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風俗三十二相 つめたそう 文化年間めかけの風俗

文化年間(1808-1818年)の妾。冬の水道は冷たく、袖なしの小袖を書け、手を拭くための懐紙を咥えている(参考)。大変摺りが良い貴重な1枚。

江戸の町は高度な水道システムを備えた都市だった。玉川上水や神田上水など、最盛期には6つの水路が整備され、郊外から水を引き、地中に埋められた木製・石製の水道管(樋)を通して市中へ供給された。水道管(樋)は江戸の地下を広範囲に張り巡らされ、幹線は石製、支線は木製が使われた。また、御茶ノ水の「掛ヶ樋(かけひ)」のように橋のような構造で通す技術も用いられた。江戸の水道技術は当時の世界的に大変先進的だった。

庶民は各所に設置された共同井戸から飲料水や生活用水を確保した。水は飲用、炊事、洗濯、行水(風呂)、野菜の冷却などに使用された。井戸端は地域の交流の場だった。江戸っ子は「産湯(初めて浸かる風呂)」にも水道水を使えることを誇りにした(以上、参考)。

三色がしっかり出ており、摺りの早い作品である

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