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三途のほとり

それが川なのか、はたまた湖なのか分別がつかなかったが、確かに水辺のほとりだった。

薄い霧がかかっていて水面は灰色のような、緑が混じった茶色のような色だった。

少し前に目をやると、鮮やかな緑色の稲科のような草たちが水辺の手前に生い茂っていた。

それの奥行きは3mなのか5mなのかそれほどの距離があった。


少し待つと死んだばあちゃんが現れた。

それは去年の2月に死んだばあちゃんだった。

死に目には会えず、病院で死に化粧を施したばあちゃんに会えたのが最後だった。

わたしは、現れたばあちゃんに駆け寄り、緑草の上でハグをした。


ばあちゃんは声を出していたのか定かではないが脳内に「さやちゃんありがとう」と聞こえた。


わたしは間髪を容れずに「愛してるよ」と返した。

「もう行かなきゃ」とばあちゃんは言い、緑の先の霧が少し濃くなるところへ向かった。


ここでわたしはやっと「あぁ、これが三途の川か」と納得した。


しかし私に橋は見えなかった。

気がつくとばあちゃんはいなくなっており、次第に夢から目が覚めた。


なぜ今になって夢に出てきたのか。


49日はとっくに過ぎ、特別な日でもなんでもなかったのに。


成仏できない理由があったのか否か。


ばあちゃん、わたしは元気に暮らしているよ。

次女も無事に生まれてもう1歳。


また夢で会おうね。

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Sayaka
サポートしてもらえるんですか?ありがとうございます。おにぎりの具は何が好きですか?あたしはおにぎりあんまり好きじゃないです。