マッチングアプリ日記①
マッチングアプリを始めた。私は元来今さえハッピーならそれで良くて、好きなものに囲まれた現状で十分だと思っていたからこの手の類のことの特段興味があったわけではない。けれど、前の配属先で仲良くしてくれてた先輩とGWに呑みに行った時、恋愛話で盛り上がったのか、それとも私が半年くらい前まで好きだった男が実はとんでもない奴で、そいつに対しての愚痴やら悪態やらが留まることを知らず、二人で「こういう男ほんと何なのと盛り上がったからなのか、ともかく経緯は忘れてしまったけれど、その日3軒目の居酒屋で「これが一番治安良いよ」と薦められて登録した。完全なる「酔った勢い」というやつである。夏目漱石の『坊っちゃん』もびっくりの無鉄砲さを時々発揮することは薄々感じていたけれど、人生25年目、「最大の無鉄砲」だなと、今更ながらに思う。
ちなみにマッチングアプリを始めたことは、普段よく遊ぶ人たちには今この時点では話していない。別界隈のSNSのフォロワーと、5年ぶりに会った友人にのみ伝えているので、これを投稿した時にタイトルくらいはTLで目に入るだろうからそこで報せることになる。隠すつもりはなかったのだけれど、私が前に好きだった男のことを知っている(会ってはいない)人たちなので、何となく気が引けた。いつもありがとう。
話をマッチングアプリに戻そう。最初これを薦めてきた先輩は「マジで魑魅魍魎が巣食っている」みたいなことを言っていて、これから始めようとしている人間にこの人は何を言っているんだろう、ほんと大好き、なんて思っていた。で、蓋を開けたら確かに、魑魅魍魎とまではいかないけれどなかなかに「面白い」男たちが揃っていた。
最初にマッチングした男は、たしか漁師とかそういう類の職に就いている人だった気がする。私が本人確認に手間取って、いいねをされてメッセージが来てから返信できたのが翌日の昼頃になってしまった。(これは問題ないらしい。先輩談。)そこから2,3日ほど当たり障りのないやりとりをしているなかで、顔写真が見たいとメッセージが来た。私は己の顔を撮るなんて習慣を持ち合わせていない。この時はたまたまライブに行ったあとで、ライブに行く前に撮っている服装を収める目的の全身写真があったからそれを送った。 しかしその後、それまでコンスタントに返信が来ていたのに音沙汰がなくなったのでアプリを覗いてみたら、トーク画面から相手が消えていた。恐らく顔が好みではなかったのでブロックされた模様。私だって自分の容姿に自信なんかない。写真送らせてブロックなんて失礼がすぎる。この件を例の先輩に報告した時に「私が一番かわいいのに」みたいなスタンプを添えた。勿論ふざけてである。初めてだからそんなもん、とさして気にしていないのが本音である。
2番目か3番目にマッチングした同い年の男とは1か月くらいやり取りしたあとに相手がトーク画面から消えていた。此方もブロックされたのだと思うが、理由が思い当たらず全くの謎である。「これはあの少年名探偵でさえも解決できないな」と、某バンドの曲の詞と酷似した文を思い浮かべてしまった。当然すぐにかき消した。
その後も現在に至るまで着々とマッチングしていき、今トーク画面には30人くらいの男たちが並んでいる。大半は途中で返信が来なくなったり、マッチしたのに、というか相手からいいね来て返したのに、一文字も音沙汰がなかった人たちなので、実際やり取りが続いているのは4人のみである。
人生初のマッチングアプリ、まあまあな滑り出しなので、パートナーができるまでは続けてみよう、ついでにその様子を時々投稿してみようと思う。