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夜のピクニック

恩田陸 2004年

・あらすじ

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな儲けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説の傑作。

『夜のピクニック』恩田陸(2006)表紙あらすじ

・感想

ずっと前から名前だけは知っていましたが、なかなか読む機会がなかった作品です。この間本屋に行ったときに、ちょうど見つけたので買ってきました。ちなみに過去には映画化されたこともあるようです。

北高と呼ばれる高校に通う3年生たちが、そこの学校特有の伝統的な行事「歩行祭」の様子を記録したような形で語られる小説です。

「80キロも歩く」というのが、24時間テレビのチャリティーマラソンとかをを彷彿とさせる行事でしたね。今調べたのですが、80キロだと都心を基準として考えたら、県をまたいでの移動になるレベルだそうです。電車とかバスとか使うレベルを歩くっていうのが、「あぁ、絶対大変なやつじゃん、これ」って思いました。

物凄い遠い道のり、談笑したりしながら最初は行っていましたが、途中からは、案の定足も疲れ、気力も限界そうでした。「早く着いてくれ、早く横になりたい、でもそれを考えると余計遠く感じる」このあたり、すごいリアルでしたね。ここまでの距離ではありませんでしたが、私も似たような経験したことがあるので、「あぁ、分かる」ってなりました。(地震で電車止まったときとか)

辛い行事だけれども、どこか寂しそうな感じにも見えました。というのも、高3なので、これで最後なんです。学生時代の最後の年のマラソン大会とかって、辛いことに変わりなかったですが、どこか最後というのが引っ掛かってしまうところがありましたよね。私もそんな経験あります。

様々な、思い出話のところでは「入学したばかりだと思っていた高校がもう終わりなのか」ということを話しているところがあって、実際にこんな感じだったなぁと思い出しました。去年とかまさにそれ思っていたので。学生時代って長いようであっという間ですよね。3年とか4年とか聞くと、最初は長そうだなと思います。でも、その間に起こることが盛りだくさん過ぎて、気が付けばもうここまで来ちゃったみたいになっているものですよね。受験とかしている間は長く感じますが、終わってから増えりかえると、なんかあっという間だったと感じるものです。

・書籍情報

初版刊行:2006年9月5日
刊行元:新潮社
定価:880円(税込)
ISBN978-4-10-123417-5

備考
単行本:2004年7月 新潮社刊

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