【中1数学・式の計算】分配法則を使いこなして、文字式を展開しよう!
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文字式の計算を扱うシリーズの第4弾です。初回は文字式を作るパーツとして、項と係数、次数の話をしました。そして第2,3回で文字式と数をかけたり割ったりする計算や文字式同士の足し算・引き算をできるようにしていきましたね。まだ見てない方はこちらの記事をご覧ください!
▼前回の記事
第4回である今回から、足し算・引き算とかけ算・割り算を少しずつ混ぜていきます。手始めに今回は多項式(単項式を足してできた式ですね)に数をかけていく練習から始めます。この計算をするうえでキーワードになるのが分配法則です。なにやらかっこいい名前の法則が出てきましたので、まずはこの分配法則が何かから理解していきましょう!
分配法則とは?
分配法則を理解するために、まずは文字式ではなく普通の計算問題から始めていきます。例1の計算を見てみると、かけ算と足し算が混ざった計算は先にかけ算からやるから……って、$${ 42 × 21 }$$も$${ 58 × 21 }$$もめんどくさい!!こんな皆さんの心のさけびが聞こえてきそうですね。ですが皆さん安心してください。楽に解く方法がちゃんとあります。
よく見ると$${ 42 × 21 }$$も$${ 58 × 21 }$$も、$${ ×21 }$$の部分が共通していますね。実は2つの数のかけ算について、片方の数が同じ場合、
$$
42 × 21 + 58 × 21 = ( 42 + 58 ) × 21
$$
のように、もう片方の数をカッコでまとめて先に足したり引いたりできます。このような計算のルールのことを分配法則といいます。
なぜこのようなことができるかを知るために、ここでは面積図を使ってみましょう。長方形の面積=たて×横ですから、面積を求めるためにかけ算を使います。したがって、42 × 21 というかけ算はたて21㎝、よこ42㎝の長方形の面積と同じ意味になりますね。
上の説明を踏まえて、例1で出てきた2つのかけ算をどちらも長方形にして、21㎝の辺同士でくっつけてみましょう。すると、たて21㎝、横が42㎝と58㎝を合わせた大きなひとつの長方形が出来上がりました。
つまり長方形で考えると、2つの長方形を同じ長さを辺でくっつけるとき、横の長さだけに注目して先に足したり引いたりできる、これが分配法則を使える理由です。
先ほどの例では2つのかけ算を1つにまとめる例を紹介しましたが、逆に1つにまとめられたかけ算を2つに分けることもできます。この場合、カッコの外側にある数と内側にある数をそれぞれかけます。
文字式と数の分配法則
多項式と数のかけ算・割り算
今までの記事でも文字式を線分図に直し、$${ x }$$や$${ y }$$をひとつの目盛りとして考えるやり方をしてきましたね。そこで今回も線分図を使ってこの式をあらわすと、下の図のようになりますね。
上の図で$${ x }$$の個数を数えると、$${ 3x }$$は$${ x }$$が3個あり、これを6倍にしているので、全部で$${ x }$$が$${ 3×6=18 }$$個できるはずです。同じように残りの2についても考えると、2も6個あるので$${ 2×6=12 }$$より12となります。よって下の式のように、$${ 18x+12 }$$となります。
ここで注意ですが、×6はかっこの中の文字式のすべての項に対して行う必要があります。
このように、文字式についたかっこを分配法則を使って外す作業を指して、「文字式を展開する」といいます。
文字式の展開は分数でもわり算でも使うことができます。まずは逆数(分母と分子をひっくり返した数)のかけ算に直して、その後例2と同じように計算すれば大丈夫です。
文字式の分数と数の計算
最後に文字式全体を分子に持つような場合の計算を例に扱います。この場合は文字式に分母がくっついていることが先ほどの例3との違いです。したがって、通常の分数のかけ算と同じように、分母の4とかける数の8で先に約分してあげれば、あとは例3でやった形と同じになりますね。計算すると下記のようになり、答えは$${ 6x+4 }$$となります。
練習問題
次の文字式を展開しなさい。
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練習問題の答え
(1) $${18.8x^3 + 9.4y^2 }$$
(2) $${36xy - 64z) × (-8)}$$
(3) $${-12a + 6b}$$
(4) $${2.5x + 4}$$
(5) $${-0.5ab + 1.5c}$$ (別解) $${\frac{-ab+3c}{2}}$$
(6) $${-\frac{1}{2}x^3 + \frac{5}{8} }$$
(7) $${ 84x-126 }$$
(8) $${ 7x^3 + 6y^2 }$$