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【SS】穴の中の君に贈る2 #毎週ショートショートnote
12/04-12/10 お題 穴の中の君に贈る 410文字
「あいつは、暗闇が一番怖いって言っていたな。穴の中に落としてその恐怖体験で私の大切さを解ってもらおう」
男はいつも理不尽な態度の女に復讐したかった。男は別荘の物置小屋の中の片隅に穴を掘っていた。怪我でもされては困るので、深さは3メートルほど。底にはクッションも敷いた。物置小屋は窓がないから昼間でも真っ暗だ。
「ここにあいつを落として穴の中で反省する時間を贈ってやろう」
男は睡眠薬で眠らせた女を穴の中にそっと落とし、助けを乞うのを待った。
しばらくして女は目を覚ました。
「いやー、真っ暗。私は暗闇が嫌いなの。だって真っ暗なところにいるとコウモリになっちゃうのよ。あの男の仕業ね」
女はコウモリに姿を変え、穴の中から飛んで去っていってしまった。
そうとは知らない男は、ライトを持ってそろそろ反省した頃だろうと思い穴を覗き込んだ。
クッションに書いた文字が見えた。
「永遠にさようなら。いじめる男は嫌い」
男は愛までも失くした。
410文字
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『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』
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