが上手い!!!!!!!!これはめちゃくちゃわがままなんですが、私はいつか君たちの作る「ショー」が見たいです。ライブもいいけど、歌と踊りもいいけど、完成したひとつのショーを見せてほしい。良いものを見ると人間はもっと良いものを見たくなってしまういきものなので、こいつらの演るショーが見てえ……ってワンダショのターン中ずっと思ってました。

・えむがめちゃくちゃちんちくりんでステージ映えしづらいのとか、司と寧々がとってもとってもステージに映えるのとか、類がずっと一歩引いた立ち位置に居るのとかが実感として感じられて面白かった。司と寧々がスターでえむがプロデューサーで類が演出家で、っていう役割とステージで見た彼ら彼女らへの印象がすごく合致していて、エッモ……ってなってた。

・楽曲としてはなんといってもミラクルペイント!!!!この時代にライブでミラクルペイントが見られて本当にうれしかった。スキャットパートを初音ミクに丸投げしてて笑っちゃったので、次回があるなら皆でスキャットしてほしいし、というかあそこはスキャットなんだからもっとドッチャドチャにアドリブ入れてわんだほーいでしっちゃかめっちゃかな感じにしてほしい。


・ニーゴ

・Twitterでも言ったけど、幕張朝10時とかいう鬼畜予定に遅刻しないで起きられててめちゃくちゃえらい。いや、向こうの時間は朝10時じゃないかもしれないしそもそも幕張には来てないと思うんだけど……w

・ゲームしてるときも思ってることだけど、ライブっていう場で見ると本格的に「なんできみたち踊ってるの?????」って疑問が無視できなくて終始ちょっと面白かった。とくに後半、まふゆ奏と瑞希えななんで分かれて歌うのだけど、まふゆ 奏 ニゴミク ってメンバーだと普段以上に「本当になんで踊ってるの??????」って感じで面白かった。ニーゴについては実際に踊ってるとかじゃなくて固有結界みたいなものだと思った方がいいのかもしれない。あの、ラブライブのアニメでよく突然踊りだすアレと同じ感じ。ミュージカル。感情表現。

・えななんがひとりでめちゃくちゃアイドル楽しんでてよかった。「次の曲も楽しんでいってね!」みたいなこと言ってた気がする。はしゃいじゃっててかわいい。瑞希とふたりでのベノム似合いすぎててびっくりした。

・アッパーな曲とダウナーな曲を2曲ずつやったのもバランス取れてていいと思う。ライブ映えはしないかもしれないけれど、あそこでカトラリーが聞けて本当にうれしかった。



・バーチャルシンガー

・「セカイのみんなを見てたら、私たちも歌いたくなっちゃった♪」のひとことで狭間ミクたちと各セカイのミクたちが別個体なことを主張してきてうわっっ!!ってなった。別個体の初音ミクが同時に存在するやつ、ありていに言って性癖。好きです。

・千本桜を6人皆で、踊るというよりパフォーマンスというより自分が楽しむこと優先か!ってくらいのわっちゃわちゃの挙動でやっていて、この人間的な動きやソロ曲である千本桜を6人全員で歌うっていう行動そのものがセカイの皆の真似なんだなあって思うと、ちょ~~~~~良い。良い……ってなる。

・千本桜はこういうわちゃわちゃに合う。下手にマジカルミライや他イベントの文脈を背負っていないところも良い。文脈を背負った曲を演らないことを選んでくれてありがとう……って思った。最後まで、バーチャルシンガーだけのステージにおいてもなお、ちゃんとこのミクたちはプロセカのミクたちだった。


・マジカルミライとこのセカライを比較して批評する向きがあるのでその方向にも触れておくと、私はセカライを浴びながら「しがらみが薄い…!しがらみが薄くて良い…!!」って思っていた。

・言い方はアレなんだけれど、おじさんへの媚びがない。これまでの文脈への媚びがない。若者の方だけを向いていて、若者が楽しめる、そういう選曲だったと思う。


・アレもコレもソレも、やらなくていいんだ!!!!!っていう喜びが私にはあった。こんな曲できちゃうんだ!!!!!!!!!っていう喜びがあった。正直、プロセカのライブとしてよりも、「私にとって最高に理想の選曲が飛んでくるミクライブ」として楽しんでいたフシがある。

・今、従来のミクライブと比べ自由な世界に居るプロセカも、今後自身のしがらみを手にすることになるのかもしれないけれど。そのときは新たなプロセカが生まれていてほしいし、新たなプロセカを産めるくらいプロセカにはがんばってほしいな、みたいなことを思っています。

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