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その塾講師、正体不明

貴戸湊太 2024年

・あらすじ

個別指導塾・一番星学院桜台校のアルバイト講師、不破勇吾(28)。この塾の講師はほとんどが大学生で、タメ口で生徒と会話をし、親しみやすい。だが不破は前職不明の社会人で、しかも冷たく恐ろしい雰囲気を持っていた。そんな彼の正体に生徒達は興味津々。だがその塾が本当に揺れているのは、受験、教育虐待、いじめに加え、近辺で連続通り魔事件が発生しているためだった……。『このミス』対象出身作家が描く、前代未聞の痛快塾ミステリー!

『その塾講師、正体不明』貴戸湊太(2024)表紙あらすじ

・感想
去年の年末、都内にある行きつけの本屋さんで購入しました。ちょうどこのころSNSでこの本紹介している人が多くて気になってたんですよね。

もともと刑事だった「不破勇吾」は、塾講師のアルバイトを始めます。ですが、なかなか周りの人に溶け込めず、周りが生徒にタメ口で接しているのに対して敬語を使ったり、雑談を一切しなかったりと、生徒たちからは謎の存在として、注目を集めました。

めちゃくちゃ面白かったです。具体的にどんなところが良かったのか、今から二点お話ししますね。

不破の雰囲気が独特ということです。冒頭でもお話しした通り、もともと刑事です(生徒たちは何も知りませんが)。周りの人と比べて、めちゃくちゃガタイよかったりするんですが、どこか他人行儀でちょっととっつきにくい感じがあったりします。でもその感じが不思議と受けるんですよね。

この作品ミステリーなのですが、場所がなんと塾なんです。「学習塾でミステリー?」と最初はピンとこなかったわけです。教育虐待だとか、いじめだとか、様々なトラブルが起こっており、「あーっ、ここまでは普通だな」と思いました。一方、連続通り魔事件が発生しているような状況でした。もちろん、誰が犯人なのかを突き止めようとするのですが、これがまたあっちいったり、こっちいったりで面白かったです。「おっ、この人か」と思ったら、全然違ったりとかしていて、最後分かったときには、「えーーっ!!」と電車の中で一人で興奮してました。

刑事時代の自分を引きずりながら、塾講師をしばらくしていましたがあるときに、いろいろなことを経験して周りから徐々に信頼されていく姿は凄く感動的でした。

何事にも終わりはつきものです(卒業)。不破は塾生の卒業とともに、刑事時代を引きずる自分も卒業していくのでした…。

・書籍情報

その塾講師、正体不明 貴戸湊太

発売年:2024年
発売元:角川春樹事務所
定価:748円(税込)
ページ数:240p
ISBN978-4-7584-4681-5

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