「invert 城塚翡翠倒叙集」2022年3月21日 日記
今日はなんかだるいなぁと思って、体温測ってみたら38度の高熱がありました。onekoです。
熱出たのはワクチン接種2回目以来だけど、純粋な風邪は3年振りくらいな気がする。
一応味覚も嗅覚も正常に働いてそうなので、コロナではないことを祈っています。。
『invert 城塚翡翠倒叙集』を読みました
ネタバレ含みます。
mediumの続編となるこの作品、正直最初のショックが大きかったこともあってかなり身構えながら読みました。
感想を一言で言うとそうですねぇ
またやられた!!!!!
です。(僕は何度騙されれば気が済むのでしょうか。)
この作品は3人の犯人の視点で描かれています。
ITエンジニア、小学校教師、犯罪界のナポレオン。
(最後だけ肩書きがカッコ良すぎるのには目をつむりました。)
この小説は前回もそうだったのですが、一度も城塚翡翠本人の視点で描かれていません。謎の多い少女に対して、恋をした犯罪者や冷ややかな目を向ける犯罪者、はたまた友人の千和崎真の立場で「このような人物なのではないか」と予想されるだけで、その答え合わせがなされることはないので、その実態のない彼女のミステリアスな魅力が引き立てられていると感じました。
・城塚翡翠という人間
mediumからただの天然な女の子ではないことを知ってしまったわけですが、そんな彼女の仕事場において用いる性格や動作と、千和崎真と2人でいる時の会話が交互に展開されていたことから、それまで可愛らしいと感じていた動作が憎たらしく思えてしまうことがありました。
最初に騙されたように、計算されていることを知らずにその人を見る時はすごく魅力的に見えていたのに、計算を知ってからみるとむしろ幻滅してしまっているこの視点はきっと、女性目線で彼女をみたものと同じなのかもしれませんね。
今回の物語を通じて救われたのは、mediumの時に翡翠が見せていた感情がただの偽りのものではなかったと解釈できたことです。
文中で語った理想像は彼を指し示すものに近かったし、「シスコンで異常性癖の持ち主」以外という明らかに彼を意識した発言もあったことから、少なくとも彼女の中で繰り返し話されるほど、影響を与えた人物として記憶に刻まれていたのではないでしょうか。
それ以外の犯罪者の場合は回を跨いで登場していないので、っていう浅い根拠ではあるんですけどね。笑
・殺してもいい人間はいるか
殺人について扱う物語では、頻繁に登場する正義とのジレンマ。本書でも盗撮した映像や写真を使って稼いでいた男を殺した小学校教諭が正しいことをした!と訴えるシーンがありましたが、
それに対して、翡翠が
「正しい殺人なんてものはありません!正しさなんて儚くて脆いものなんです!独善的な人殺しなんてあっていいはずがない!」
「先生は胸を張って子供たちに言えますか!自分が正しいと思えば人を殺してよいのだと!正しいと思ったから殺したという殺人鬼には、大切な人を殺されても仕方がないのだと、子供たちに胸を張って教えられますか!」
このように言い放つ描写がありました。
私はここの台詞に違和感を抱きました。
本当に正しい殺人などないのか。。と。
確かに、現在の法律で殺人をした場合は厳しく罰せられます。
複数人を殺害した場合は死刑になることもあります。
では、死刑も同じ殺人ではないのでしょうか。
結局法律だって誰かが作ったもので、その誰かの正義による独善的なものでしかないのではないでしょうか。
死刑制度は一般予防説より「犯罪者の生を奪うことにより、犯罪を予定するものに対して威嚇をなし、犯罪を予定するものに犯行を思い止まらせるようにするために存在する」とされています。
他の犯罪者を威嚇するために死刑制度があるのだとしたら、そのために誰かの大切な人であるかもしれない犯罪者を殺すことは仕方ないと教えていることになるのと思います。
殺人は受け手にも送り手にも不幸が訪れます。その一瞬を機に、あるものはその後の未来を奪われ、あるものは犯罪者というレッテルが貼られる恐ろしい事象です。
しかし、殺人そのものが意味をなしてしまった場合はその恐ろしさが薄れてしまうことは十分に考えられます。
悪いことをしているなら、通報して!法律で罰して貰えばいいじゃないか!
と思う人もいることでしょう。しかし法律で裁くことが難しい悪事や、公的な処置を行うことで自分の尊厳が傷つけられてしまうなど、法律に任せておけない条件などいくらでも出てきます。
誰にも頼れない、傷つく人がいる。
正義感が強い人ほど、こういった状況になってしまったら正しい(と思う)殺人をしてしまうのではないでしょうか。
命に対して感じている重みは人それぞれ違います。
いくら法律で律しようとも人々の持つ思想までは制限できません。
一般的にみて正しい殺人はないのかもしれない。
しかし、ある条件下の人々にとっての正しい殺人、殺してもいい人間というのは存在するのではないかと考えています。
実行に移すかは別として、僕自身が仮に家族や大切な友人を傷つけられた場合は相手のことを殺したい程憎むだろうし、その悔しさを抱えてその後の人生を生きていかなければならないのなら、いっそ復讐しようと考えてしまう気持ちも理解できてしまうなぁと、読みながら思っていました。
過去に囚われる生き方はその後の華やかな人生を送れる可能性を捨てることになるので、論理的に行動するなら前だけを向くのがいいんでしょうけど、そうもいってられないのが人間の感情の恐ろしい部分です。
・まとめ
色々雑多な文章を書き殴ってみましたが、まとめると、続編が待ち遠しくて仕方ないです!!!
普通に読んでたら!そんなの騙されるに決まってるやん!!
というところで的確に嵌められるので、もはや推理小説として事件を解決する気持ちよさだけでなく、騙されることの快感を求めてしまっているようで悔しいですが、、
次回も楽しみにしています!
数年前にやっていたSAOの映画も見たので、近々その感想も書けたらいいなと。
それでは。