しおまねき

映画ファン。奈落の底から上を見上げる日々。映画に関するこだわりを捨てるべく、修行中。

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  • 東映やくざ映画感想

    タイトルそのまま。未見の作品が中心です。

  • 2時間サスペンス感想

    印象に残った2時間サスペンス(1時間枠含む)の感想を300~1000字ほどで書いています。

最近の記事

『死を抱く女』(1982年/火曜サスペンス劇場) <2時間サスペンス感想>

監督 村川透 脚本 石松愛弘 原作 樹下太郎 出演 酒井和歌子、村野武範、結城しのぶ、左とん平  貧しさから抜け出すため、金持ちの上司、浜田と結婚した絢子。しかし、浜田は結婚初夜に旅館の窓から転落して死亡。一夜にして未亡人となった絢子は浜田家の財産を狙って家に残るが、一年後、浜田の死が殺人だったことを知る。  本作はラストシーンのためにある! といっても過言ではない作品。とはいえ、別にどんでん返しがあるわけではなく、殺人は起こっても犯人はすぐに名乗り出てくるので、ミステリ

    • 『私はみだらな女』(1984年/月曜ワイド劇場) <2時間サスペンス感想>

      華道家元スキャンダル事件 女性記者が見た秘密(サブタイトル) 監督 貞永方久 原案 勝目梓 脚本 吉田剛 出演 酒井和歌子、近藤正臣、鰐淵晴子、磯部勉  結婚生活と仕事の両立に悩む新聞記者の昌子はバーで出会った男と一夜を共にし、お互いの素性を明かさぬまま関係を重ねていく。  そんななか、華道、花仙院流の一等師範が自殺する事件が発生。取材を担当する昌子は男と花仙院流との間に秘密が隠されていることを知る。  エロい。タイトルがタイトルだけに予想はしていたが、予想以上であった。

      • 東映やくざ映画感想 『やくざの歌』(1963年)

        監督 若林幹 脚本 池田雄一 出演 千葉真一、本間千代子、北島三郎、村田英雄  東映やくざ映画の幕開けとなった『人生劇場 飛車角』と同年に公開された作品。  主演は千葉真一だが、準主役の北島三郎、特別出演の村田英雄はその後の『兄弟仁義』シリーズを思わせるキャスティング。  劇中でもサブちゃんと呼ばれる北島三郎はまだデビュー2年目だが、それを感じさせないほどに流しの演歌歌手役を愛嬌たっぷりに演じ、村田英雄は着流しの侠客役で睨みを利かせている。本作と『兄弟仁義』、関係があるのか

        • 『諦めない男』(1990年/結城昌治サスペンス) <サスペンスドラマ感想>

          監督 山根成之 脚本 相葉芳久 原作 結城昌治 出演 川上麻衣子、内藤剛志、安藤一夫、石橋蓮司  バブルを満喫しまくっているOLの陽子(23)は妻子ある上司と不倫中。同時にストーカー気質の同僚ふたりにも惚れられ、彼らの行動は次第にエスカレートしていく。  バブルという時代性と1時間枠らしい皮肉なラストが効いている作品。  まず目を引くのはヒロインの私生活。アフター5(死語)には水泳、ゴルフの練習、ディスコをたしなみ、花金(死語。花の金曜日の略)にはシャレオツなダーツバーで

        『死を抱く女』(1982年/火曜サスペンス劇場) <2時間サスペンス感想>

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        • 東映やくざ映画感想
          1本
        • 2時間サスペンス感想
          5本

        記事

          2時間サスペンス感想 『森村誠一の侵略夫人 隣りの団地妻を覗いたら…』(1984年/土曜ワイド劇場)

          監督 富本荘吉 脚本 北原優子 原作 森村誠一 出演 泉ピン子、結城しのぶ、伊藤孝雄、なべおさみ <あらすじ> マンモス団地に住む主婦がヒドい目に遭いまくる。  これは怖いドラマ。強姦魔のセールスマンに殺人事件など、怖いことしか起こらない。  そのなかでもメインとなるのは、泉ピン子がヒロインの生活に土足で踏込み、傍若無人に振る舞うホーム・インベージョン展開。これがターミネーターばりのしつこさで、ピン子が訪ねてくるたびに「ヒィッ!」と悲鳴を上げそうになる。  一方、本来は同

          2時間サスペンス感想 『森村誠一の侵略夫人 隣りの団地妻を覗いたら…』(1984年/土曜ワイド劇場)

          2時間サスペンス感想 『鮮やかな完全犯罪 女相続人』(1979年/土曜ワイド劇場)

          監督 井上梅次 脚本 吉田剛、広瀬襄 原作 南條範夫 出演 岡田茉莉子、小沢栄太郎、夏純子、村井国夫  末期ガンにより余命数ヶ月となった大会社の社長。その資産をめぐり、関係者全員による相続バトルが勃発。社長の秘書、やす子はその渦中に飲み込まれていく。  登場人物、全員クズ。そんなクズどもが様々な策謀を巡らせ、足を引っ張り合うドロドロのサバイバルが楽しい。  監督の井上梅次は日本映画の黄金期から娯楽映画ひとすじの大ベテラン。2時間サスペンスの世界では、天知茂が明智小五郎を演

          2時間サスペンス感想 『鮮やかな完全犯罪 女相続人』(1979年/土曜ワイド劇場)

          奈落の底から映画評#1 『エクスペンダブルズ ニューブラッド』(2023年/アメリカ)

          Expend4bles 監督 スコット・ウォー 出演 ジェイソン・ステイサム、ドルフ・ラングレン、シルヴェスター・スタローン、アンディ・ガルシア  端的に言って最高。ひたすらドンパチ、ドツキ合い。カーチェイスまである充実ぶり。100分ほどあるランタイム中、ほとんどが戦闘に費やされ、それ以外なーんにもない。  特にナイフアクションのこだわりが凄くて、格闘要員のトニー・ジャーにまでククリナイフとか使わせてる。こいつにナイフいらんだろ。  ベストバウトはクライマックスのジェイソ

          奈落の底から映画評#1 『エクスペンダブルズ ニューブラッド』(2023年/アメリカ)