CBD製品カンナビノイド審査委員会の独自検査結果公表!
こんにちは
CBDのスタートアップ企業ワンインチの柴田です。
興味のある方は既にご存じかと思いますが、日本化粧品協会という団体が、市販のCBD製品のカンナビノイド検査を独自に行い、ホームページに公表しております。
なかにはTHCが含有されていると公表されたり、「表記されているCBD含有量」と「実際のCBD含有量」の乖離が大きい製品があると公表されています。
ちなみに、他社製品や特定の業界団体に対する批判を目的とした記事ではないので具体的な社名は伏せさせていただきます。
興味がある方は日本化粧品協会ホームページをご覧いただきながら読み進めていただければと思います。
またワンインチとしてこちらの団体とは現時点においてなんら関係はありません。
個人的には厚生労働省が認める団体による合法性・安全性のダブルチェックにより、CBD市場が健全化することはCBDビジネスをクリーンに進める我々にとっては重要なことであると考えております。
日本化粧品協会という団体によるカンナビノイド検査
「一般社団法人 日本化粧品協会」という協会が2019年11月に「カンナビノイド審査委員会」という団体を立ち上げました。
この委員会は「警察の方」「弁護士の方」「薬剤師の方」「元官僚の方」といった、非常に心強い布陣で構成されています。
そういう意味ではとても将来的には意味のある委員会に発展する可能性があると思います。
正直、ワンインチとしてはこのような委員会や機関が正しく機能してくれることを待っていた部分があります。あくまでも正しく機能することが絶対条件となりますが。
(ちなみに今回の記事は基本的には下記URLの内容を引用します。とはいえ、頻繁にページが更新されているので2020年6月現在での情報という形にさせてください。)
こちらのページをご覧いただければわかるのですが、日本のCBD業者(小売含む)56社に対して独自調査を行うとしており、すでに弊社製品も含めて検査がされ、公表されております。
あるブランドにTHCが含有されていることを公表
あるブランドの製品にはTHCが検出されたものもあったようです。
日本には大麻取締法があり、成熟した茎からとれたCBD以外は認められていません。
THCは精神作用のある大麻物質(カンナビノイド)です。
厚生労働省の見解によれば「THCは成熟した茎には含まれていないとしており、THCが含有していた時点で茎由来であることを確認ができないため認めない」ということです。
ここで「THC=日本で非合法」であるということを大前提に話を進めなければいけませんが、「THC=悪」だと勘違いしてはいけません。
世界に目を向ければTHCの効用が医療の現場で認められていること、様々な分野で活用されていることは決して無視することはできません。
そして、日本においても医療にかかわる方たちの中にも、有効な活用ができるように努力している方もいらっしゃいます。
良い悪いという議論において、各個人が多様な価値観を持っている以上、合意形成を得ることは不可能です。
である以上、法は一定の線引きをしなければならず、我々は企業として法律を遵守する必要があります。
THCは「効果がある」という点、体感も含めて意味のある成分だとは思いますが、ワンインチはあくまで現行の法律のもとCBDビジネスをクリーンに進めていくというミッションがありますので、どうしてもこのような書き方になってしまうことご承知おきください。
カンナビノイド審査委員会のサイトにおける公表に戻ります。
日本に出回るCBD製品にTHCが含有されているということは、以前出版された高城剛氏の「GREEN RUSH(NEXTRAVELER BOOKS)」という書籍内で高城氏自身が日本の市場に出回っているCBD製品を独自に検査したところ、多くのCBD製品でTHCが含有していたと暴露したことを裏付けるような形となったということです。
しかしこの公表には注意が必要です。
後にも書かせていただきますが、このカンナビノイド審査委員会なる団体は現時点(2020/06/16)で透明性・公平性・権威性がきちんと証明されているわけではないと感じるからです。団体としての透明性・公平性・権威性を担保してから、各製品の分析に関して公表されるべきだと思います。
また、今回の独自の公表のみで各社製品についてなんらかの措置がとられるわけではないと思います。
(たとえば、THC含有当該製品を所有していたからと言ってただちにそれにより法的に裁かれたりする可能性は低いと考えております。あくまで個人的な見解ですが。)
とはいえ、先のカンナビノイド審査委員会のサイト内では、THCが検出された製品があり、今後これが厚生労働省に共有されたのちに、そのブランドや製品自体の輸入制限がされる可能性はあります。
今回THCが検出されたブランドは特に日本のCBD愛好者の中で人気のあるブランドでした。また、特に「効果がある」と言われていたブランドでした。
先日私も「CBDの効果について」書かせていただきましたが、皆が口をそろえて「効果がある」と明確にわかる場合には、CBDの成分以外の効果が含まれている可能性があり、今回の結果はこれを裏付けるものでもあります。
商品に表記されているCBD量が実際はほとんど入っていないケース
また、委員会のHPには、製品情報として記載されているCBD含有量やCBD含有率(%)の検査結果の公表において、CBDがほとんど入っていない、最悪のケースでは一切CBDが含まれていない「CBD製品」が公表されています。
この分析結果に、信頼性があるのかどうかのエビデンスチェックは重要ではあるものの、現時点ではそれを知る術はありません。
今回はこの検査を信頼できるものとして話しを進めていきます。
表記と実際の含有量が異なるというニュースは、CBD過熱国アメリカでも話題になっています。
アメリカでも表記のCBD量・率と実際に含有している量・率に大きな乖離があり、約半数以上のブランドが不当にCBD量を表記しているということがLeaflyの調査によって明らかになりました。(詳細は以下ページより、英字です。)
こちらに出ている製品の一部は日本にも入っているブランドもあるので、もしよければ参照してみてください。
日本化粧品協会のカンナビノイド審査委員会に話を戻しましょう。
こちらの検査においても、半数とまではいきませんが、割と多くのCBDメーカーの製品が表記のCBD量を含有していないと分析されており、マーケティングにかなりお金をかけているCBD業界では有名な業者のCBD製品は、ほとんどCBDが含有していないことが明らかになりました。
私は「CBDは健康な人に対し、ただちに体感のあるものではない、しかし、きちんと身体に合った量を摂取しつづけることでCBDは日常生活を整えてくれるものだ。」と考えています。
しかし、表記と乖離が大きく、殆ど成分を含有していない場合、短期はもちろん中長期的にも無意味なものになってしまいます。
また、てんかん患者を含む病気の方のなかには、藁にもすがる思いでCBD製品(しかもかなり高価です)を使用されている方もいらっしゃいます。彼らを裏切る行為につながることは同業者として残念に思います。
弊社の製品も検査をされているのですが、弊社独占契約のテネシー州のCBD会社Kat's Naturals社製のCBDオイルは含有率が誤差範囲に収まっておりCBDは適量含有していると分析されていました。
我々はもちろん現地にも行き、普段から書いているように、アメリカの第三者機関でロットごとに検査をしているので信じておりましたが、信頼性は置いておくとして安心しました。
一般社団法人日本化粧品協会カンナビノイド審査委員会とは
ここで、これまでこの記事で参照してきた日本化粧品協会・カンナビノイド審査委員会について分かっている範囲で書かせていただきたいと思います。
はじめに、現時点においてワンインチは「一般社団法人日本化粧品協会カンナビノイド審査委員会」に所属しておりません。
そして、カンナビノイド審査委員会のサイトに、ワンインチ合同会社ならびに、Kat's Naturals社の記載がございますが両社ともに、これらの記載許可は出しておらず、検査の依頼もしておりません。
また、相手方からの相談や掲載の許可などを取ってきたこともございません。
個人的な考えとしては、日本でCBDの法的な健全化が図れることはよいことだと思っています。
また、完全にポジショントークとなりますが、ワンインチは完全にホワイト・クリーンでやっていくと創業当時から決めていますので、率先して健全化を進めていただける団体があるのであれば協力をしていきたいと考えています。
これから下記は、現時点でのカンナビノイド審査委員会に対して、以下の点で改善が図られ、よりよい団体になっていただきたいと上申させていただきます。
1透明性に欠ける
カンナビノイド審査委員会による検査が、
・いつ
・だれが
・どのように
検査をしたかが書かれていません。
HP上の写真では検査先は昭和大学薬学部のように書かれていますが、HP上に記載されている画像から見ると実際の検査は「belcosta labs」というアメリカのラボに提出しているように見えます。
また、ある会社の製品分析で、表記CBD量と比較し物凄く少ないという結果が出ていましたが、数日後、いっさいの訂正文もなく、分析結果の数値だけが大きく変わり、適正量に近い値になっていました。
(もしこれが単なるミスだとすると、誤表記の数日だけで当該製品を販売している会社は少なからず損害を受けている可能性もあります。)
委員会は、「どのような基準で誰がどのように分析していているか」などを、HPでは公表せず、厚生労働省にすべて報告する。としています。
しかし、これでは検査がブラックボックス化してしまい、恣意的にTHCを検出することも、書類の改ざんをすることも可能です。このままでは透明性・信ぴょう性に大きな問題があるのではないかと思っています。
私は日本臨床カンナビノイド学会の学会員なのですが、この学会内でもこの団体が認定基準を満たす団体であるという通達はなされておりません。
また、日本化粧品協会カンナビノイド審査委員会の会員になるには
「年間30万円/品(内訳 申請費20万円、登録費10万円)で2年目からは登録費の10万円のみお支払いただきます。」
と書かれています。
検査のみであれば1品5万円以内程度が相場なので、この金額の妥当性が現時点では見当たらないと感じております。
さらに、「現地立ち入り調査」と書かれていますが、海外のどのメーカーが捜査機関の捜査でもないのに現地立ち入りを許すのでしょうか。
利害関係のない他社に工場や社内を見せることはNDA(秘密保持契約)上の大きな違反につながる可能性もあります。
かの有名なコカ・コーラ社でいうと、レシピを知っている人は世界に数人で、工場などへの調査を国の外部機関でもない団体に許すとは到底思えません。
また、カンナビノイド検査以外の重金属検査や残留農薬、残留溶媒検査は行っていないので、当該製品が合法だとしてもそのCBDが安全かどうかはわからないという状況です。(むしろ使う側としては安全性もとても重要な指標となりうると思うのですが。)
合法性とともに安全性もきちんと確保しなければ認証制度としてどうなのだろうと思ってしまいます。
2公平性に欠ける
カンナビノイド審査委員会での分析公表で、THC含有が確認された製品について気になる情報がありました。
ある製品の分析依頼をしているのが、製品取り扱い業者当人でなく、他社CBD会社であったという内容です。
上記ツイートについて考えると、「分析依頼をした会社」が、分析結果をカンナビノイド審査委員会に対し提供した。
またはカンナビノイド審査委員会において分析をその会社がした。ととれる内容です。
もしこれが本当であれば、依頼しているCBD会社は競合他社を恣意的におとしめることも可能になりますし、委員会内の癒着の可能性もでてきます。
カンナビノイド審査委員会と深い関係にある企業に対して、彼らは厳しい目でチェックができるのでしょうか。
また、この委員会理事・顧問には、特定のCBDメーカーと繋がっていて輸入に関わっている専門家の方もいらっしゃいます。
そのメーカーに対して果たして同じく厳しい目を向けていけるのか疑問が残ります。
少なくともそう疑われてしまう時点で公平性に対し、不信感を持たざるを得ないと思います。
この機関に登録した場合、どのような意味が生じるのか現時点で不明な点が多く、この不透明さ・不公平さを払拭していただきたいと感じます。
今の段階では各メーカーに対し一方的に検査分析を行い公表をしているのだから、公表に対し慎重に責任をもって行ってもらいたいと感じました。
3権威性に欠ける
カンナビノイド審査委員会は会費を支払う会員に対して、彼らの指定する審査を通過すると特定の認証を出すとしています。
冒頭にも書きましたが、カンナビノイド審査委員会は「警察の方」「弁護士の方」「薬剤師の方」「元官僚の方」といった、非常に心強い布陣で構成されています。
そういう意味ではとても将来的には意味のある委員会に発展する可能性があると思っています。
正直、ワンインチとしてはこのような委員会や機関が正しく機能してくれることを待っていた部分があります。
しかし、残念なことに現時点では、厚生労働省はこの団体を準公的な機関として認められていないようです。
つまり認証を取得したとしても安全で合法なCBDとして認められたことにはなりません。
また、検査や団体の透明化を図れず、公平性を担保しないなら、業界から不信感を持たれる団体になってしまいます。
秋に日本臨床カンナビノイド学会もあるので、この件は議題にあがるとは思っておりますが、この団体だけではなく、現在、日本にはCBDに関する協会や業界団体が不必要なほどに多く存在しています。
そして、そういった協会・業界団体には特定の業者が理事としてついていることがほとんどで、そういった理由もあり、そのいずれも透明性・公平性・権威性が担保されていません。
何度も言いますが、CBDビジネスは現時点で、安全性(重金属・残留溶媒・残留農薬)と合法性(THC,茎種問題)は混とんとしているので、どこかがきちんとした認証制度を作るべきだという意見には賛同します。
しかし、それには透明性や公平性、そしてなにより厚生労働省の準管轄であるという国のお墨付きが必要だと考えます。
まとめ
今回は化粧品協会のカンナビノイド審査委員会の資料を引用して
・日本のCBD製品にTHCが含有しているブランドがある
・CBD製品にCBDが入っていないブランドがある
・表記の含有量や含有率から大きく乖離した少ない含有量率であるブランドがある
・検査を実施する団体は必要ではあるものの、そこでの透明性性・公平性・権威性が重要な課題
という内容を話して参りました。
合法で安全に今後もCBD製品を使えるような未来になることを願っています。