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誰がどこで決めていますか?

厚生労働省の議事録を時々見ています。

難病患者の雇用率算定に関しては、この労働政策審議会が、難病患者の障害者雇用率への算定に反対していると、大臣が説明されていますので、以来、誰が何を考えて、どういった判断のプロセスがあるのか、

興味を持つようになりました。

ハローワークの障害者雇用の中で、患者数としてとりあげられる中の問題に、


その他=手帳を取得していない、できない難病患者や発達障害者

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上記の図は、'その他'に含まれる、難病患者がどのような産業に就職しているかを知ることができます。




難病患者は、'そのほか'にカウントされますが、

'その他'は、障害者手帳を取得していない難病患者が、ハローワークの専門援助部門に登録し、就職や相談した人数を意味しています。

しかし、実際には、身体障害者手帳や、精神障害者保健福祉手帳を取得している難病患者は、

身体障害者や、精神の手帳のカウントに入るため、

難病患者の数としてはカウントされていない。

また、専門援助での支援に(登録)なると、一般窓口と併用ができないため、

一般の窓口で非開示で就活をする難病患者や、難治性な疾患患者もいる。

その数もカウントはされない。

難病患者というと、この国では、

指定難病患者のことと社会全般には認識されている。それは、メディアなどから報道で扱われる難病患者の数は、

基本的には指定難病の数しか数字になって出てはこない。

指定難病、指定されていない難病、

さらに希少の定義からもれた難病、いやっ、もれたら難病とはいわないので、難治性疾患、

いやっ、難治性な疾患

なぜ言いなおしたかというと、

難治性疾患=指定難病

と辞書に書いてあり…

定義がとにかくややこしく、実際の患者が見えづらくなっている。

これは長年みつめていないと、見えてこない迷路のような呼称の迷路で、だから、

'難病患者は少ない'

と、誤ったイメージが社会全般に蔓延しているともいえるのではないでしょうか。

誰の、何の意思でそうなっているのか…定かではないですが…

医療として考えると、全体的には患者は多いのですが、

少ないマイノリティに社会の中には、切り取られており、認識されない患者数がある

指定側に入れば、それはそれでいい仕組みであると考えられますが、

指定から漏れた疾患は、認識されにくく、医療費の助成も、福祉サービスも対象外になるという、制度の真空状態なため、

大変さは想像を絶します。

それでも、指定からもれた患者団体は、難病者の中でもさらに認識されにくい状態にあるため、

議論にすらされにくくなっています。



コロナウィルスの一連の対策をみていると、

患者をある規定に縛る、

縛り

これには、理屈がありますが、今、その前提となるPCR検査をしてこなかった理屈が、世界のエビデンスにより、くつがえされようとしている。

私も最初から、理屈がおかしい、と思っていました。

今ここで取り上げたいのは、検査の是非ではなく、

対策の類似性

・特異な縛り

・困る患者が多数いるが実態が見えない

・発表されている数は少なく見えるが、実際は多い。

・具体的な数をつかもうとされない

ほんとうの患者数を把握する、事実を把握することなしに、まっとうな対策は出来ない。 

検査を狭めたボヤけた対策をつづけた場合、

見えない患者が増えるため、家庭内感染や院内感染の要因になり、死亡者が増えるプランを選択していることになる。

とくに、基礎疾患がある方々や、高齢者には、こうした短期的に集団免疫を期待したやり方は、リスクが高い。

死亡者が増えてしまう。


見えない患者、見えにくい患者は、非常に困る。

急速に悪化する可能性があるコロナウィルスでは、発熱37.5℃以上、4日間待機の縛りは(特に4日)、人道的にも医療の倫理上も問題が残ると考える。

(また、基礎疾患をご本人が把握されていない場合、間に合わない場合が出てまいります。また、免疫反応が起こる新型感染症では、重症化してからでは、薬剤の効果も期待できなくなる可能性があり、治療環境を整理し、検査を徹底し、ホテルを借り受け、予算を入れて2カ月、最低1カ月前から、今動き始めている対策をする必要がありました。

…オリンピックムードを政府が発信している最中にやる必要がありました 。)


なぜ、難病患者は'そのほか'だけなのか?

実際の難病患者の数であるわけがない、'そのほか'を共有して、いったい何を分析しようとしているのだろうか…

社会の実態は、あの数には反映されてはいない。

難病患者は少ない??

…いやいや。







最新の記録

第95回労働政策審議会障害者雇用分科会(議事録)
日時
令和2年2月14日(金)12:30~14:30
場所
TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14B
議事
○阿部分科会長 それでは定刻となりましたので、ただいまから第95回障害者雇用分科会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本日ですが、倉知委員、小原委員、長谷川委員、門﨑委員、高橋委員が御欠席と聞いております。高橋委員の代理として、日本商工会議所産業政策第二部主席調査役の大内様にお越しいただいております。どうぞ、よろしくお願いいたします。なお松永委員ですが、後ほどお見えになると伺っております。また眞壁委員におかれましては、所用のために13時半頃に退出とお聞きしております。よろしくお願いします。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題ですが、まず2019年度の年度目標に係る中間評価について、2番目は2020年度障害者雇用対策の年度目標について、3番目は今後の障害者雇用対策の検討の進め方について、4番目は労働政策審議会労働政策基本部会報告書について、5番目はその他となっております。なお、本日は議題4の関係で、労働政策審議会運営規定に基づき、政策統括官室から政策統括官付参事官に出席いただくことになっております。
では早速ですが、議題1の2019年度の年度目標に係る中間評価について事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺課長 それでは、御説明を申し上げます。障害者雇用対策課長の小野寺でございます。資料1-1、それから資料1-2になります。資料1-2は具体的なデータ等を入れて取りまとめておりますが、御説明としては資料1-1を御覧いただければと思います。
まず2019年度目標の中間評価について、案を示しております。今回の中間評価は、今年4月から12月までの数値に基づき評価をさせていただいております。目標として3つ掲げておりましたので、順次御説明申し上げます。
1点目は、ハローワークにおける障害者の就職件数についてになります。2019年度目標として前年度以上ということで、10万2,318件を目標に運営してまいりました。12月末までの実績が8万0,396件になります。前年同期が8万0,043件になりますので、それを上回る実績で推移しており、このまま順調に推移をすれば目標達成が期待できるものと思っております。いずれにしても、特に精神障害者の求職者の増加が著しい中で、福祉、教育、医療等の関係機関と連携を密に取りながらチーム支援を進めてまいりたいと考えております。
2点目は、雇用率達成企業割合についてです。2019年度目標、前年度実績(48%)と比較して、1.4ポイント以上の上昇を目標として掲げております。雇用率については、2019年度の取組の評価を2020年度の6.1調査に基づき、評価をいたしますので、現時点においては実績が出ておりません。一番下の2行目にありますように、2019年度6月1日現在の雇用率達成企業の割合は48.0%で、前年から2.1ポイント上昇ということで、2018年度の目標でありました1.5ポイント以上を達成したという状況になります。
ページをめくっていただきまして、精神障害者雇用トータルサポーターの相談支援を終了した者のうち、就職実現に向けた次の段階へ移行した者の割合についてです。2019年度の目標は、74.3%以上と置いておりました。12月までの実績が77.7%で、前年同期の75.1%も越えており、達成の見込みにと評価をしております。ます。精神障害者については、求職者が年々増加している中で、就職のニーズも当然高まっているわけですが、引き続きトータルサポーターの支援を通じて、更に問題解決のための支援を実施することで、努めてまいりたい。年度目標の達成に向けて、中間評価の案としては以上になります。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの件について、御質問や御意見がありましたら、御発言いただきたいと思いますが、視覚・聴覚障害者の方々の皆様への情報保証の観点から、必ず挙手をしていただき、私の指名の後にお名前を名乗ってから御発言いただくようお願いしたいと思います。それでは、いかがでしょうか。
○眞壁委員 精神保健福祉会の「みんなねっと」の理事の眞壁です。資料1-2の2ページ目、1ハローワークにおける障害者の就職件数の所ですが、障害種別ごとの件数が出ております。精神は4.6%増、その他障害者が4,429件で前年度比8.4%増で、結構、増加がすごいと思っているのですが、具体的にその他の障害者の障害は、どのようなものなのかということが質問になります。
○阿部分科会長 では御質問ですので、事務局からお願いいたします。
○小野寺課長 お答え申上げます。障害者雇用対策課長の小野寺でございます。今、手元に詳細なデータがないのですが、その他障害として入り得るものは、発達障害、や難病です。後ほど精査をして、データをお示しできればと思います。
○阿部分科会長 よろしいですか。
○竹下委員 日視連の竹下です。2点、質問と意見です。1点は、障害者全体の雇用就職件数が伸びていることは、企業の努力も含めて非常に有り難いと思っております。ただ、今も指摘があったように障害別を見ていくことが大事だと思っております。精神障害者を中心に伸びていくこと自体は非常に大事なことなのですが、身体障害者の区別の中では、視力、聴覚、肢体といった障害部位別の就職件数も同時に発表していただきたいと思っております。私の認識では、視覚障害者は件数は伸びるのではなくて、ほぼ横ばい、又は減ってきている傾向にあるので、なぜそうなっているのかが、今後の行政を進める上で重要だと思いますので、そういう部位別の就職件数もきちんと報告していただきたいというのが1点目です。
もう1点は、この就職件数は10万を越えること自体はすばらしいのですが、新規求職者と、それまでもずっと求職登録をしているのだけれども就職に結び付かない人たち、言い方は不適切かもしれませんが、前年度からの、言わば就職漏れになった人たちの件数がどのように変化したのかも分析しておく必要があるのではないかと思っております。すなわち、就職困難というカテゴリに含まれている人たちの就職が進んでいないのか、進んでいるのかを分析する必要があるかと思いますので、それは是非、分析していただきたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。では、事務局からお願いします。
○小野寺課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。まず1点目の障害部位別のデータについて、今回はお示ししておりませんが、次回以降できる限り、それを整理してお示ししたいと思います。今、御指摘のあった身体障害者の部位別の職業紹介状況で見ますと、実は御指摘のある視覚障害以上に聴覚や下肢障害、それから心臓疾患などの減のほうが大きな状況になっております。この辺りは、なぜそうなっているのかというところの分析がまだまだ十分ではありませんが、少しデータをお示ししながら議論していければと思います。
それから2つ目の新規と、それ以外に困難性を持って滞留している求職者の状況については、これもまだまだ分析ができておりませんので、今後どういった形で検証ができるかを併せて検討してまいりたいと思います。
○阿部分科会長 ほかにいかがですか。よろしいですか。それでは、眞壁委員、竹下委員から頂いた御質問、御意見を踏まえまして、分科会委員の意見ということに関しては事務局と私のほうで相談させていただきたいと思いますが、その形で進めさせていただいてよろしいですか。また追加で御意見がございましたら、事務局に御連絡いただければと思います。それでは、議題1はこの辺りで終了させていただきまして、議題2に移りたいと思います。
議題2は、2020年度障害者雇用対策の年度目標についてになります。事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺課長 それでは資料2-1を御覧ください。この年度目標に対して幾つか頂いている御指摘についてまとめております。まず1点目の障害者の就職件数については、いわゆる同一の方が何度かお辞めになっていても、それを1件1件の就職として把握した件数になっておりますので、人数で把握をすることはできないのかという御指摘があったところです。離転職を繰り返した同一人物に対して、再度の就職支援をするということであれば、やはりハローワークのマッチング評価としては、1つ1つが行政の実績になりますので、引き続き現状通りの就職件数といった形で評価をしていきたいと考えております。
失業期間の長さを考慮すべきといった御指摘もあったところですが、特に障害者の場合ですと、離職をしたあと、すぐにそのあと求職活動に入る方ばかりではなく、少し状態が不安定になったり、お休みをしたいということもありますので、これを一率に失業期間ということで評価をすることがなかなか難しいかなと思っております。
それから、A型の事業所に対しての就職件数が増えている中で、A型事業所への就職を区別し、評価をすべきではないかという御指摘でした。ハローワークにおいては、A型についても雇用ということで求人を受理いたしております。一般の企業と、A型のそれぞれの求人に対して、個々の求職者の状況や勤務地、職種などの希望等も踏まえて、適格紹介に基づいて就職を斡旋しているということであり、結果的にA型になることも、もちろんそれは否定するものではないと思っております。したがって区分して評価をしていくことは馴染まないのではないかなと思っておりますが、A型事業所を就職件数として評価していること自体の取扱いについては、本質議論の中において検討していきたいと考えております。
雇用率達成企業割合のほうですが、達成割合のみならず障害者ゼロ企業に着目した、いわゆる1人も障害者を雇っていない企業に着目した目標を追加してはどうかという御指摘でした。それから精神障害者のトータルサポーターについても、就職件数、定着状況ということで評価すべきではないかといったこと。その他としては、特に竹下委員から何度も指摘があります障害種別、部位別の統計のデータ収集については非常に重要であると考えております。今の現状ですと、雇用状況調査において、部位別の把握はしておりませんが、把握をしていく方向で、どういったやり方ができるか、システム改修をしなければいけませんので、すぐには難しいと思いますが、部位別の集計を取っていく方向で検討してまいりたいと思っております。また、除外率の見直しについても、引き続き検討していくということで考えております。
このほか、定着率も重要な指標かなと思いますが、マッチング自体を評価するときに、就職先の人間関係とか、様々な状況の中で定着する、しないということ、あるいは次のステップに進むポジティブな転職もあろうかと思いますし、その辺りを一率に評価するのは難しいと考えております。ただ、システムの回収もあり、定着率については、被保険者になられる方については取れるようになってまいりますので、データとしては精査をして情報は共有させていただきたいと考えております。
このような考えに立ちまして、2020年度の目標(案)としてお示しをしております。資料2-2を御覧ください。今申し上げたようなこれまでの御指摘を踏まえ新たに2つの目標を立てております。大きくは、就職件数、雇用率関係、精神障害者雇用トータルサポーターという3つの柱立てについては変わっておりませんが、雇用率の観点、先ほど御指摘のあったようなゼロ企業に着目した目標を1つ加えております。最初は、ゼロ企業の割合というような形もあり得るのかなと検討しておりましたが、やはり打ち出しとしてはポジティブな感じで、ゼロ企業からの脱却していくという打ち出してはどうかという御意見もありましたので、雇用率関係の2にありますように、障害者雇用ゼロ企業中で新たに障害者を雇用した企業の割合といったような形で取っていきたいと思っております。考え方としては前年度以上とさせていただいております。
それから、精神障害者雇用トータルサポーターについては、トータルサポーターが支援対象としている精神障害者の求職者の皆さんは、例えばデイケアから移行してこられた方とか、ふらっとハローワークにいらっしゃる方もいたりして、すぐに求職活動に入れる方ばかりではないということで、少なくとも、例えば訓練に入るとか、求人に応募してみるというような次の段階に入った方で評価をしていたわけですが、ハローワークは最終的にはやはり就職ということが目的ですので、今回は、それとは別に、この支援をした方たちの中で就職した方の割合というのも別途、目標として掲げていきたいと考えております。考え方としては次の段階に移行した者の割合と同じように、直近3か年の平均値以上と考えております。
それ以外については、2019年度と同じ考え方に基づきまして目標設定をしていきたいと思います。現状においては、まだ実績が出そろっておりませんので具体的な数字は入っておりませんが、考え方としては、このような考え方で2020年度目標について設定させていただきたいということで案をお示ししております。よろしくお願いいたします。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは質疑、応答に入りたいと思います。御質問、御意見がありましたら、必ず挙手をしていただき、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただくようお願いいたします。竹下委員どうぞ。
○竹下委員 竹下です。2点、意見を述べさせていただきます。1点目のハローワークにおける就職者数なのですが、前年度を上回るという目標自体は1つの指標の立て方として前向きで分かるのですが、それとは別に求職者数の中で実際にどれだけ就職できたか、そういう意味では求職者に占める就職者数の比率というものをどこかでやっぱり示す必要があるのだろうと思うのです。例えば健常者の有効求人倍率は1.2か1.1ぐらいだと思うのですが、それに比べると障害者の就職率は極めて低いと思われますので、それらの分析をしていくためにも、件数だけに目標をおくのではなくて、そうした求職者の中での有効な就職者数も出すべきではないかというのが1点目です。
それから2点目の雇用達成率の企業の比率の問題ですが、これも何か前年度に比べてということのままでいいのかどうか、と言いますのは、非常にこの間の企業努力によって障害者雇用数はどんどん伸びてきていることは非常に素晴しいことではありますが、そうは言ってみても実際には50%をなかなか越えないという状況の中で、やはり企業での努力している所とそうではない所の問題があるのかもしれませんが、全体としての社会的な責任、ないしコンセンサスを作り出すためにも、全体の目標の50%達成をどういう形で目標を設定していくのかという議論、ないしは検討もあって然るべきかなと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。では、事務局よろしいですか。
○小野寺課長 1点目ですが、求職者全体。
○阿部分科会長 就職率ですよね。求職者に占める就職した人の割合という就職率も出したらどうかという。
○小野寺課長 就職率という形もあり得るかどうか、一旦検討させていただきたいと思います。
○阿部分科会長 はい。
○小野寺課長 それから雇用率達成企業割合のほうですが、過去10年間の平均という考え方に立っています。2020年度については、年度中に雇用率が引き上がるということが予定されており、2.2から2.3になってしまいますので、通常ベースでは過去10年間の平均値を出した上で、それ以上に引き上げていくというような形を取っているのですが、来年度については、その状況を踏まえた上で改めて目標値を設定させていただきたい。不確定要素が大きいものですから、実績を見た上で一旦考えさせていただきたいということで設定しております。
○竹下委員 はい、分かりました。
○阿部分科会長 では、仁平委員お願いします。
○仁平委員 連合の仁平です。目標の設定については、異論はありませんし賛成したいと思っております。ただ、目標に応じてハローワークの現場の付加ということも考えていく必要があるかなと思っております。現場の声として、実はシステム改修をして作業をしづらくなったという声も上がってきておりまして、就職数の実績なども傾向的には増加傾向にありますし、現場で障害者雇用促進を適切に対応していくためにも、必要な人員の確保などの実行体制を整えていくことが必要だと思いますので、要望として申し上げておきたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 では御要望として承ります。正木委員、武石委員の順で。
○正木委員 使用者側の正木です。障害者雇用ゼロ企業の中で新たに障害者を雇用した企業の割合について、事前の段階から今日までの間にいろいろと対応いただきましてありがとうございます。今でも、障害者雇用状況の集計の中で、一人も雇用していない企業の数と、未達成企業の占める割合は公表されていますので、その逆の、新たに障害者を雇用した企業の割合を出すことは可能だと思います。ただ、割合がいいのか、企業数がいいのか、関係者の目標としては、どちらが良いかということです。お考えがあって割合にされたのかということを伺いたいと思いました。「障害者雇用ゼロ企業の中で」といっても、その割合は、企業の数がさまざまな要因で増減すれば変動します。何とか雇ってもらうように頑張ろうということなら、むしろ企業数を目標設定としたほうがいいのではないのかという気がしたものですから、新たに障害者を雇用した企業の「割合」とした理由を教えてください。
○阿部分科会長 では、武石委員も関連するということですので。
○武石委員 私も同じ所なのですが、ゼロ企業中の割合というのが、先ほどのお話ではゼロが減っていくというお話でしたが、逆に障害者を雇っていたのだけれども、その人が辞めてしまってゼロになるという会社も出てくると思うのですが、そういうことを考えると、雇用率としては、雇用が求められている企業の中でゼロ企業が増えたか減ったかというものをシンプルに見ていくほうが、この指標としては分かりやすいのではないかと思うのです。正木委員おしゃったように、ゼロ企業が膨んだり減ったりして、これが常に減り続けるとすると、同じ100社ずつ減っていくと、どんどん分母が小さくなる分、率は高くなっていきます。ちょっと何かそれをどう評価するかという辺りで、その評価をする数値としては不適切なのではないかという気がするのですね。なのでシンプルに、全体のうちでゼロの割合が増えたか減ったかというのをまずは項目に上げて、その目標値をそれに応じて前年度とどうするかを考えたほうが分かりやすいのではないかなと思いました。以上です。
○小野寺課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。まず増減の部分については、基本的に雇用指導の結果ゼロから脱却したというところを評価するという意味では、倒産により事業廃止をしたような企業については、分母から除外して見ていきたいと思っています。また毎年度毎の状況で評価をしていきますので、当該、前年度にゼロ企業だった所が、今年度の指導によって雇入れが新たに加わっているいうような改善を見ていけるのかなと思っているのですが、数ではなく率にした意味は、数の変動による増減というより、達成水準という意味で率のほうが正しく評価ができるのではないかと考えた次第なのですが、今御指摘もありましたので、もう一度精査をしたいと思っております。
○阿部分科会長 少し整理させていただいて、また議論したいと思います。ほかにはいかがですか。
○小出委員 育成会の小出です。
○阿部分科会長 小出さん、お願いします。
○小出委員 意見とか、そういうのではないのですが、状況の御説明を少ししたいと思います。私は育成会の副会長やっておりますが、それとは別に、地元の県の障害者の雇用の促進のためのコーディネーターを配置するような事業を、NPOとして県のほうから受けてやっております。それは県内に15名のコーディネーターを設けまして、精神障害のほうのコーディネーターも昨年度から付けて、就労に向けてのいろいろな相談とか、実際に企業に行って活動しております。先ほど出たように、就職はしてもすぐに離職をしてしまうというケースもあり、また就職という件もあります。そうすると、年内での人数としては、就職したのは1人なのですが、就職の機会というのが2回で、複数回ということです。実は、その就職してもらうためのコストというのは、やはり就職につながったと、原因としては、そのあと離職するかもしれませんが、コストから見ると、その回数分がコストとしてかかるということです。そのことも、ハローワークさんとか、私どものようなコーディネーターを動かしている上では重要な要素になってくるのではないかということです。その辺の所、システムが入れ替えてということ、そういう分析もできるということもありましたので、この就職の実数とか、就職回数とか、そういう関連性とか、そういうのも明確になってくれば、私どもも非常に助かるなと、そういうふうに思います。これは状況の私どもの御説明です。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。その他いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、年度目標、2020年度の目標は、御意見もございましたので、もう一度事務局で整理をしていただいて、それからまだ具体的に目標が定まってはおりませんので、それも含めて、もう一度審議会のほうに出していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは議題2はこの辺りにしまして、議題3に移りたいと思います。今後の障害者雇用対策の検討の進め方についてです。では事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺課長 それでは資料3-1、それから参考として幾つか後ろに資料が付いておりますが、3-1に基づき御説明申し上げます。まず前提として、今後の分科会の運営について少し共有を図っておきたいと思います。次回ですが、できれば3月に開催させていただきたいと思います。本日もその他のところで御説明をいたしますが、これまでも何回か御報告しております、通勤と職場支援の関係での当面の措置として納付金助成金の拡充を予定していると説明申し上げてきました。次回は当面の支援策として納付金制度拡充に係る省令等の諮問を考えております。併せて、2020年度中に引上げを予定している雇用率の引上げの時期についても御議論いただければと思っております。それから、中小企業の認定制度、活躍推進計画、指針についてはこれまで繰り返し御議論いただき、お諮りし既に定めたところですが、これに基づくマニュアルや手引等について頂いた数々の御指摘を反映するといったことも説明してまいりましたので、次回手引やマニュアル等をお示しし、一定の御報告をと思っております。
それから2020年度以降のことです。現在、雇用と福祉の連携PTについて議論がなされているところですが、このPTについては一定の報告を夏ぐらいに取りまとめたいと、障害福祉部と考えています。この取りまとめについては、障害者部会及び障害者雇用分科会の両方に対して御報告することになろうかと思います。その上で、それ以降の議論の在り方については、やはりお諮りしていくことと思っております。1つの選択肢としては、例えば部会及び分科会において、一旦共同で何らかの形で議論の場を持って、それ以降の検討の方向性、例えばテーマごとにワーキングチーム、雇用と福祉それぞれの専門家にお入りいただいた上での検討の場などを設けながらということで、そういった検討の在り方も含めて一旦お諮りして、その後の議論につなげていきたいと思っております。その上で、障害福祉部においては2021年4月に、障害福祉サービスに係る報酬改定に向け、来年度議論が行われていくものと聞いておりますし、障害者総合支援法については3年後の見直し規定に基づくと、単純に考えれば令和5年の4月施行に向けて議論が進んでいくかと思われますので、障害福祉部のほうの議論も横目で見ながら、連携しながら、当分科会においても今後の議論を進めていくことになろうかと思っております。
その上で、これまでの在り方研究会、当分科会、本案成立時に課せられている附帯決議等、これらの御指摘を踏まえて整理をした結果、主な検討の視点として事務局として整理をいたしておりますのが、資料3-1です。大きなテーマ立てとしては、雇用率制度の在り方、納付金制度の在り方、その他と様々な各論がございます。備考にあるように、それぞれ議論していただく上でのJEED調査の結果など、雇用福祉連携PTでの検討の方向などをそれぞれ踏まえつつ、適宜この分科会でも議論を進めていくことになろうかと思います。本日は、ここにお示ししている視点に抜け漏れがないか、もっと追加的な観点が必要ではないか、あるいは議論する上で様々な追加的なエビデンスが必要ではないかといったようなことを御議論いただきたいと思っております。
主な検討の視点です。具体的に御説明いたします。まず、一点目の雇用率制度の在り方について。1つ目が法定雇用率の段階的な引上げに関する検討についてです。法定雇用率については、御承知のとおり労働者の総数に対して対象障害者の総数の割合を基準として設定するものという規定があります。令和4年度末までは、少なくとも5年ごとに定める雇用率自体を経過措置として段階的な引上げが可能ということで取り扱っております。これについて令和5年度以降どうしていくか、検討が必要になってきます。
2つ目の対象障害者の範囲については、法案審議の過程においても、例えば難病の取扱いなどの御指摘もあったところです。今は手帳主義に基づいて運用しておりますが、その範囲についてどう考えるかというところで、さらに、例えば就労能力を個別に判定した上で、それぞれ個別認定をしていくやり方もあるのではないかということです。その際に専門家が集って検討の場を設けるべきという御指摘もあったところです。こういった対象障害者の範囲については、現行20時間以上カウントしておりますが、週10時間以上ということで短時間特例給付金を創設した段階ですので、例えば10時間、それから10時間未満の方々といった労働者についての区分を雇用率カウント上どう考えていくかも1つの論点になってくるかと思います。実は、就労能力の判定の在り方については様々な場面でアセスメントが行われており、この辺りの障害者に対しての個別の就労能力の判定がどうあるべきかも含めて、JEEDのほうで調査をと思っております。この辺りをJEEDと更に調整を進めたいと思います。
それから3つ目ですが、雇用率制度におけるA型の評価についてです。A型についての在り方論については、雇用福祉連携PTでも議論をしていく課題になっております。
4つ目は精神障害者である短時間労働者のカウントの特例ということで、令和4年度末まで精神障害者については短時間の労働者についても1カウントとして措置されておりますので、この取扱いについてどう考えるかということです。この件については実際に働いている精神障害者の方、雇っている企業側に対して調査を行っているところです。JEEDの調査結果自体は令和3年度取りまとめでとなっているので、この辺りも踏まえながら議論していきたいと思っております。
それと、5つ目のポツは中高年齢層等、長期継続雇用の評価について、特に使用者側からの御意見ですが、こういった方たちについてカウントで重めに評価をしていくべきという御議論でした。併せて、除外率制度についても繰り返し御指摘のあったところです。除外率制度については、除外の考え方が措置されている業種等について、実際に障害者雇用の困難性や雇用の実態がどうなっているのかについて、JEEDに調査をお願いしております。令和2年、今年の秋くらいに中間取りまとめということですので、この辺りの結果もお示ししながら議論を進めていただければと思っております。
2つ目の納付金制度の在り方についてです。中小企業における調整金及び納付金制度の適用範囲の拡大ということで、今は45.5人以上に雇用義務を課しておりますが、納付金については100人以上であり、隙間が空いているところです。一方で、その納付金の義務も45.5、つまり雇用義務を課しているところまで拡大すべきという意見もある中で、やはり中小企業の様々な状況を踏まえた上で検討すべきという御意見もあったところです。中小企業については社会保険の適用拡大や、同一労働同一賃金の関連法についても、いよいよ2021年度から適用がなされることもあります。また、最賃の引上げが続く中での影響もありますし、中小企業を取り巻く環境に係るデータも、併せて収集しながら御議論いただくべきと思っております。
また、大企業A型に対する調整金の在り方です。納付金制度自体はそれぞれ個々の企業の経済負担の調整ということで措置されておりますが、一方で雇用義務より多く障害者を雇っている企業に対しては上限なく調整金が出ているというところで、そのバランスを欠いているのではないかというような御指摘でした。併せて、納付金制度の財政運営の安定性に向けた調整機能の在り方ということも御指摘としてありました。
それ以外のその他の事項です。差別禁止及び合理的配慮の提供に係る実施状況の把握についてです。これも今、JEEDの調査において実態把握をしているところです。その中で、合理的配慮として、短時間勤務制度の措置がどのようになされているかということも実態調査をし、御議論いただければと思っております。それから在宅や就労施設での障害者の就業機会の確保については、更なる支援が必要ではないかというような論点です。また、当面の対応として一定の方向性を出していますが、通勤、職場における支援の検討、それから障害者の就労支援全体の在るべき姿、その中での教育との連携や雇用・年金・福祉等の諸制度間での連携など、雇用福祉連携PTの中でも今後、議論を進めていく内容になってまいります。さらに公務部門、あるいは中小企業において更なる障害者の雇用の促進のためにどういった支援があるのかといったこと。以上が、現在において整理をしている主な検討の視点です。これについて、先ほど申し上げたような御指摘等があれば是非お願いしたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 それでは質疑応答に入りたいと思います。御発言いただく際には必ず挙手をしていただき、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただくよう、お願いいたします。
基本的には、論点が追加的にあればということと、もし必要な資料があれば、そういったものを御発言いただきたいということではございますが、いろいろな意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは阿部委員、お願いいたします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部と申します。この資料3-1の下から3行目、教育との連携というのはとても大事なことだと思っています。これは連携もですが、連携の言葉の中には、やはり教員の質ということもあると思いますが、今は雇用福祉連携PTで行っていますが、やがてこれは文科省とかで、その教員の質の向上、それは新たに教員になる人の教育にも及んでくると思います。この方向性というので、今お答えいただけることがあったらお話しいただきたいと思います。これはとても大事なことだと思っています。お願いします。
○阿部分科会長 では事務局、お願いします。
○小野寺課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。雇用の福祉連携PTにおきましては、必要に応じて様々な連携を図るべき部署にお入りいただいて議論していくという立て付けになっております。実は一度、文科省の特別支援教育課長にもお入りいただいて開催しているという経緯がございます。併せまして、このPT以外にも、文部科学省とは様々な議論をしながら進めておりますので、また適宜、PTのほうにもお招きしたりということでやってまいりたいと。阿部委員の御指摘のあったように、教育の中における教員の質といったようなところで、どこまで踏み込めるか分かりませんが、その辺りの問題提起もしてまいりたいと思っております。
○阿部委員 とても大事なお答えで、ありがとうございます。と申しますのは、例えば特別支援教育における教育の個別支援計画、指導計画は出来ているのですが、その支援計画というのは将来の就労を見通した計画であるはずですが、これが十分かどうかという視点とか、また特別支援学校にはスクールソーシャルワーカーが配置されていません。将来の地域生活を考えるのであれば、なぜその特別支援学校にスクールソーシャルワーカーがいないのかというのも、将来の生活設計ということを考えると、とても課題があると思いますので、そのようなことまでも検討していただければといいと思いますし、またこの場でも議論していただければありがたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。では、ほかにいかがですか。竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 全体としては、この目標課題でいいかと思うのですが、少し気になる点だけ質問させていただきます。「その他」の最初のポツの「差別禁止及び合理的配慮の提供の実施状況の把握について」は、JEEDで調査するとなっています。4番目のポツの「通勤支援、職場における支援の検討」は、正に今後大きな一歩を踏み出すことになりそうですが、この部分は雇用福祉連携PTになっているわけです。この部分は今後、多分大きな、4番目の黒ポツの部分にも関係し、合理的配慮の部分で大きな目玉といいますか、中心的な役割を果たす部分になるのではないかと思うのです。そのことを考えますと、この通勤と職場介助の問題を今後どういう形で充実させるかということと、この差別禁止、合理的配慮の実態把握というものは一体的に御検討いただくことが必要ではないかと思っております。
それから7番目のポツの公務部門における障害者雇用の促進ですが、これ自体は是非議論していただきたいのですが、今回の通勤・職場介助についても、雇用納付金制度を利用するため、公務部門には適用がないわけです。そうすると公務部門における合理的配慮がどういう形で確立され、あるいは促進されているかはなかなか外から見えないし、定形的な広がりというものが見えてきません。そういう意味で、この公務部門における合理的配慮の仕組みづくりということも是非、議論が必要ではないかと思っておりますので、よろしくお願いします。以上です。
○阿部分科会長 事務局、何かありますか、特にありませんか。
○小野寺課長 はい。
○阿部分科会長 では、御意見として承ります。では大内代理、お願いします。
○大内代理 日本商工会議所の大内でございます。私のほうからは3点ほどコメントをさせていただきます。1点目は、「雇用と福祉、教育の連携」に関してです。配布資料3-1「主な検討の視点」の中にも、様々な項目が盛り込まれています。また、連携PTで今現在御議論いただいているところではございますが、非常に重要な点ですので、是非、双方の施策が上手く連携し、その効果が発揮されることを期待しております。特に就労支援A型事業所も、この「検討の視点」に入っておりますが、そもそもの成り立ちや位置付け等を踏まえ、是非様々な観点から、事業所の位置付けを今後どういうふうに位置付けていくかということについて、丁寧な議論をお願いしたいと思います。
2点目につきましては、「短時間労働者」に関してです。カウント特例や、特例給付金の支給範囲の拡大等々、「検討の視点」にいろいろと盛り込まれておりますが、障害者の働き方の選択肢が増え、企業の雇用の選択肢が増えるということで、短期間労働者をカウントしていくことは、非常に良い取組だと思います。是非こういった議論の中で、障害のある方への幅広い適用も含めて御検討いただければと思います。
そして最後に、「中小企業」に関してです。中小企業の影響については、調整金、納付金の適用範囲拡大のときに、いろいろ調査されているということですが、正に事務局のおっしゃられたとおり、中小企業は、同じ時期に社会保障負担増、同一労働同一賃金、働き方改革等々が導入され、負担が非常に高まっております。これは人的負担もそうですが、金銭的な負担で、非常に重いものがございます。検討する際には是非、そういった視点を踏まえて、いつから導入するのが適当なのか等々を含めて、御検討いただければと思います。また、中小企業認定制度について、この「検討の視点」の中にはございませんが、既にスタートした事業としてあり、認定制度のような後押しする制度というのは、中小企業の前向きな姿勢を支援するものですので、こういったものを、より拡充したり、あるいは認定制度に限らず、他にもこういうような後押しするような制度がございましたら、是非今後も「検討の視点」として含めていただけたらと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。では中川委員、お願いします。
○中川委員 中川でございます。「雇用率制度の在り方について」の中の精神障害者の短時間労働者に関するカウントについてです。一応、現在は5年間の時限措置が講じられているわけですが、その5年の間にJEEDの調査を含めて、エビデンスに基づいて5年間で打ち切りになるのか、それとも延長になるのかということは多分、結論として出すことになると思いますが、単にそういう狭小化した議論ではなく、精神障害者の雇用率のカウントの仕方について、現在はダブルカウントがないわけですが、そういうことも含めて、もう少し本質的な議論を、この会で行っていただきたいというのが、第1点目です。
それから第2点目として、全体に関わる問題ですが、それぞれ非常に大きな問題ですので、引き続き検討としか言いようがないというのはよく分かるのですが、それぞれ永遠に引き続き検討にならないようにしていただきたいというのがあります。いつ頃までに一応の結論を出すという目標設定みたいなものを是非出していただいて、そのためには、例えばワーキンググループを立ち上げるとか、あとは研究会を立ち上げるとか、何かその期限までに結論を出すために必要な策を是非、講じていただきたいというのが意見でございます。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。では岡本委員からお願いいたします。
○岡本委員 労働側の岡本でございます。これから様々な雇用対策の話をしていくのに当たって、少し俯瞰的な視点を取りたいと思っております。いわゆる労働時間は減少していくということが間違いなく言われています。そのような中、そこで働く、就職を希望する障害者の方々というのが、今後どういうような推移を予測されるのかどうか。データとしてあるのかどうかもちょっと私には分からないのですが、そういった全体の労働者に占める障害者の雇用を考えるときに、少し俯瞰した見方ができるようなデータが何かあると、ものごとを中長期的に考えるときに参考になるのではないかと思います。あればという話ではありますが、少し御検討いただければと思います。
○阿部分科会長 ありがとうございます。では正木委員からお願いします。
○正木委員 ありがとうございます。使用者側の正木でございます。私どもは、この雇用率制度の在り方などについて、雇用の質の向上の観点を大切にしながら議論に臨んでいきたいと思います。これだけ多岐にわたるいろいろな重要な項目があるということですので、まずは2018年の有識者会議の報告書までの議論の積み上げの部分は大切にしていただくなど、既に議論の積み重ねがあるものはうまく使って、議論を効率的に、前に進めていただきたいということが一つございます。例えば、雇用率制度の在り方の1つ目のポツの法定雇用率の段階的な引き上げに関する検討の部分とか、5つ目のポツの中高年齢層等、長期継続雇用の評価などについては、有識者検討会で既に議論の積み重ねがあると思います。また、長期継続雇用の評価の議論をする上で、先ほど定着率の議論がありましたが、どれくらい長く働いていらっしゃる方がいるかといった具体的なデータが必要です。これくらい長く雇用していたら評価しようという議論ができるようなデータを出していただきたいと思います。
○阿部分科会長 では仁平委員、お願いします。
○仁平委員 連合の仁平です。ここに挙げられている項目というのは、どれも重要だと思いますし、やはり現行制度を大きく変えるような内容もあるのではないかと思います。一つ一つ掘り下げた議論が必要なのではないかと認識しているところです。そういう意味で、調査のタイミングとか、あと小野寺課長から検討の場もいろいろ工夫したいのだという説明もありましたが、検討の進め方として時間切れで十分な議論ができなかったということがないように工夫をしていただきたいと思います。現状で、時間軸みたいな話が、走りながらということかもしれませんが、今イメージとしてあればお聞かせいただきたいというのが1つです。
取り分け私どもとして関心があるのは、雇用率制度の対象障害者の範囲についての就労能力の判定の仕組みとか、手帳所持者以外の支援の在り方などについては非常に根本的に影響があると思っておりますので、十分時間を取って検討できるような形にしていただきたいと思っています。
もう1つは、これもどなたかからありましたが、通勤支援、職場における介護支援などについても検討される項目として上がっております。今回、後ほどご説明があるのだと思うのですが、一歩を踏み出すわけですが、基本的に更にこれをどういうふうに進めていくのかということで、十分な議論がここについても必要かと思っております。
最後に1つ質問なのですが、公務部門における障害者雇用の促進と書いてあるのですが、ここについて、この間の様々な取組を通じて、公務部門の雇用率というのは達成できそうにあるのではないかと思っておりますが、その先の取組として、民間より先んじて、もう一歩取り組んでいくという考えなのかどうかを質問させていただきたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 では御質問ですので、事務局お願いいたします。
○小野寺課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。まず、1点目の時間軸の話ですが、今日はこういった形で全体としての視点ということでお示ししておりますが、また少し一歩進んだ形でのスケジュール感、見通しや、論点の優先順位もお示ししながらイメージを共有していきたいと思っております。1つの節目は、先ほど申し上げたような雇用福祉連携PTの取りまとめが夏にあるということです。そこから更に、少しテーマを具体化し、絞り込んで個別の検討を深めていく場を設けていくというようなところで、令和3年度に向けてしっかり議論することが、まず1つだと思っております。それ以降については、障害福祉部の検討状況とも影響し合う議論も結構ありますので、その辺りを見通しながら、また更にお示しできればと思っております。
それから、最後の公務部門のお話です。公務部門の雇用率は民間よりも高く設定しております。まず雇用数として民間よりも率先垂範してということは当然のことですが、より一層重要視しなければいけないのは、今回の法律改正でも盛り込んでおりますが、活躍推進計画に基づいて、一人一人の能力をしっかり発揮していただく環境整備、いわゆる質の部分の担保をしっかりとしていかなくてはいけないということで申し上げますと、この活躍推進計画自体が今後しっかりとPDCAサイクルを回して、実効あるものとして運用されていくことをきちんと担保した上で、より一層民間に、今度は範を示すような質の向上という部分を目指していくのかなと思っております。以上です。
○阿部分科会長 ほかにいかがですか。よろしいですか。それでは、本日皆様からいただいた意見を事務局で整理していただいて、次回以降、各論について検討していきたいと思います。特に、先ほど事務局からもお答えがありましたが、どういった進め方で、いつまでに何をどのような形で議論していくのかというのは、少し御検討いただきたいと思います。それからもう1つは、どのような場で議論するか、ワーキングチームという言葉もありましたし、福祉との連携というのもありますので、その辺りを少しお考えいただいて、皆様に御提示いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の議題に入りたいと思います。次の議題は、労働政策審議会労働政策基本部会報告書についてです。説明をお願いいたします。
○田中政策統括官付参事官 政策統括官付参事官の田中と申します。私から、資料のシリーズ資料4-1、資料4-2、資料4-3で用意させていただいている、労働政策審議会労働政策基本部会の報告書について、御報告させていただきます。資料4-1、資料4-3を中心に御説明させていただきます。この労働政策審議会労働政策基本部会ですが、概要の一番最後にメンバー表を載せておりますが、個別具体の制度の設計ということではなくて少し中長期的な視点から議論するということで、設けられている部会です。この部会で議論して、ここの標題にある報告書について、昨年の9月11日の労働政策審議会の本審に御報告させていただきまして、了承を得られたものです。その労働政策審議会の本審で、それぞれ各分科会での議論の参考にもなるのではないかということで、それぞれの分科会において、この報告書の内容について御報告させていただく機会を設けるようにということがありまして、本日、御説明させていただくものです。
概要の「はじめに」を御覧いただきますと、前提として、AI等の新技術の進展については非常に早いスピードで進んでいます。そういう中では、良かれ悪しかれ仕事の在り方については変化をしていっており、また、その変化についても非常に速度が早いというような状況がございます。
一方で、労働市場、人口全体を見ますと、参考の資料4-3の初めのほうにも載せておりますが、人口の減少が加速化しています。また一方で、人口の減少が加速化する中で、それぞれの一人一人の方が、どれだけ長い職業人生を送られるかということについては、だんだん長くなってきているという状況にありますので、職業生活が長期化する中で何を考えていかなければいけないのかということも、同時に課題となってまいります。
そういうような人口動態、また技術の進歩という中では、やはり私たちが考えていかなければならないのは、AI等を積極的に、私たちが主体的にいかしていく、そういうようなことで労働生産性の向上を通じて経済成長の基盤となり、ひいては、それぞれの労働者の幸福の向上につながり、日本全体がその豊かさにつながるということです。ここの標題の副題にもあるように、働く人がAI等の新技術を主体的にいかして、豊かな将来を実現するということですので、やはり人間が中心となってAIをどのようにうまく活用していくのか、それによって豊かな将来につなげていこうという視点からの報告です。
基本的に、こういうようなポジティブな視点でまとめをさせていただいておりますが、「はじめに」の○の2つ目にあるように、「一方で」ということで、AI等が導入されていくことによって、このAI等に代替されるタスクから構成される仕事の減少をもたらす懸念があるということは事実です。当然のことながら、労働者がタスクの変化に伴って求められるキャリアチェンジやスキルアップを図っていくことが新たな課題として生じてまいります。
そういうような中で、1.質の高い労働の実現のためのAI等の活用ということで、「はじめに」で申し上げたことと少しダブる部分がございますが、社会経済の活力を人口減少の中で維持していくということのために、AIが大きな付加価値を生み出すというような方向で導入されていくこと。また、そのAIが導入されることによって、働くことに様々な制約のある方にとっても活躍の場が広がることが期待されております。また、そういったようなことを通じて、全体として労働条件の向上にもつながるということが期待されています。
(2)として、就業構造の変化に対応したAI等の導入ということで書いております。参考資料の2ページ以降に、関連するデータを付けております。産業別で見ますと、「医療・福祉」の就業者数が増加傾向にあります。就業者数は卸し・小売、製造、医療・福祉ということで、全就業者の45%がここで働いています。職種別で見ますと、事務、専門・技術、生産工程ということで50%を占めるというものが、現在の就業構造の現状です。3ページの職業別非正規雇用労働者については、サービス、販売、事務に多く、そしてその多くを女性が占めているという現状です。
ここで「AI等」と申していますのは、その高度な技術を広く使ったものと理解していただければよいかと思いますが、今、どういうものが導入されているかという具体例を、参考資料4-3の5ページ以降に書いております。1つの特徴としては、なかなか今までこういうような、いわゆる機械化が進みにくかったような分野で、AI等が導入されているというのが、現状の特徴としてございます。
5ページ以降に、RPAやチャットボットといったことも書いております。今まで、なかなか効率化が図られてこなかった事務処理の分野でのAI等の導入が進んでおります。そういうような中では、今後、その労働力の需給について見ますと、事務職が過剰となってくることが想定されます。一方で、専門職については不足してくるだろうということも想定されております。RPAで事務のお話を申し上げましたが、もう1つ、資料4-1の概要の(2)の3番目のポツにありますように、対人業務、例えば介護の分野、自動車運転の分野というような所で、自動化を含めたAIの導入も進んでいます。こういったような職種においては、過剰かどうかということより、むしろ今、ここで人手不足、それから働く人、一人一人の心身の負担が課題となっていますので、むしろAI等の導入によって、人手不足への対応とか、そういったような労働者の負担が軽減されてくるということが期待されております。
概要の(2)「就業構造の変化に対応したAI等の導入」になります。今、ではどういう所がAI等を導入していて、何がネックになって進んでいるのか進んでいないのかということを示しています。企業規模では、やはり大きいほうが導入が進んでいます。なぜ導入をしないのかについては、コストの面もありますが、導入後のビジネスモデルについて余り明確ではないからという声が強くなっています。今後のAI等の導入は、先ほど申し上げましたような介護、自動車運転等の人手不足の課題解決が図られることが必要な分野に、特に積極的な開発実装が進むような政策的な支援も必要になってこようかと思われます。
次に、資料4-1の概要の(3)「イノベーションによる産業構造の変化と雇用への影響」です。雇用にAI等が入ってイノベーション等が起こってくると産業構造は変わってきます。既存産業の在り方も大きく変化します。また、新しい産業が生まれてくるというようなことが期待されているわけで、むしろこれが雇用・労働に及ぼす影響について関係者がしっかりと議論をしていくことが必要であろうかと考えています。特に、全体的な人手不足傾向が緩和されていく中で、職種によっては余ってきたり、足りないということでミスマッチが起きてくることが想定されます。こういったような課題について、しっかりと対応を今から検討しておく必要があるのではないかと考えております。
次のページです。では、実際にAIが普及することによって個々の働く場がどのように変わってくるかということです。当然のことながら、AI等の活用に伴いまして、業務の内容や求められるスキルは変化していきます。ここで申し上げておきたいのは、AIが全ての仕事を奪ってしまうということではないということです。当然のことながら、AIにタスクが代替されていく仕事というのはあり、そういうようなタスクが減少していくことによって仕事の内容が変わってくるということは考えられることではありますが、やはり人でなければできない業務、人がやるからこそ付加価値のある業務、仕事、タスクといったようなものは、今後も残り続けると考えております。
そういうような中で必要なこととしては、やはり変化に対応できるようなスキルアップをしていくということです。それから、新技術が導入されるのを、いかにうまく職場で受け止められるように、働く人のためになるように、またその企業のためになるように適応させていくことができるかということで、ここの(1)の2つ目のポツにありますように、どのように導入していこうかということについて、労使のコミュニケーションを図りながら進めていくことが重要であることを指摘させていただいております。
4ページ、5ページは、AI等との協働に必要なスキルについてです。まず基本的なITリテラシーから始まり、やはり現場を知っている人がどのようにAIを活用していくのかということで設計されていく必要がありますので、そういうようなイノベーションの創出につながるような人材を育成、それから活躍できる環境の整備が求められています。ただ今後、何が求められてくるかということで、そういうようなITのスキルについては、当然ですが、人間的な資質について、やはり人間がやることに付加価値を見いだしていくということであれば、こういうような人間的資質を高めていくというようなことも、当然ながら引き続き課題となってきます。
5ページ、(3)スキルアップ・キャリアチェンジに向けた支援について、引き続き行っていく必要があります。それは政府がやることと、民間部門がやっていくこととがあろうかと思います。(4)労働者への支援です。AI等の活用が進むことに伴って、そういうようなキャリアチェンジが必要になってきますので、スキルアップやキャリアチェンジにも取り組めるような環境整備が必要です。一方で、そのような中でも、様々な理由から、どうしても付いていけないという労働者が出るというようなことにも留意が必要です。そういう方も社会にしっかりと包摂されていくということで、福祉施策を含めて議論を深めていくことが必要になろうかと考えております。
最後のページです。6ページの3.働く現場でAI等が適切に活用されるための課題ということで、AI一般についても含めて課題を上げております。(1)プライバシーの保護や情報セキュリティの確保です。(2)AIが判断するということで、その判断に企業がいかに説明責任を果たしていくか、倫理感をもって対応していくかということが求められています。また、(3)早い変化のスピードの中で、新しい働き方とか、次にどのようにつなげていくのかというようなことへの対応も、スピード感をもって検討をすることが必要です。最後に(4)AI等をうまく活用していくためには、現場の労使を含め、しっかりとコミュニケーションを取っていくということが何よりも重要だということを指摘させていただいております。
こういうような中で、この基本部会の報告書については、一旦これで一区切りではございますが、この政労使、特に労使の現場でのコミュニケーションの重要性について指摘されましたことを受けまして、現在、現場を知る方にも入っていただいて検討会ということで、どのようなコミュニケーションの取り方があるのか、どういうような好事例があるのかといったようなことを中心に、更に検討を続けているところです。また、まとまりましたら、適切な時期に御報告させていただければと思います。以上です。
○阿部分科会長 基本部会の報告書の説明でしたが、我々、障害者雇用分科会にも、AIの影響というものが障害者雇用にどのような影響を与えるかということは非常に関心の高いところではないかと思いまして、今回、基本部会の報告書がまとまったところで御説明いただいたということです。それでは、ただいまの報告につきまして、何か御質問あるいは御意見がございましたら、御発言をお願いしたいと思います。御発言の際は必ず挙手をしていただいて、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただくようお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○竹下委員 竹下です。2の(4)に関連するのですが、AI等の活用が進む中での労働者への支援という所です。この部分を読んでいますと、言わばAIの導入によって、そこから排斥されると言いますか、そういう労働者を前提ないしは想定しているように読めるので、少し違和感があるわけです。
取り分け、我々との関係で言いますと、障害を持った労働者を想定したAIの活用ないしはAIの進歩というものが、ここにはどこにも読み取れないというのは少し残念だと思っております。したがって、AIが正に今後の労働生産性及び労働者の、言わば過重労働の軽減に結び付くとするならば、障害を持った労働者が、より生産性を上げ、あるいは労働しやすい環境に結び付くAIであるべきだと思っていますので、そうした点での一考も今後御検討いただくことをお願いしたいと思っています。以上です。
○阿部分科会長 では、御意見でしたが、事務局のほうで何かございますか。
○田中政策統括官付参事官 障害のある方も含めまして働く人、それから生活する人にメリットがあるようなという言い方をするとおかしいですが、そういうような視点でAIの開発についても当たるべきなのではないかということかと思いますし、それは御指摘のとおりかと思います。
それで、ここに書いておりますのは、ついていけない人が出るだろうということを前提としているというよりは、むしろそういうような形で進んだとしても、もしかしたら様々な要因で、なかなかうまくアダプトできない人が生じてくる可能性もあるというようなことについて、バラ色のことだけでなくて、そういうようなことについても言及することが必要なのではないか、そういう議論の中で言及させていただいているものです。ありがとうございます。
○阿部分科会長 ほかにいかがでしょうか。
○正木委員 逆にと言うか、この分野は日進月歩で進んでいますので、障害の様々な機能を補う技術はどんどん出てくると思いますし、それが進むと、例えばこれぐらいのものを備えておくのが合理的な配慮として当たり前とか、いろいろな常識も変わってくると思います。具体的にどのような技術が進むと、例えばこういう障害者に対する配慮もこう変わってくるといった検討は今後、この基本部会でされるのでしょうか。
○阿部分科会長 では、御質問ですから、事務局からお願いいたします。
○田中政策統括官付参事官 この基本部会では、基本的に横断的な事項を議論することになっていますので、障害の分野に特化したような議論を基本部会で行うかということについては、少なくとも現段階ではそういうような予定はしておりませんが、今後様々な議論が進む中で、課題として取り上げられるものが出てきて、皆さんの合意が得られるような中で、またその議論の場も決まってくるのではないかと考えます。
○阿部分科会長 むしろ、今の正木委員の御意見を踏まえれば、障害者雇用分科会の中で何か議論をしていくということが必要なのかもしれませんが、その点に関しては事務局と相談しながら進めていきたいと思います。いずれにしても、AIが障害者雇用を普及促進させるためにつながるようなものがあれば、それは是非やっていったほうがいいと思いますし、AIの普及に伴って、障害者だけではなくて、一般の方についても、労働の在り方は大きく変容させる可能性があるという報告だと思いますので、それが障害者雇用にもどのような影響をするのかというのは、考えておくべきだろうと思います。
正木委員の御意見を踏まえて、今後どのように展開していくかは、少し整理させていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、議題4はこの辺りにさせていただきます。
最後の議題5のその他に移ります。では、事務務局から説明をお願いします。
○小野寺課長 それでは障害者雇用対策課長の小野寺でございます。その他として、2つ御報告がございます。資料5を御覧ください。雇用福祉連携PTの議論をこれまでも御報告申し上げてまいりましたが、障害者への職場通勤における支援策ということで、当面の措置として納付金制度自体の拡充について措置をしたいと考えている内容について、御報告申し上げます。
今回の支援ですが、障害福祉部のほうで措置をされる予定になっています地域生活支援事業の新事業は自治体が必要と認める場合に、各自治体において支援を行うといった立て付けになります。雇用と福祉連携した支援ということですので、雇用施策としては当該新事業とセットで納付金助成金の拡充を措置していきたいと考えております。
2ページ目に、現行の助成金制度の御紹介をしておりますが、今回拡充するのが、下の2つの枠組みにある障害者介助等助成金と、重度障害者等通勤対策助成金です。1ページ目に戻りまして、重度訪問介護サービス利用者、それから同行援護及び行動援護の利用者の方たちを対象としています。その上で、障害者雇用促進法のいわゆる対象障害者に対して今回モデル事業ということですので、労働時間等については制限せず、措置していきたいと考えています。また、公務、自営については除かせていただき、いわゆる雇用されている労働者を対象に、この納付金の拡充を図っていくということです。
上のほうが、障害者の職場での介助に対して拡充する障害者介助等助成金の拡充案で、現行の助成率は4分の3ということで措置しているものを、5分の4、中小企業については10分の9という高率の助成にします。上限額についても、現行は年上限150万ということで置いておりますが、高率にした助成率で割り戻しをして、月額での上限額として月額13.3万円、中小企業の場合には約15万円ということで、年ベースで見ますと160万円と180万円という上限額になってまいります。
今回の肝は、この重訪サービス等を利用されている方が、御自身が利用しているヘルパーを引き続きシームレスでお使いいただくことを援助するということになりますので、それぞれのサービス事業者と契約を結んでいただく形になりまして、契約は基本的には年度単位で契約していただくことになります。
併せて、下のほうが通勤のほうですが、同じような考え方に基づいて、現行は1か月で措置をしているものを3か月ということで、助成期間を延ばし、助成率の上限額についても同じような考え方で、5分の4、10分の9として、対象障害者1人について月額7.4万円、中小企業は8.4万円ということで、引き上げています。
基本的には障害福祉部のほうの措置が自治体等にお願いすることになりますので、施行までの準備を整えなければいけないということで、今年の10月1日の施行を目指して準備を進めていきたいと思っております。ですので、令和2年度については、6か月の措置になろうかと考えております。拡充案については以上です。
○阿部分科会長 それでは、ただいまの報告について、御質問、御意見がありましたら、御発言いただきたいと思います。必ず挙手をしていただいて、私の指名の後にお名前を名乗ってから御発言いただくようお願いいたします。では、内田委員からお願いします。
○内田委員 御説明ありがとうございます。労働側の内田です。私からは、要望を1点挙げさせていただきます。障害者介助等助成金の※の所で、現行の助成金メニューの中の職場介助の配置・委嘱、手話通訳・要約筆記等担当者の委嘱等については現状維持だという記載がございますが、私どもの職場から、手話通訳について拡充していただきたいという要請を頂いておりますので、是非、今後対象者の拡充の中で御検討いただきたいということで要望させていただきます。
○阿部分科会長 御要望として承ります。阿部委員、お願いいたします。
○阿部委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。ただいま説明いただきましたが、当面の措置ということでのお話でした。そしてまた、この財源に関しては、納付金制度と地域生活支援事業ということでのお話でありまして、確認は、例えば障害者介助等助成金で、同行援護、行動援護というのは、今は自立支援給付で、義務的経費に位置付けられているのだけれども、裁量的経費と言うか、地域で負担のあり得る経費としてのところでの今回の拡充ということですが、ここにお示しいただいたのは納付金制度で行う部分なのでしょうか。それに対して、福祉領域での検討の中で行うこともあるのですよね。行うことと言うか、障害者介助等助成金は、納付金事業だけのことで、でも、これプラス地域生活支援事業ということであれば、そちらのほうのメニューもあるのかなと思って、お聞きしたところですので、それをお伺いしたいと思いました。
もう1つは、それぞれの自治体で、障害福祉計画の策定は来年度の課題で、再来年度からの3年度の障害福祉計画を各自治体で作っていくときに、これはとても大きなことだと思います。
それで、少し外れるようでもあり、私たちにとっては大事なのですが、いわゆる雇用率制度については、再三お話がありますように、本社の数値に入っていきます。そうであっても、地域では障害者雇用を支援していく必要があるのは当然ですが、これを地方自治体のインセンティブと言うか、しっかりと取り組む必要があるというようなことで、例えば雇用率制度、もちろん本社に加算されるというのは今の仕組みですが、地域、その辺のところが向上したというような指標なども考えていただければ有り難いなと思います。そのようなことで、幾つかの質問と確認がありました。まず、地域生活支援事業での取組はどういうことになるのかということでお願いします。
○阿部分科会長 では、事務局からお願いいたします。
○小野寺課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。事業全体の枠組みを本日はお示しできていませんので、そういった御質問をいただいたのかなと思います。少し分かりにくいのですが、例えば今回のこの措置を使って仕事をされたいというような重訪サービスの利用者の方がいらしたときに、例えばその方が4時間勤務をするとなると、今はその4時間分は経済活動になってしまいますので、全く支援が使えないということで隙間が生じるという問題意識から始まっています。では、この4時間のうち一定部分を企業が業務介助として負担しましょうと。例えば1時間分を企業のほうが見ましょうといったときに、その1時間分を企業が措置したものに対して、この助成金を使っていただくと。残りの3時間は、自治体が認めれば、いわゆる地活事業の新事業ほうで措置されるということになる。連携して支援するということになります。枠組みとしては、我々は企業が負担した部分に対して助成金で支援していくという形になります。そのようなことでよろしいでしょうか。
○阿部委員 今のことでの確認ですが、そうすると、それぞれの自治体が地域生活支援事業で取り組みますということがなければ、行うことが難しいということになりますよね。
○小野寺課長 はい。
○阿部委員 だからこそ、自治体のそれに取り組むモチベーションというか、そういうものがしっかりと、私たちは地域の中で発信していきたいと思いますけれども、また先ほどお話しましたが、雇用率というのが、自治体が努力したとしても、今のままでは自治体には、大きな会社の場合は反映しない仕組みですよね。その辺のところがもっと明確になるとしたなら、私たちも自治体で発言していきたいと思いますし、正に障害福祉計画の策定が来年度で、再来年度からの3か年の検討をそれぞれの所で行っていきますので、私たちも様々な、例えば障害当事者団体同士で勉強会をしたりして、各地域で、これは市町村ですので、発信していきたいと発言したところです。よろしくお願いします。
○小野寺課長 追加で、障害者雇用対策課長の小野寺です。今の御指摘は全くそのとおりでございまして、正に意欲のある自治体において措置をされ、この支援がスタートするという立て付けになっていまして、今回はモデル事業ということでやらせていただく中で、初めての試みでもありますし、障害福祉部の方ともしっかりと連携を取りまして、また順次、障害福祉部の方でも自治体への説明会も行われますし、その中で意欲をもって取り組んでいただけるような働き掛けを連携してやっていきたいと思います。
○阿部分科会長 それでは、竹下委員どうぞ。
○竹下委員 竹下です。1点質問なのですが、欄外と言うのか、※の現行の助成金メニューという所の最後に、「現状維持」とあるわけですが、職場介助者の現状については、補助率も現状維持ということが内容になるのでしょうか。これが1点です。
それから、今回、新しく発足した納付金と福祉の連携による支援と、それから従来の雇用納付金制度にあるメニューの職場介助者とは、両方が存続するとすれば、それらの重なり合いと言いますか、両方の制度を利用するという援助の仕方はあり得るのかどうかについても教えてください。
○阿部分科会長 事務局からお願いします。
○小野寺課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。まず、1点目ですが、現状の助成金は現状の助成金として、従来の形で存在しますので、助成率についても現状の4分の3ということで、そのままです。
それから、今回新たに措置するものとの重複については、今回、新たに措置するもの、重度訪問介護サービスの利用者、それから、同行援護及び行動援護の利用者と、今の助成金での重なりというのが、厳密にどこまでというのを明確にお示しできませんが、考えるとすれば、重度身体障害者の方については、重度訪問介護サービスとダブりが出てくるかもしれませんし、知的や精神の方については、行動援護、同行援護といったことがあり得るのかもしれませんが、いずれにしても、同一の方が両方を使うということはあり得ませんので、恐らく重訪なりを使っていらっしゃる方については、助成率が高いものですから、新規のほうをお使いになってくるのではないかと思っております。必ずしも、今仮に従来の助成金を使われていて、新たに措置をされた支援の方に利用を変えるということも現状においては拒むという立て付けにはなっておりませんので、そういったことも可能かなと思います。ただ、同一の方が両方を使うということはあり得ないということです。
○竹下委員 そうすると、視覚障害者で言いますと、今回の制度の適用対象になる同行援護利用者が対象になる。そして、従来のメニューである職場介助者制度が今後も同様に継続するわけですから、その2つの適用対象になるわけですが、その場合は事業主において、どちらの制度を使うか選択になるという理解でいいのでしょうか。
○小野寺課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。事業主の方がの選択するのかという意味で言うと、従来の助成金は事業主のが自らそういった措置を行うということかと思いますが、今回の支援策はどちらかと言うと、重訪サービス等を使う御本人が、働く上での支援が必要だというように自治体のほうに御要望をお伝えになった上で、支援に向けての調整がスタートすると思いますので、もちろん事業主のほうが選択するということもあり得ますが、どちらかと言うと御本人の希望に応じてということになろうかと考えています。
○阿部分科会長 ほかにいかがですか。それでは、議題5の「その他」は、この辺りにさせていただきたいと思います。以上で本日の議論は全て終了となりますので、障害者雇用分科会はこれにて終了とさせていただきます。最後に、事務局から連絡事項がございましたら、お願いいたします。
○小野寺課長 障害者雇用対策課長の小野寺でございます。今日、参考資料2として入れておりますが、御報告だけでありまして、特に細かい説明は申し上げませんが、年末に2019年の令和元年雇用状況の結果の集計を公表しておりますので、御参考までにお付けしております。今回、民間実雇用率2.11%ということで、過去最高を記録しております。また、公務部門についても、一定のデータを発表しておりますので、御参考までに入れていることを御報告申し上げます。
○池田障害者雇用対策課長補佐 池田障害者雇用対策課長補佐の池田です。次回の日程については、3月下旬の開催を予定しています。詳細は追って事務局から御連絡いたします。また、障害者の雇用の促進及び雇用の安定に向けた取組を積極的に実施している優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する認定制度について、認定マークの選定を現在行っているところです。皆様の机上に紙をお配りしていますが、委員の皆様におかれましても、採点を賜りたいと考えております。採点の依頼については、追って事務的に依頼させていただきますので、御協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。以上です。
○阿部分科会長 それでは、採点の依頼がありますので、よろしくお願いいたします。最後に本日の会議に関する議事録の署名についてですが、労働者代表は岡本委員、使用者代表は正木委員に、障害者代表は阿部委員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。これで終了させていただきます。

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難病患者の就労支援、就活、働く準備、書類作成、使えるサービスや支援機関、整理の仕方等、難病患者の就活について、当事者の皆様をイメージしながら、元難病患者就職サポーター、リワーク支援、医療現場での支援の体験と実践に基づいて書かせていただいています。