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ワクチン接種の「抜け駆け」感ニュースに思うこと

感じざるを得ない「悪意」

最近、どのニュース媒体でも、「○○市の職員が接種」という見出しで事実を記事化しているのを目にします。

全ての記事に目を通しているわけではないのですが、どの記事にも「自治体職員だけ優先して接種してずるい」という国民感情を煽る趣旨を感じます。

他方で、とある朝ニュースで、「首長が優先してワクチンを接種することをどう思うか?」という視聴者アンケートを取ったところ、好意的な視聴者が、否定的な視聴者の割合を上回りました。

テレビ局にとっては意外だったようですが、(行政機能を多少なりとも理解している)社会人であれば、それが一般的な感覚だと思っています。

そもそもネタにすること自体がおかしい

現在、感染者の直接的な対応は医療関係者が行なっています。
彼らが接種すること自体疑問に思う方はいないでしょう。

しかし、一般の自治体職員も、コロナ感染者の管理業務に携わっています。ホテル療養所の管理などは、保健福祉の技術者だけでなく、一般の事務職員も駆り出されているところですし、飲食店への補助金業務なども同様です。

重要性では、医療従事者とほぼ変わらない仕事をしているのです。

さらに、自治体の組織構造として、首長は替が効かない存在です。

なぜなら、地方自治体の住民から直接選挙で選ばれた、地方公共団体を管轄・代表する権限を持つ存在であり、地方自治運営の基礎である議会運営にも必要な存在だからです。(地方自治法に根拠があります)

機能的に言えば、地方にとっては、国の総理大臣が先に打つのとなんら変わりありません。

にも関わらず、その事実をあたかも悪であるかのように、面白おかしく取り上げるマスコミには、個人的には疑問を抱かざるを得ません。

記事の向こう側には誰がいるのか?

では、ニュース記事は誰に向けて書かれているのでしょうか。
これは、主に新聞やテレビニュースの視聴者のメインとなっている「高齢者」、まさに利害関係がある人達です。

なぜ、高齢者が怒りを覚えるような記事を書くのか?
それは、彼らが、選挙のメイン層ともなっており、まさに社会を動かす存在であるからです。

マスコミも民間企業なので、少しでも彼らが食いつく記事を作り、売り上げを高めたいと言う気持ちはわかります。

しかし、この未曾有の公衆災害の最中に、現場を混乱させるやり口は、公共情報の伝達者としていかがなものかと思います。

(こういう記事に触発されて、行政にクレーム電話をかけてくる方々が一定層いますが、その対応にも税金はかかっているのです)

行政の力不足も否めない点はある

ただ、正直なところ、地方行政の対応力の限界も見えてきているところです。

ワクチン数に限りがある以上は、
1 どういった基準で配布を行うのか
2 職員がなぜ優先接種するのか
しっかり説明責任を果たす必要はあると思いますし、
3 配布・接種のシステムをしっかり構築する必要もあると思います。

行政のDX化が話題となっていますが、こういう場面でいかにデジタルを「システム」として利用できるか、が今後課題となってくると思っています。

ただ1つわかったこと

この最近の報道を見て、日本という国は、
「60歳を超えた高齢者中心の社会となっている」ことを確信しました。

情報を統制しているマスコミも、生き残る(お金を稼ぐ)には、高齢者の注目をひく内容にせざるを得ないと言うことなのでしょう。

そして、この傾向は、平均寿命が長くなっていることや、少子高齢化が改善する見込みがないことを考えても、私が生きている間は少なくともずっと、続いていくものだと思います。

(過去の新聞を読んだことないのでわかりませんが、昔からこうだったのかもしれませんが)

これによって、割りを食うのは若年層です。

60歳以降の、いわゆる「生産年齢」ではない世代に、将来の方針もマスコミも支配されている国、地方は、これからどんな未来を迎えるのか。

20年後、40年後が楽しみであり、怖くもあります。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

                       いなかもん
                      (ひとりシンクタンク)




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