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寂しい公園の秋

近所の公園にも秋がやってきた。
遅れながらも優雅な紅葉。
でも、なぜか秋になると寂しい。

林道から松林キャンプ場へ。ここは人気スポットなのか、1年を通じてキャンパーが途絶えることはない。確かに、しみじみとした雰囲気を味わいながらのキャンプにはロマンを感じなくもないが・・・。ところで、きっちりとタープを張って正解だと思う。今の時期は、夜に深い霧が発生しやすい。夜露を甘く見てはならない。

大きな池を囲むように遊歩道が整備されてある。一周2km程度あるらしい。たくさんの人々が日々の健康維持に公園を利用している。公園には意外と活気があるのだ。だが、この景観をずっと眺めていてなぜか寂しくなる自分。子供の頃に嫌というほど体験した、「夕暮れ時の虚しさ」に近い、そのような切なさを覚える。

季節感を損なう不自然な調和。昆虫が姿を消すのを待たずして、まさか渡り鳥が飛来しているとは考えもしなかった。白鳥にマガモ。彼らは紛れもない冬の公園の主はず。

華やかだった植物の終わりの時。それが秋。決して人生なぞに重ね合わせたくはないが、残念ながら人も例外ではないと。三島由紀夫の気持ちが理解できるような気がした。どうせ散っていく運命なれば、せめて一瞬の華のために・・・。

綺麗な紅葉に心を奪われるも束の間。紅葉の美は一瞬。公園の木々たちは、最高の自分を魅せようと懸命になっているのかも知れない。だが、人と違うのは、彼らには次が存在するということ。また来年に花を咲かせればいい。

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