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今日の安全意識を高めるヒント: 「危ないところを探す」と「危険源を見つける」の違いを理解しよう

 職場の安全を守るために、「危ないところを探す」ことと「危険源を見つける」ことは大きな役割を持っています。しかし、両者には重要な違いがあり、その違いを理解することで、より効果的な安全管理が実現します。

危ないところ?危険源?

1. 危ないところを探す

「危ないところを探す」という行為は、経験や個人の感性に依存することが多く、たとえば「ここは危ない」と感じるかどうかは、経験や知識、危険に対する感受性に左右されます。

これは現場で働く各作業者によって認識がバラバラになりやすく、同じ場所や状況でも「危ない」と思う人と「問題ない」と感じる人がいるかもしれません。

具体例:

  • 作業場内での転倒リスクのある場所に気付く。

  • 高所作業での安全装備が不十分だと感じる場合。

2. 危険源を見つける

一方、「危険源を見つける」というのは、ISOやJISなどの国際基準にも規定され、危険源リストを用いて現場の特定要因をチェックする明確な手法です。これは、感覚や経験に依存するのではなく、システム的にリストに基づいてリスクを評価し、確認するプロセスです。

危険源には普段はカバーで隠れていて通常の生産工程では安全な状態であっても、ベルト交換や点検作業・故障対応時・保守作業時に適切な対策(ロックアウト・タグアウト等)を行っていなければ突然作業者に牙をむく事態もあり得ます。

自職場の特性を加味した「危険源リスト」を独自に作成し、職場で生じるすべての工程に対して、危険源が「有るか?」「無いか?」システム的に漏れなく抽出してください。

危険源

具体例:

  • 回転している部分: 機械の開口部や回転するパーツの露出を確認。

  • 高さのエネルギー: 例えば、作業台や荷物置き場などの高い場所から落下の危険がある箇所を把握。

  • 変動する隙間: 機械の隙間が開閉することで挟まれるリスクが生じる部分を特定。

安全管理への活用

安全対策では、「危ないところを探す」という個人の感覚を補完する形で、「危険源を見つける」という標準化された方法を使うことが推奨されます。

これにより、リスクが客観的に特定され、誰が見ても同じ評価が得られるため、組織として一貫した安全対策が可能になります。

また、危険源リストは、定期的な安全点検やリスクアセスメントにおいても役立ち、対策の漏れを防ぐことができます。

今日のポイント

  • 危ないところを探す: 個々の経験や感覚に基づくアプローチで、気付きのきっかけを得やすい反面、個人差が生じやすい。

  • 危険源を見つける: ISOやJISなどの基準に従い、危険源リストを活用してシステム的・客観的にリスクを特定できる。

  • 両者を併用し、危険の見逃しを防ぎながら、職場全体で一貫した安全対策を進めましょう。

今日も、リスクを確実に管理し、職場の安全意識を高めるためにこの2つのアプローチを活用していきましょう!

                  2024.10.30


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