”りんごとリンゴ”の違い、分かる?~日本の食料事情を農家さんに聞いてみた
大切な衣服がよみがえる。ナチュラルクリーニングのone moreです。私達は、お洗濯だけでなく、「衣・食・住を安心で心地よくするやさしい暮らしのヒント」を発信しています。
前回は、地元青森の農家さんに「食料危機って日本でも起こるんですか?」と聞かせて頂きました。
今回は、その続き。「日本って農薬の使用量が多いのは本当ですか?」とお聞きした所から始まります。
皆さんは、りんごとリンゴ、違いが分かりますか?と言われたらなんと答えますか?
ええ、ひらがなとカタカナですか・・・?と僕と同じことを思ったあなたは今回の記事、きっと楽しめると思います(笑)
前回までのお話を読んでおいた方が楽しめると思いますので、是非読んでから進めてくださいね。
それでは、どうぞ!
今回のお話も、農業法人しみず 石山たかしさんにお伺いしています。
※農業法人しみず
地域の荒れた休耕田を再生した大豆の作付けやリンゴ生産者雇用、子どもの農作業体験等、農業にとどまらず地域活性化に取り組んだ事業により2021年「県攻めの農林水産業賞」を受賞。青森県弘前市で活発に活動をされている農業法人。2022年7月より展開している地域の無人販売システム「コミュニティショップしみず」には私達one moreの洗剤もおかせて頂いています。
1.りんごとリンゴの違いが農薬の使用量につながっている
ー前回、日本は農薬の使用量が多いのって本当ですか?という問いに対して、”りんごとリンゴ”の違いという話がありました。
はい、りんごとリンゴ、答えは「海外産の遺伝子が入っているか」です。日本で主要品種といわれる”ふじ”はアメリカのデリシャス×国光、”つがる”はゴールデンデリシャス×紅玉の掛け合わせで出来ているんです。
国光(こっこう)でさえ、海外から導入された品種で、純粋な日本産ではありません。元々の日本産のりんごというのは小さくてすっぱかった。そこに海外の品種を掛け合わせて今の大きくて甘くてみずみずしい”リンゴ”になったというわけですね。
しらなかったでしょ?(笑)
ですが、味が美味しくなった半面、病気になりやすくなってしまいました。日本に海外の品種を植えているわけですから、高温多湿な日本の環境が肌に合わないんですね。なので、病気を抑える為には農薬を使わざるを得ないんです。
柿なんかは、家の庭でほっといておいても丸々と実らせているのを見かけませんか?あれって不思議じゃありませんか?リンゴはたくさんの農薬・肥料を使わないと実らないのに、柿はほっといても実る。まさか近所のおじちゃんが柿に農薬を撒いてはいないでしょう?
柿には海外の遺伝子が入っていないからなんです。お米もそうです。なのでお米も比較的無農薬がやりやすい。日本の環境に適しているからなんですね。
日本で作っている野菜・果物って結構海外産の血が入った物が多いんです。日本で農薬の使用量が多いのはそういう背景もあるんですね。
2.ぶっちゃけ、農薬って利権が絡んでいますか?
ー農薬というと海外産が多いということでしたが、やっぱりこれは利権が絡んでいるからではないんですか?
いきなりですね(笑)、でもこれは正直感じるところありますね。
特に数年前にすこし話題になった除草剤「グリサホート」海外では販売禁止になっているのに、日本ではラウンド〇ップという名前で今でもドラックストアで大量に販売しています。あれは撒いていると正直具合が悪くなります・・・。海外では禁止されているといっても納得ですね。そういった農薬がいくつかあります。
ただ、もちろん強制されて使用しているわけではなく、便利な面があるから使っていますが、農家の健康と利便性、両立できるような物をJAには開発・販売してほしいですね。
3.減農薬への地道な取り組みと近未来の農業
ー最近、減農薬・無農薬の作物も増えてきました。あれってどうやって農薬を減らしているんですか?
実は、明確に農薬を撒く回数はこれくらい!というのは決まってないんです。
減農薬栽培、今は特別栽培農産物といいますが、これらの定義は「各地域の慣行的に行われている農薬・化学肥料の使用量に対して50%以下の使用量」となっています。
つまり、これまで何十年何百年と培われてきた経験の中で各地域・各農家が農薬を撒くタイミングを決めています。その慣習的に行われている農薬の使用量の半分減らせば「減農薬」といえるんです。
そして、皆農薬を使いすぎるとよくないというのはわかっているので、減農薬栽培でなくても、農薬を減らす努力をしています。
そのために、野菜を一つ一つ見て、「状態がよさそうだから今日は、農薬いらないな」と普段使うタイミングで使わなかったり、「これは具合が悪そうだから少し薬を使った方がいいな」と少しだけ使ってみたりと、試行錯誤をしています。
ーただでさえ重労働なのに、本当に頭が下がりますね。
はい、農薬が少なすぎると果実、例えばりんごは木そのものが病気になり枯れてしまったりするんです。そうならないように、地道な努力とバランスによって農薬を減らしていくんですね。
ーなるほど、、、減農薬や無農薬が大変な訳ですね。
今は病気などが起きると農薬散布車などで、農薬を広範囲に撒いています。ですが、僕らでもドローンの免許取得なんかをすすめていますが、将来的には、ドローンを飛ばして病気が発生した所を素早く特定し、その部分だけにジュッと薬を入れる。
そうすることで全体の農薬の使用量を減らすことができればと思っています。
また、他の地域では、密閉空間で完全な温度・湿度管理をして、その作物に合う環境を提供し、病気の発生を防ごうといった取り組みも進められています。
ーまさに近未来の農業ですね。今回は色々とわかりやすく、為になるお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
4.依存から自立へ 私達は何を選択するか?
いかがでしたか?りんごとリンゴの違い、驚きましたね!農薬の使用量も実は決まっていないというのも初めて知りました。
私達が普段口にしている果実・野菜は実は海外からやってきていると昔授業で習いました(農学部出身なもので)。
にんじん・かぼちゃ等の元々日本にあった物も今は日本古来の物ではなく、海外から入ってきている種を使用しています。その方が生産性がいいからです。
つまり、今日本では種・肥料・農薬の大半を海外に依存しているという状態です。
この状態は、私達が望んでいることでしょうか?
ですが、日々の買い物を通じて私達が選んでいることでもあります。目の前の金額だけで決めること。問題について考えない事。そういった私達の意識・行動が今の状況を作っています。
世界の状況がかなり激しく変化している今、あなたは何を選びますか?
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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