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23/3/22 リサイタル・パッシオ スペシャル公開収録鑑賞ルポ 青のオーケストラ放送記念

当たった!

およそ抽選に応募して当たったためしがない自分が,たまたま公開収録の募集を見かけて申し込んでみたら,なんと当選してしまいました。

2023年3月22日(水)18時50分開演。場所はNHKホール。
到着してから「紅白の会場だ!」と気づき,ちょっとミーハー気分。
テレビで見ていますが,実際本当に広い会場でした。

平日の夜ですからさすがに満席ではなく,当選したのもむべなるかな,と思いましたが…

当選した席がなんと前から3列目!
しかもかなり真ん中寄り!!

今までチケットを買ってきたいろんなコンサートでも,こんないい席に当たったことはありません。

びっくりです。

おかげでステージに立つ司会者や演奏者の表情がはっきり見えて,より楽しむことができたと思うので,鑑賞ルポを書くことにしました。

パンフ表紙

演奏者


今回は
23年4月からNHKで放送予定のアニメ「青のオーケストラ」で,
主要キャラクターの演奏を担当する3人のヴァイオリニストたちが演奏者。
お三方とも寡聞にして存じ上げなかったのですが,とても魅力的な方々でした。

一人目は主役,青野 一(あおの はじめ)役,
東 亮汰(ひがし りょうた)さん。
桐朋の大学院生で反田恭平さんのオケにも参加されているとか。
とても若くて,クールな方かなと思いきや演奏中はすごーく表情豊かで,気持ちが伝わってくるかのようでした。

青野のライバル,佐伯 直(さえき なお)役,
尾張 拓登(おわり たくと)さん。
演奏者として中堅どころと言った感じでしょうか。とても安定した演奏ぶりでした。

お二人とも幼いころからコンクール三昧だったということで,そのあたりも「青のオーケストラ」のキャラクターたちと被るようでした。

そして ヒロイン,になるのでしょうか,秋音 律子(あきね りつこ)役,
山田 友里恵(やまだ ゆりえ)さん。
ちょっと緊張していたのか,打ち合わせていたセリフが出てこなくて,「もう一回お願いします」と言う場面もあり,華やかでかわいらしい方でした。

さらに伴奏者としてピアニストの高木 竜馬(たかぎ りょうま)さん。
司会はピアニストの金子 三勇士(かねこ みゅうじ)さん。

ピアニストのお二人も,演奏をお聴きするのは初めて。特に金子 三勇士さんはお名前がとても印象的で以前から興味津々でしたが,とても穏やかで温かいお話しぶりでした。

初の公開収録


公開録画には行ったことがありますが,今回はラジオ放送の公開録音なので,音のみの収録です。2週分の放送を1回で録るということで,休憩をはさんだ2時間ほどの予定。

まずは拍手から,とスタッフの方のハンドサインに合わせて2回ほど拍手をするところから始まりました。
そして本番前に金子さん,東さん,尾張さんでプレトーク。

本番前にいつもやるルーティーンはありますか?という質問に

東さんは,体を動かしてあえて心拍数を上げる,と。逆に緊張が抑えられるようです。あがり症の私にはとっても参考に。今度やってみよう。

尾張さんの方は,
「考えてみたのですが何もでありませんでした…」と言って笑いを取ってました。

そんなトークですこし場がほぐれたところで,収録開始。

プログラム


 まずは前半第1部 4月9日放送予定のプログラム


1曲目
エルガー 愛のあいさつ
演奏は東 亮汰さん。&高木 竜馬さん。

説明の要らない名曲,ですね。ピアノでも弾きますが,ロマンティックなメロディはやはりヴァイオリンにはかなわないかも,と思わせる繊細で美しい音色で,オープニングにぴったりでした。

2曲目
クライスラー 前奏曲とアレグロ
演奏は尾張 拓登さん。&高木 竜馬さん。
コンクール三昧だったという尾張さんが,小学生の時から弾いているとても好きな曲だそうです。

3曲目
ヴィヴァルディ 「四季」から「春」
演奏は東 亮汰さんと尾張 拓登さん。&高木 竜馬さん。
アニメの作中では,尾張さん演じる佐伯 直が 東さん演じる青野 一を挑発?するように演奏するシーンもあるとか。

今回は,第1楽章を東さん,第3楽章を尾張さんがメインで演奏してくれました。2台のバイオリンの息の合った,そして今の時期にぴったりの「春」でした。

 休憩 


20分の休憩,ということで外に出てスマホの電源を入れてみたらなんとすでに20時前。これから休憩して21時に終わるのか?いや終わらないよね,と電車で帰らなければならない私たちー特に連れは家がかなり遠いのでー終電に間に合うか?という心配が出てきました。

放送されるラジオ番組自体は30分ほどなのですが,プレトークや演奏準備,途中でそれこそもう一度質問から,とやりなおしたりとかして,結構時間がかかりますよね。むしろ1時間で済んでいることがすごいかも。

どうしよう,最後のプログラムは聴かないで退出しようか?と言っても演奏中はモバイルは電源オフだし,会場内の時計も消えているのです。腕時計をしなくなって久しいですが,こういう時はやはり必要かも…と思いました。

しかたない,終わったら走ろう,ということで急いで会場に戻ります。
休憩時間中になんと金子 三勇士さんによる撮影可の特別演奏があるというのです。

曲目は
バルトークのミクロコスモス151番。
リサイタル・パッシオの新しいテーマ曲ということで,お母さまがハンガリーの方である金子さんにちなんだ選曲だそうです。

ぜひタグ付けして拡散してください!というスタッフの方に言われましたので,しっかり録画しました。


 後半第2部,4月16日放送予定のプログラム


第1曲
フランクの「バイオリン・ソナタイ長調」より第4楽章。
演奏は東 亮汰さん。&高木 竜馬さん。

バイオリニストの方たちはこの曲ほんとにお好きですよね…。クラシック倶楽部でもしょっちゅう聴きます。以前友人のコンサートで,伴奏者の譜めくりをしたことが思い出されました。
東さんもとても好きな曲だとか。
ピアノもかなり技術が必要ということで美しくも激しい演奏でした。

第2曲
再びクライスラーで「美しいロスマリン」と「中国の太鼓」。
演奏はここではじめて山田 友里恵さん。&高木 竜馬さん。

山田さん演じる秋音はヴァイオリン初心者ということで,アニメの収録ではわざと下手に演奏しなければならず,とても難しかったという話をしてくださいました。

今回は,演奏する姿も参考に作画がなされたそうです。それで姿勢から初心者を表現したということで再現してくださったのですが,通常地面と平行に持つヴァイオリンがだんだん下がってくること,弓を持つ手も斜め,弓を弦に当てる角度も斜め,と,など「すべてが斜め」なのが初心者だそうです。

私も幼いころ一時ヴァイオリンを習っていたことがありましたが,首と肩だけでヴァイオリンを支えるの,難しいんですよねぇ…。とっても痛くって。

結局ピアノを選んだのですが,ヴァイオリン,というかヴァイオリニストは今でも憧れです。

クライスラーもヴァイオリニストにとってはとても大事な作曲家とのこと。素敵な作品がたくさんありますよね。「中国の太鼓」は渡辺茂夫さん,という神童と謳われた方の演奏が好きで,よく聴いていたのを思い出しました。

ひとつ気になったのは。

山田さんはNHK交響楽団などでも演奏されるそうで,もちろん実力は十分だと思いますが,NHKホールが広いからなのか,音量,というか響きが弱いように感じ,後ろの方とか2階席ではどれくらい聴こえるものなのか,ちょっと心配になりました。

3人とも,自分一人の演奏を一度にこんなにたくさんの人に聴いてもらうことはあまりない,というようなお話をされていたので,ヴァイオリン一人だと,あの広いホールに響かせるのは結構大変なのかもしれません。

ピアノはその点やっぱり音量がたっぷり,ヴァイオリンとのバランスをとっていたと思いますがまだまだ余力がある感じでした。

さて,最後の曲は
パッヘルベルのカノン。
オープニング同様,いわずと知れた名曲です。
今回はヴァイオリン奏者3人と金子さんの伴奏で。

やはりカノンは美しいですね。「青のオーケストラ」でも大事な役割を果たす曲のようです。今から楽しみ。


無事に収録を終えて


ホールを出て電源を入れると,21時34分。予想通り後半も1時間かかりました。22時前の電車に乗りたい!と駅まで人ごみをぬいながら小走りに。普段田舎で暮らしているので,この時間でも人が溢れているのが新鮮でした。

二人ともなんとか電車に乗れて,日はまたいでしまいましたが無事自宅に到着。
思えばコロナ前以来,初めてのコンサートでした。
改めて,生演奏の力を感じ,自分もまた頑張ろう,と思わせてくれる爽やかな夜でした。


リサイタル・パッシオ新テーマ


最後に,拡散してください!と言われた金子さんの演奏を。
バルトークのミクロコスモス151番。です。


おまけ


来場者用パンフ入れは青のオーケストラクリアファイル。
どんなお話なのか,楽しみです。











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