目指すべきゲームとは?
サイトの引越しに伴い、ブログ記事をnoteに移行しています。
この記事は2016.12.06に書かれた文章です。
この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2016 の第5日目の記事として書かれました。
自己紹介
皆様こんにちは。
ワンモアゲーム!の梶野です。同人ボードゲームのルールを作っています。
今回は「目指すべきゲームとは?」について書かせていただきます。
迷走するゲーム作り
世界に星の数程のゲームが存在している中で、私はアナログゲームを作る機会に恵まれました。
好きなようにゲームを作っていい。そんな環境に居るのならば、自分が好きなゲームを作りたいものです。
ですが、最近私が作るゲームにブレが生じています。
ブレが生じる原因は幾つかあるのですが、それはさておき…。
このままではいけない!私が作りたいゲームはいったい何だったのか?
この場を借りて、私が「目指すべきゲーム」の特徴をまとめてみたいと思います。
至極個人的な内容ですが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
1.公平であること
目指すというよりもゲームとしての必須項目です。
公平性を欠いたゲームは、プレイヤーにとって疑問を感じながらのプレイとなってしまいます。
かといってランダム要素を完全に排除するということではありません。
ランダム要素は、個人にのみ適用される場合は公平性を減らしますが、共有の場に適用する場合、多様性に変換されるものであるからです。
※この項目については、I was gameさんの「ボードゲームにおけるランダム性と公平性」に詳しく書かれています。文章も面白いので是非ご一読下さい。
2.マネジメントができること
極端な表現ですが、ゲームの楽しさは“マネジメント”そのものだと考えています。
プレイヤーはゲームによって与えられた情報から、実行できる最適なアクションを判断し、実行したアクションから受ける効果で、勝利に近づいていく過程を楽しんでいます。
その過程を演出するのが、先を見通すことの出来る適度な情報量と、シンプルなアクションの提示だと考えています。
この項については、もう少し深く書かせていただきたいのですが、長くなるのでまた別の機会に。
※ちなみに…デザインノートに「マネジメントできないゲームはゲームではない!」とまで書き殴っていたのを発見しました。過激ですね、当時の私は。
3.インタラクションがあること
盤上でソロプレイをするのなら、複数人でテーブルを囲んでアナログゲームを遊ぶ意味はありません。
他のプレイヤーが取った行動に一喜一憂し、自分が取った行動に他プレイヤーが一喜一憂する。
その光景こそ、これまでプレイしてきた多くの名作たちが私に与えてくれたものでした。
自分のゲームを遊んでいるプレイヤーが、同じ楽しさを感じるには、ユニークなインタラクションが必要です。
4.オリジナリティがあること
これまで書いたことで一番難易度が高い項目ですが、せっかくゲームを創るのならば、既存のゲームとは違いを出したいものです。
新規性のあるゲームには、大きな魅力を感じずにはいられません。
テーマ・コンポーネント・アート・ルール。どのジャンルでチャレンジしても良いと思います。私はこれからもルールでチャレンジしていきたいです。
目指すべきゲームの再認識
このAdvent Calendarを書く機会があったことで、自分の中でどんなゲームが作りたいのか再認識することが出来ました。
もしゲーム制作で迷路に迷い込んだ自覚がある方は、自分が目指すべきゲームを文字に起こしてみてはいかがでしょうか。何かしらの発見があるかもしれません。
さて、今週末には多くの新作がゲームマーケットに登場します。
そんな中で焦らずに、目指すべきゲームを見失わないように、コツコツと作っていくつもりです。今後ともよろしくお願い致します。
今回企画していただいたI was gameさんと、最後まで読んでいただいた皆様に感謝致します。ありがとうございました。