いなかもん

とある自治体の中の人です。日頃思ったことを書き残しておきます。

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最近の記事

行政にテレワークは浸透するか

民間ではもはや当たり前となっている?と思いきや、 実はそれほど浸透していないテレワーク。 行政でも、出勤者を減らすように上からお達しが出ていることから、 少しずつ導入が進んでいます。 果たして、行政でもテレワークができるのか?について、 私見を述べようと思います。 仕事の内容による、と言い切れるか?これは民間でも同じだと思います。 特に、PCを使った事務関係については、 PCさえあれば、どこでも作業ができるのに違いはありません。 これはどの部署でも同じです。 現場が多

    • ワクチン接種の「抜け駆け」感ニュースに思うこと

      感じざるを得ない「悪意」最近、どのニュース媒体でも、「○○市の職員が接種」という見出しで事実を記事化しているのを目にします。 全ての記事に目を通しているわけではないのですが、どの記事にも「自治体職員だけ優先して接種してずるい」という国民感情を煽る趣旨を感じます。 他方で、とある朝ニュースで、「首長が優先してワクチンを接種することをどう思うか?」という視聴者アンケートを取ったところ、好意的な視聴者が、否定的な視聴者の割合を上回りました。 テレビ局にとっては意外だったようで

      • コロナ禍で見えてきた行政の対応力

        現在の行政の現状ニュースでよく報道されていますが、 我々の職場でも、コロナの感染者がポツポツ発生しています。 しかし、働き方を変えようという意識はまだ浸透していません。 相変わらず、通常通り出勤し、通常通り仕事をしています。 上の方々の危機感は、ほとんど感じられず、 「テレワーク対応している=(コロナ対応で忙しい部署もあるのに)忙しくない」という謎のレッテルが貼られる現象が起きています。 果たしてこのままで無事乗り切れるか?確かに、日常生活の中で、劇的に感染者が増加しな

        • 「人を育てる」意識がある自治体は生き残る

          私の周りには、海外や民間企業、その他機関に出向した上司が多々います。(たまたまですが) そういった方々は、そうでない方々よりも価値観の幅が広く、議論ができ、自分の頭で考え、合理的な判断ができる方が多いです。 言い換えると、そうでない方々は、上司・部下ガチャで言えば、「ハズレ」予備軍です。(私も含めて) さらに、その割合が全体の9割以上という事実が、状況をより深刻にしています。 人材育成できない自治体に未来はない?自治体によっては、人材育成に力を入れて、外部出向や人材交

          自治体deブロックチェーン

          現在、仮想通貨で注目されている技術、ブロックチェーン。この技術は、今後の自治体運営に多大な影響を与えると思われます。 ブロックチェーンとは?その多大な影響を与える分野について語る前に、まずブロックチェーンとは何ぞや?について、簡単に説明すると よく言われるのは、「分散型台帳」です。これだけでもある程度イメージがつくのではないでしょうか。1つの取引の記録を、複数の台帳で管理できるシステムです。 AさんとBさんとCさんが、XーYの取引を、それぞれ記録するというイメージですね

          自治体deブロックチェーン

          コロナから1年半で学んだこと

           コロナが日本に上陸して1年以上が経過しましたが、結局感染者の波はおさまリませんでした。この事実から学んだことを書き記します。 1 物理的に人の移動を抑えない限り、収束はしない。 台湾やシンガポール、ベトナムなど抑え込みに成功している都市は、何故抑え込みに成功しているのか?  それは、「物理的に人の移動を禁じ」(リスク回避)、「感染者の追跡を徹底した」(リスク対応)からです。  特に、シンガポールは、2020年の4月に、ASEANの中でも最も人口に対する感染者率が高くな

          コロナから1年半で学んだこと

          「守り」のプロフェッショナルの弊害

          地方公務員は、基本的には「攻め」の職業ではありません。 社会のインフラ、保健福祉、環境を守るための仕事です。 これらは、人間が営利目的を持って活動した場合、対応が後回しになるものです。そのため、皆さんから税金をもらって、一定の安心安全安定を保てるように、仕事をするのが公務員です。 教育職も、人が一定の教養を持てるよう、指導する仕事です。逆に言えば、子供たちが社会に振り落とされないように一定の知識を与えるための職業であり、悪意ある人間に食い物にされないようにする仕事です。

          「守り」のプロフェッショナルの弊害

          「防災」から「サバイバル」への転換戦略

          地域のブランディングに関わるお話をします。 東日本大震災から、10年が経ちました。 当事者でない私がどんな言葉にしても、軽い言葉になってしまいますので深くは語りませんが、私にとっては、何が起こるかわからない世界で生きていることを実感する出来事でした。 そして、日頃の何気ない一瞬を大切に感じることができるようになったきっかけともなっています。 今被災地では被害を忘れないように、ということで、自治体が先頭に立って色々な遺構を残したり、民間企業が語り部などのツアーを実施して

          「防災」から「サバイバル」への転換戦略

          公務員の人生設計

          皆さんの予想通りだと思いますが、基本的に公務員になる人は、公務員のまま60歳まで勤め上げます。 データによると、、、一般行政職だと0.8%とのこと。 1000人いたら8人しか辞めない、というのは相当の離職率の低さですね。 そして、個人的な肌感覚となりますが、 特に以下2つの条件を満たす方は、その割合がより高くなります。 1 公務員同士で結婚している場合 2 都市圏ではなく、地方都市に居住している場合 1について 結婚すると2馬力になります。ストレートで合格でき

          公務員の人生設計

          (若手が)自分の頭で考えられない環境

          よく言われますが、公務員はトップダウンの判断で物事が進みがちです。 言い方を変えると、意思決定に対して議論が尽くされません。(この要因については、他にもう1つ大きな理由がありますが、別記事にします) 下っ端の意見は、例えその担当者が3年目でも圧殺される雰囲気があります。最近流行りの「心理的安全性」などほぼなく、横で黙って聞いているのが「良い若手職員」です。 この環境で10年、20年ずっと過ごすとどうなるか。 まず、自分の頭で考えることができない人間が出来上がります。

          (若手が)自分の頭で考えられない環境

          自治体って一括りにできる?

          自治体として活動している組織は日本に何個あるか、皆さんご存知でしょうか? なんと、47都道府県+1718市町村=1765個もあります。(市 792  町 743 村 183) 引用:総務省HP しかも驚くことなかれ、H11年には、3232個もあったのです。 平成の大合併で1/2になったということになります。 この歴史的経緯から、覚えておいた方が良い事実は2つあります。 1つは、自治体としてのカラーや考え方なども、1765種類あるということです。似通ってくる部分はも

          自治体って一括りにできる?

          自治体の課題を語る前に

          私がnoteで書き記したいのは、人事、組織、事業主体など複数の観点からの「現在の自治体(施策)の課題」です。 しかし、それらを書き記す前に、そもそも現代の自治体の基礎っていつどうやってできたの?なんでこんな仕組みになってるの?というところに少し遡りたいと思います。 1871年以前、日本は「藩」単位で管理されていました。藩それぞれが単体で各エリアを統治し、各々で税金を徴収したりしていたのです。その全体を取り仕切っていたのが、1603年から始まった江戸幕府です。 徳川家の将

          自治体の課題を語る前に

          自治体の中の人の呟き

          とある自治体の30代です。はじめまして。 自治体職員になって約10年、予算、議会、業務委託、国との調整など、地方行政ならではの職務を1周し、自分なりに思うところが出てきました。 ここでは、私の考える自治体の課題、そしてこれからの未来をできる限りわかりやすく整理していけたら考えています。 皆さんが今後の自治体、社会のあり方を考えるにあたり、参考になる部分があれば幸いです。

          自治体の中の人の呟き