頑張れオヤジ。日本のために。

今から10年以上前のこと。僕がまだ高校生の時の話です。

神奈川県の某ターミナル駅から高校まで、10分ほどの距離を徒歩で通学している際、途中にある川に架かる橋の上で「おはよう!今日も頑張ろう!」と僕ら高校生に声を掛けるおじさんがいた。

そのおじさんは、タスキを掛けている時もあれば、そうでない時もあった。タスキを掛けているのを見て、

「ああ、選挙活動中の議員か。」

と思った。選挙期間になればどこにでもいると思う。

でも、そのおじさんはタスキを掛けていない時も、そこに立って僕たち高校生にも挨拶をしてきた。おそらく、朝の挨拶運動かそんなところだろう。

高校生というのは集団で行動していると少々調子に乗る時もある。僕たちも例に漏れずそうで、「おっさんもがんばれよ!」とか、「おっさんも元気だな!」とか、「俺たち選挙権ないよー」とか。茶化しながら徐々に会話を始めたことを覚えている。

そのおじさんはそれでも、「授業サボるなよ!」とか「君たちが大人になった時に、良い日本にしたいからね!」とか言っていた。



そのおじさんとの交流は、高校3年の卒業シーズンまで続いた。

「おお、もうすぐ卒業か。一杯勉強して、遊んで、元気な大学生になるんだよ!」と言われたのを覚えている。

「ガースーも元気でな!」

やや友達感覚に陥っていた我々は、そんな風にその方を茶化していた。

その方の名字をモジり、「ガースー」と僕らは呼んでいた。その頃にはもう茶化すというよりは、親しみの感覚が強かったと思う。

人前に出るのが苦手と言っていたガースー。僕ら高校生なら、苦手意識も無く気軽に話せたのかもしれない。

もちろん、その卒業シーズン以来、一度も会っていない。ただ最近は毎日、テレビでガースーの勇姿を目にする。



昨年、「令和」の文字をガースーが掲げた時、僕ら高校時代の友達は、ラインで盛り上がった。

あのガースーが。とんでもないことになっている。



そして時期総裁選に出る。



ガースーが総理大臣になるなんて、高校生の頃の僕らには想像出来なかった。そのくらい、優しくてフレンドリーで、気さくなおじさんだった。


タスキにひらがなで書いてあった「すが よしひで」の文字を僕たちは忘れない。あのガースーの笑顔を思い出したので、書き記してみた。






菅義偉様

日本の為に、頑張ってください。

頑張れガースー!!





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