つみのかじつは夢をみせる【編集版①】まえがき

 上記の記事をnoteに掲載して早2ヵ月。この超大作、提出した先以外の人に読まれないのは余りにも勿体ないくらい会心の出来だと我ながら思ってしまったので、この場を使って掲載することにした。

 テーマ:椎名林檎、文体:エッセイ、総文字数:大体40000字。

 うん、こうしてみるとなかなかの大物。しかも最初に断わっておくが個人の独断と偏見が物凄い。先生読むの大変だったろうな。私は書きながら「イカゲーム」を観て(ああ…だるまさんがころんだしているだけなのに…)などと思っていたし「たりないふたり」を観て夜中に大笑いしていたし「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観て泣いたりしていたので「苦」も「痛」も無かった。そもそも好きな人の好きな曲についてただただ書き散らしていただけなのでしんどいも何も無いのだが。

 と、いうことで今日から少しずつ。暫くの間お付き合いくださいませ。今月の読書記録は来月まとめて書くぞ(強い決意)。

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『つみのかじつは夢をみせる』【編集版①】まえがき

 2003年の11月25日、椎名林檎の誕生日に「りんごのうた」がリリースされた。東京事変デビュー前の、最後のシングルリリースである。インターネットで「りんご」と検索すると、真っ赤で美味しそうな果実の写真が目に入る。それ以外にもこの言葉を聴くと思い浮かべるのが「ニュートン」「万有引力」、それから「アダムとイヴ」、であろうか。りんごは「禁断の果実」とも言われているのは有名な話である。そんな果実でありかつ自分の活動名であるりんごをタイトルにしたのが「りんごのうた」なのだ。タイトルの〈つみのかじつ〉は歌詞に、〈おいしくできたみから まいとしおとどけします めしませ つみのかじつ〉とあるのでそこから拝借した。私は毎日、〈つみのかじつ〉に夢を見ている。
 私は好きなことをとことん調べ尽くすのが趣味みたいなところがある。そして私は椎名林檎が大好きだ。いや、彼女のことをこの上なく愛している。彼女がつくるメロディーや紡ぐ言葉、仕事への真摯な姿勢に、私は中学3年生のある日の朝魅了された。
 椎名林檎の曲は、人生に寄り添ってくれる。「丸ノ内サディスティック」「本能」「茎」「流行」「カーネーション」「目抜き通り」など、悲しい日も嬉しい日も、彼女の様々な楽曲がサウンドトラックとしてそこに色を付けてくれるのだ。彼女の音楽で彩られた毎日はとても豊かだ。
 私はここで、彼女の楽曲を聴いて感じたことや考えたこと、救ってもらったことなどを綴った。改めて楽曲に向き合っていく中で感情移入しすぎて三日くらいかけて書いたやつもあれば、楽しくて短時間で書き上げたものもある。
 今回自分の一部となっている楽曲に改めて向き合うために雑誌や本に掲載された過去のインタビュー記事やテレビ番組でのインタビュー、実演の映像などを改めてじっくり見返していて、彼女は感情や時代、空気を言葉やメロディーに反映するのが物凄く上手いということに気が付いた。ソロ作品では特に『三文ゴシップ』以降、そして深く言及はしていないけれど、彼女がボーカルを務めるバンド・東京事変の楽曲も、「今こういうの聴きたかった!」という楽曲がタイミングよく我々リスナーに届けてくれるのだ。それを踏まえたうえで、自分の愛をこうして形に残せるのはこんなに素晴らしいことなのかと思った。感じた愛や尊敬だけは忘れずに取り組んだ。私なりに彼女の楽曲の魅力は伝えられたと思うので、それぞれの楽曲を聴きながら、できれば歌詞カードも見ながら、読んでいただきたい。

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次回は「正しい街」がテーマ。だったと思う。目標、毎日更新。

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おじゃまたくし
知識をつけたり心を豊かにするために使います。家族に美味しいもの買って帰省するためにも使います。