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ちいかわ(地域の変わり者)

現在私はフィットネスジムでアルバイトをしており、閉店後のお客様がいない時間帯なんかに自分の筋トレをさせてもらうことが多いんですが、真夜中の孤独な環境での筋トレって快適ではあるんですけど同時に少し寂しくもあります。
友達なんかと一緒にやってたら
「挙げろ挙げろ!!」
「死んでも挙げろ!!」

なんて喝を貰ったりとモチベーションを保ちやすいんですが、1人だとどうしてもダラけちゃう。

そこで私はある決断を下します……
ジムのスピーカーから野獣先輩の喘ぎ声を流すことにしたのです。

「イキスギィ!イクイクイクイク…ンアッー‼︎‼︎」

スポーツ科学において「シャウト効果」と呼ばれる理論があり、簡単にいうと大きな声を出すことで筋出力が上がる現象のことをいいます。

バーベルを挙上するという特異的な動作であまりに大きな声を出してしまうと、体内の空気圧が下がり挙上に対してマイナスの影響もあるため、自身では叫ばず代わりに野獣先輩に叫んでもらうことで同様の効果を引き出そうと考えたのです。

友達とやっているようなモチベーションも保てて、シャウト効果も得られる。この
〜野獣シャウト式トレーニング〜
で僕のトレーニング強度は格段に上がりました。集中力も持続するし何より「めっちゃ追い込んでる感」が凄い。オォン!アォン!
ですがある日悲劇が起こります……

バイト終わりのこともあり少し眠気を感じていた僕はジムの前に設置されている自動販売機でエナジードリンクを購入しようと外に出たのです。すると……

「うわ!wwwでたでたwwやばいwww」
高校生か大学生くらいの若者集団がそう叫びながら一斉に逃げていったのです。
その瞬間、全てを理解しました。

野獣先輩の喘ぎ声が外に漏れていたんだと。
それも深夜の静まり返った街に、爆音で
「イキスギィ!イクイクイクイク…ンアッー‼︎‼︎」
「オォン!アォン‼︎‼︎‼︎」
「アイスティーしかなかったんだけどいいかな……?」
もし訴えられたら普通に負けるレベルの異常音声を響き渡らせてしまっていたわけです。

その瞬間自分が「地域の変わり者」であるということに気がつき、その恥ずかしさから筋トレ中に流す音楽をクラシック音楽に変えました。これなら多少音楽が外に漏れたとて恥ずかしく無い。

地域の変わり者、略してちいかわということですナ………

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