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運命のお話。│DAY45

これは、とてもとても素敵で、奇跡的な運命のお話。

私には、大好きな親友がいた
高校に通っていた頃、中庭で出逢って"だるまさんがころんだ"をして仲良くなった友達。

彼女は、変わった雰囲気を持っていて、頭がいい。
はしゃぎ回る私をいつも暖かい目で見守りつつ、一緒に色んなことを楽しんでくれた。

だけど、昨年の冬
私は、ささいなすれ違いで彼女と音信不通になってしまった。

大好きな友達。きっかけも何てことないようなことなんだけど、「ごめん」の言葉が出なかった。

約束していた博多駅のクリスマスマーケット、浅はかな期待を抱き、待ち合わせ場所で待っていたけれど、彼女は来なかった。

時間が経てば経つほど、溝が深まり、何と声をかけていいのかも分からなくなってしまった。

Twitterのフォローを外したあたりから私は彼女の存在を忘れようとしだした。

だけど、LINEのホーム画面の二人で写った写真だけは変えられなかった。

彼女のホーム画面の同じ写真も変わることはなかった。

変えてしまえば、本当に切れてしまうような気がしたから。

月日がたち、私はこっそり彼女のTwitterのページを見た。何だか楽しそうにやっている…

だけど、雰囲気が変わっているのに気づいた
それに、疲れているようにも見えた

今すぐ会って話を聞いてあげたい。
抱き締めたい。

だけど、連絡をとる勇気が私には出なかった。

それから、飲み会で気分が上がってるときや、寂しくてどうしようもないとき、何度かメッセージを送ろうとしたけれど、打つだけ打って消していた。

そして最近、彼女がラジオ番組のmcを始めたことを知った。
女優志望の彼女の歩みが進みつつあることが嬉しかった。

ラジオ番組のページを見て、感動していた
彼女の名前がそこにあったからだ。

私は、彼女を抱き締めたくなった。
とてもとても会いたくなった。
「がんばったね」なんて軽々しく言えないけれど、彼女の葛藤や努力をそばにいた時も、離れていた時も見ていたから、頑張った彼女を誉め倒したかった。

「ちさとを抱き締めたい。」

LINEの一言にそう書いた。

LINEを送る勇気は出なかったけれど、これが私の精一杯の彼女へのメッセージだった。

そして、今日。

バレエの帰り道、いつものように最寄り駅の改札を通ったその時

彼女はいた。

彼女は私の目の前を歩いて通りすぎた。
はじめて出会った時と同じ、茶色のコートを着ていた。彼女が着ると「とんかつ」に見える、そのコートだった。

私は、追いかけた。
過去を振り払っていくように風をきって走った

そして、彼女を力いっぱい
抱き締めた。

彼女は突然の出来事で驚いていたが、すぐに私だと気付き、抱き締め返してくれた。

二人とも泣いた。静かに泣いた。

私は大切に大切に彼女を抱き締めた。

「会いたかった」

「ごめんね」

言葉はそれだけ。

何も言わなくたって、全部伝わってきた。

その後は、何もなかったかのように、前の二人のように普通に会話した。
相変わらずの彼女が愛しかった。

LINEのホーム画面を変えなかったのは、彼女も同じ気持ちだったらしい。

今年は二人でクリスマスマーケットにいける。

私が、「あれに行こう」といったら
彼女も口を揃えて

「クリスマスマーケット!」と言った。

ずっと心にひっかかっていたものが解き放たれた瞬間だった。

ドラマのような、この出来事
運命としか言いようがない二人の友情。

私は、これからもずっと彼女の命を大切に大切に、愛し続けていきたいと思う。

ずっと私達のことを陰ながら見守ってくれていた存在にも感謝しています。